尾張編 【11】
清洲城 評定の間 (名場面だぎゃあ⁈)
「これより美濃攻めの方針を申し渡す!」
一同緊張した面持ちで唾を飲む。 ゴクリ!
「墨俣に砦を築き美濃攻めの拠点とする!」
「殿!お待ちくだされ、かの地は川に挟まれており物資の運搬が困難なうえ
斎藤勢も黙って見ているはずもございませぬ。」
「無理は百も承知! だがこれを成さずして美濃攻略はあり得ぬ。
誰ぞこの任務成し遂げるものはいるか⁈」
「その任務、是非とも拙者に!」名乗り出たのは木下藤吉郎⁈
「ええい!出しゃばり過ぎぞ、猿! 引っ込んでおれ⁈
殿! この任務、佐久間盛信が相応しいかと⁈」と柴田勝家。
「盛信、どうじゃやれるか?」
「無論、お任せくだされ」 何やら声が頼りない気がする。
勝家に無茶振りされて仕方なし感。
藤吉郎のやる気を買うべきだと双葉は思った。
おそらく佐久間は失敗するだろうと思っても新参者が口を出すべきではない。
「ではこの件は盛信に任せるとして、これにて評定は終わりとする」
我が名物屋敷への帰り道に藤吉郎がついてきた。
「木下殿、墨俣の件に何か勝算があっての名乗りと見ましたが?」
「そのことでお願いがあります」
「伺いましょう」
「これから拙者と一緒に蜂須賀小六殿との交渉に来てもらえませぬか?」
「なるほど! それが切り札でしたか。 いいですとも、敵地なので護衛をかねて6人全員で行きましょう」
「それは心強い!」
いったん別れて我が名物屋敷に集合することにした。
「皆そろっているか?」屋敷に着くと出迎えた翔平に問いかけた。
「はい! 3人で新しい宴会芸を練習していますよ」
「本業を忘れていなければいいが⁈」
屋敷にやってきた藤吉郎の馬をみて、藤吉郎に光翔を貸して翔平は東雲姉妹のどちらかに乗るようにと。
複数人の移動時間は一番遅い者で決まる。 それゆえの指示だった。
翔平は当然?、(胸の)大きい方に乗った。 ちゃっかりしてやがるな、さすがはMVP候補筆頭⁈
井ノ口の町まで六騎の風が吹き抜けた。
馬屋に預けてここからは徒歩で蜂須賀党の砦まで進む。
東雲姉妹を斥候に出しながら慎重に進んでいく。
何とか無事に蜂須賀砦まで着くことができた。
翔平が酒壷を掲げると門が開いた。
翔平の顔パスで小六の部屋までいともたやすく辿り着ける。
翔平が声を掛けると部屋の中から
「翔平か、構わん、入れ。」との返事。
7人が部屋に入り小六の前に藤吉郎と双葉が座り、残りの5人は後ろに控えて座った。
「お! 日吉ではないか。 それに東風...双葉殿だったか?」
「小六殿、拙者は日吉丸改め木下藤吉郎、織田家家臣にて足軽組頭を務めています。」
「ほう、武士になって出世したのか。それは重畳!
その木下殿と東風殿が揃ってここに来たということは、担ぐ神輿は織田信長に決めたのかな、双葉殿?」
「当面はそのつもりですが今は客分として協力し見極めている次第です。」
「ふん、双葉殿は慎重というか、面倒くさい御仁だな。」
「それがしの同志も増えたし、皆の命運を担うがゆえに。
それに人は大きく変わることがあります。万一悪い方に変われば敵に回ることも
絶対ないとは限りませぬ」
「貴殿の覚悟は小六、確かに受け取った。さて、そろそろ今日の用件を聞こうか」
「今、織田家は美濃攻略のために墨俣に砦を築かんとしています。
しかし簡単にはいきますまい。
おそらくこの藤吉郎以外には誰も成し遂げられぬかと存じます。
拙者に役目が巡ってきたときに蜂須賀衆に助力をお願いしたく参りました。」
「ふむ。 蜂須賀党は道三公のときはそれなりに良い関係を保っていた。
だが道三公のあと義龍、次の龍興の代になると次第に険悪になり、今や我らを野党扱いする始末。
よかろう、その時がくれば使いをよこせ。 助力、確かに引き受けた。」
「おぉ!かたじけない」
「木下殿、やりましたな!」
「うんうん」藤吉郎は双葉の手を取りブンブン振り回して大喜び!
久方ぶりに、
これでまた一歩野望に近づいた⁈ かも?
―以下に続く―




