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真・東風吹かば⁈  作者: ケロボッチ


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尾張編 【14】

 清州の我が名物屋敷にもどるとすでに十三たちも帰宅していた。


 予想通り調略は失敗に終わったが、その時の竹中半兵衛の毅然とした態度と

 理知的な風貌に藤吉郎は憧れさえ抱いたという。


 双葉の助言に従って執拗に勧誘しないで

「願わくは竹中殿の覚悟と斎藤家への忠義が竜興殿に伝わればと⁈」


 その言葉を聞いた半兵衛は少し驚いたような表情の後、目を閉じて軽くうなずいた。

(悲しいかな、おそらく伝わらないであろうな。)


 「久作、使者殿を城外まで丁重に案内せよ!」

弟の竹中重矩しげのりに命じた。


 城門で別れ際に「皮肉なことよな、織田家の貴殿らが我らの苦悩をわかっているとは。」


 藤吉郎は無言で頭を下げ清州に向かった。


 途中の人気のない所に来たとき、先頭の東雲姉妹が馬の歩みを止めた。


 斎藤家家臣の襲撃に違いない!


 全員下馬して藤吉郎のまわりに位置取った。

 20人以上はいる。


 東雲は煙玉を投げ、素早く森に入り潜んでいるであろう弓隊の駆除にかかる!


 十三は藤吉郎の前に仁王立ち⁈


 襲い掛かる斎藤家の武者たちを次々と倒していく⁈


 弓隊の駆除を終えた東雲姉妹が十三に加わると、ものの数分で決着がついた。


 わざと峰打ちで済ませておいた。


 総勢30人の襲撃隊が実質3人に圧倒されたのであった。


 双葉が護衛をつけずに、藤吉郎と従者の3人だけだったら当然藤吉郎の

 物語は終わっていただろう。


 藤吉郎は信長に《《今日のところは》》調略に失敗しましたと悪びれずに報告すると含みを察した信長は「そうか。」と一言。



 二日後の夕方、双葉たちが風呂に入っているところに藤吉郎が素っ裸で乱入してきた。

 「てえへんだ、てえへんだ‼ 双葉!」


 「どうされた、でこっぱち...じゃなくて藤吉郎殿?」


「竹中半兵衛殿が稲葉山城を返上して出奔! 自宅にて蟄居ちっきょとのこと⁈」


「それは確かにてえへんだ! だがまもなく日が暮れる。

 明日の朝一番で竹中屋敷に参りましょう⁈」


「拙者もこの屋敷に泊まって明日同行します!」


「大胸、小胸! 風呂から上がったら急いで夕餉を食べて竹中屋敷の警護に向かうように! 

 つなぎの忍びを二人連れていくが良い。斎藤家の者にも竹中屋敷の者にも気づかれないように⁉」


 声を揃えて「合点承知!」  湯船から飛び出して藤吉郎の前を横切り、食事をとる部屋にむかった。


 藤吉郎は大胸の揺れっぷりに見とれたようだ⁉


 湯けむりで視界は悪いが藤吉郎は十三の隣で体を洗うことにしたようだ。

 十三の揺れっぷりをガン見している。


 さてはこれが目当ての乱入か⁈

 まあ今日のところは大目にみてやるか。


 夜が明けた。


 例によって翔平の馬を藤吉郎に貸して、翔平を十三の胸、、、馬に乗せるように指示した。


 四騎の風が竹中屋敷に向かう。

(間に合えばよいが。)


 つなぎの忍び・暗号名コードネームハゲタカが来ていないのだから、まだ無事だろうが予断は許されない。


 ようやく竹中屋敷の近くまで来るとハゲタカが現れて、特に異常はないとの事。


 いま使用人には暇を出し妻も実家に帰し、屋敷には半兵衛と久作の二人しかいないらしい。


 藤吉郎と双葉の二人だけで竹中半兵衛に面会することにした。


 玄関で声をかけると久作が出てきて案内してくれた。


 半兵衛の前に二人が座った。


「竹中殿、今川撃破の報告が遅くなり申し訳ございませぬ。」双葉は土下座なみに頭を深く下げて謝罪した。


「東風殿、頭を上げてください。織田家の客分になったからにはお互いの立場上会いにくいのは仕方のないことです。


 さて木下殿、こんなに朝早くからの訪問。今日のおもむきはなんでしょう?」


「天下を論じて友好を温めに参った次第でござる。」


「ほう。悪くない申し出だが、この場に長居は無用です。

 いつ刺客が来るやもしれぬ状況なれば。」


「ならば何故に二人してここを出ないのでしょうか?」


一縷いちるの望みに賭けています。」


「一縷の望み?」


「刺客ではなく城からの呼び出しの使者が来ることです。

 もし使者が来たなら同行してどのような裁きも甘んじて受ける所存。」


「よくて切腹、悪ければ斬首かと。」


「覚悟の上です。斎藤家、いや道三公への最後の奉公を全うできれば本望。」


「凄まじき覚悟! 比類なき忠義! しかし刺客がくれば如何しますか?」


「その時は斎藤家を見限って久作と血路を開き逃亡するまで。」


「十中八九、刺客が来るでしょうな。」


「悲しきことですがおそらくは。」


「では我らは使者か刺客が来るまでここに居候させていただく。


 刺客が来たときは加勢します、下心がありますので。」


「酔狂な方々よ、好きになさるが良い。」


「米俵を持参していますので全員分の握り飯をつくりましょう。」


 あきれ顔で「久作、皆に粗茶でも振る舞って差し上げなさい。」


 握り飯を食べ終わり一息ついているときに、指笛が聞こえた。


 これは刺客が来たことを意味する!

 全員臨戦態勢に入った。


 見張りのハゲタカが「弓兵10名を含むおよそ50名!」


「二人相手に50人の刺客とは、仰々しい。

 だが、50人なら楽勝だな!」


「楽勝ですね。」 「楽勝ですぎゃ。」藤吉郎まで強気だぎゃ。


「双葉殿、できればなるべく殺さずに。」と半兵衛。


「もとよりそのつもり、安心あれ!


 だが、龍興のやり方には我慢ならん!


 虫の居所が悪いので覚悟しなよ、めちゃくちゃ...痛いぞ⁈」


 双葉の相手をした刺客は皆キャンタ...金的を蹴られて悶絶した。


 ものの数分で決着がついた。


 長居は無用と清州の名物屋敷に全員で向かった。


 ―以下に続く―

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