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真・東風吹かば⁈  作者: ケロボッチ


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尾張編 【9】

 夜明けとともに双葉たち六騎は美濃に向かった。


 隠し蔵元で特級酒と一級酒を二壺ずつ買い求め、その足で軒猿の里へ。


  途中数回の短い休憩を取っただけで、かなりの強行軍だったが

 駿馬揃いの一行にとっては屁でもない。


 そういえば昨夜翔平の馬が堺の町の馬屋の親父から届いたところだ。


 少し小柄だがまぎれもなく一級品の名馬だ。


 なにより眼の光に利発な輝きがある。 


 光翔と名付けられた若駒は素直で賢くケロとは大違いである。


 今日は富山の町で宿を取り朝一番で出発すれば、明日の昼過ぎには軒猿の里に着けそうだ。


 今回の目的は遊女の見受け...じゃなく忍びの引き抜きだ。


 交渉がうまくいけばいいが。


 翌日、軒猿の里に続く枝道に入ったとたん、誰何すいかの声がした。


 さすがは忍びの里。警戒が厳重である。


 翔平が酒壺を掲げると通って良しと。


 忍びの里にしてはチョロすぎる。


 頭の屋敷に案内され、中に入ると頭と向かい合って座った。


「聞き及んでいるぞ、桶狭間の件!まずはめでたきことじゃ。」


 「ありがとうございまする。お礼の酒を納めてくだされ。」と、

 一級酒を二壺差し出した。


 半分残した酒を見て軒猿の里の頭が

「何か話があるようだな。仕事の依頼かな?」


「いえ、依頼ではなく交渉です。東雲姉妹を見受け...じゃなくて引き取りたい。


 特級酒二壺と1000貫が条件でいかが?」


「ほう、破格の申し出悪くない。悪くはないが半分の条件で一人だけ、小さい方でどうだ?」


「小さい方とは?」


「胸に決まっておるじゃろうが!」


(決まってるのか?)


「双葉殿、ここはその条件で全くよろしいかと!」と小胸。


「見捨てないでけろお⁈」泣き叫ぶ大胸!


「頭、ここは一つ武力で決めませぬか。


 それがしと軒猿の代表者で素手の申し合いで勝った方の言い分でいかが?」


「面白い!承知した。 こちらからは...段蔵を呼んでこい!」


「やはり飛び加藤か⁈ 相手にとって不足なし!」

 想定の範囲内だ。


 双葉は軽く体をほぐし準備を終えると段蔵が現れた。


 段蔵は双葉を見て何かを感じたのか不敵に笑った。


 飛び加藤は忍術もさることながら体術にも長けていて、二つ名に恥じぬ跳躍力を活かせる森の中では無敵と言える。


 この申し合いは平地なのでかなりの救いではあるが強敵には違いない。


 二人は向き合ってお互い相手の様子をうかがう。


 少しずつ間合いを詰めてきた段蔵が牽制の拳を放つが、双葉は微動だにしない。


 間合いに入っていないのがわかっているからだ。


 段蔵は間合いに入った双葉に蹴りや拳を放つが双葉は受けずにかわす。


 受けることによる減速を嫌ういつものスタイルだ。


 双葉が放った拳が段蔵の頬をかすめた。


 段蔵から笑みが消えた。予想外に速い拳に驚きを隠せない。


 たまらず後ろに下がり距離を置く段蔵。


 双葉は相手に考える隙を与えない。


 ブルース・リーが本気モードに入った時のような軽やかなステップを刻み始めた。


 ゆっくりと段蔵の周りを反時計回りに回り出した。


 徐々に速度を上げていく。


 残像が残るほどの速度まで上がると...

 時計回りに反転!


 段蔵の視界から双葉が消えた⁉


 とっさに段蔵は上方に跳躍した。

 さすがの判断⁉


 しかし双葉が一枚上手だった。


 宙に飛んだ段蔵に向かって跳躍すると二人の目が合う。

 段蔵の背筋が凍った。


 双葉はニッと笑って

「それがしの勝ちです!」と言うと同時に段蔵の心臓に掌底を当てていた!


 二人同時に着地すると段蔵はガクッと膝をついた。


 双葉の完勝と言ってもいいだろう。


 その場にいた全員が固まっている。


 勘三以外誰一人双葉が勝つと思っていなかっただけに。


 「頭、約束どおり大小両方の胸、いただいていきます。」


(まさか段蔵が敗れるとは⁈ こ奴は一体何者?)

「分かった、好きにするがよい。」


「今後の仕事の依頼のためにつなぎの配下をつけてもらえると助かります。


 あと今日の事は他言無用で!」


「承知した、これからも良き関係を続けたいものじゃな」

(こ奴らは絶対敵に回したくないな。)


「これからも良しなに。では今日のところはこれにて失礼いたします」

 双葉は深々と頭を下げお辞儀をした。


 双葉たちは尾張に向かう6騎の風となった。


 東雲姉妹が加わり諜報力と戦闘力に加えて宴会芸が強化された。


 これでまた一歩野望に近づいた⁉  かも。


 ―以下に続く―

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