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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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飼育開始

飼育は、始まった。


囲いの中に水桶を置き、餌を撒く。

穀物の欠片に、砕いた豆。

それだけだ。


「……食べてるな」


セキシャク鳥たちは、迷いなく嘴を突っ込んだ。


それだけではない。

囲いの隅で、雌が地面を掘り返す。


ミミズ。

小さな虫。

雑草。


見つけると、素早くついばむ。


「……勝手に餌を補ってくれるのか」


想像以上に、自立している。


(確かに……飼育自体は、簡単?)


水を切らさない。

餌を与える。

囲いを壊されないようにする。


やることは、それだけだ。



問題は――


雄だ。


「……来るなよ?」


エドワルドが近づくと、以前なら即座に威嚇してきた。


羽を広げ、叫び、蹴りかかる。


だが。


今は、違う。


雄は、首を伸ばし、こちらをじっと見ているだけだ。


「……」


ゆっくり、水を替える。


餌を置く。


雄は、距離を保ったまま、襲ってこない。


「……理解した、のか?」


水と餌をくれる存在。

敵ではない。


そう認識したらしい。


(最初のうちは、俺にも襲ってきたのに)


慣れ、だ。


「……管理できるな」


完全に安全ではない。

だが、理由もなく襲ってくるわけでもない。


(やはり、雄は一匹までだな)


これは、絶対条件だ。



一方、雌たち。


囲いの奥で、藁を集め、丸くなっている。


「……温めてる?」


近づきすぎないように、そっと覗く。


雌の腹の下。


見えたのは――卵。


「……早いな」


思わず、声が漏れた。


まだ数日だ。

それなのに、もう産み、温め始めている。


(確かに、繁殖速度は速い)


数が揃えば。


毎日。

卵が、採れる。


(主食じゃない)


だが、栄養は補える。

調理の幅も広い。


(これは……強い)



囲いの外。


エドワルドは、腕を組んだ。


「凶暴性は、管理の問題」


「飼育は、思ったより容易」


「卵の回転が、異常に速い」


どれも、事実だ。


(……広がらなかった理由は、分かる)


雄。

それだけだ。


だが。


「理由が分かれば、対処できる」


ルールを作る。

数を制限する。

人が近づく時の手順を決める。


「……これは、行けるな」


小さな囲いの中で。


セキシャク鳥は、今日も土を掘り、餌をついばみ、卵を温めている。


派手ではない。

だが、確実だ。


エドワルドは、静かに頷いた。


「……次は、卵だな」


小さな成果が、また一つ――

形になり始めていた。

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