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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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土煙の向こうの旗

地面が揺れていた。


ドドドドドドド——


蹄。車輪。鎧の擦れる音。


「急げ!!止まるな!!」


エドワルドは馬上から怒鳴っていた。

森道を、半ば無理やり突っ切る強行軍。

荷馬車は跳ね、兵は転びかけ、それでも止まらない。


「兄上が持たせているとはいえ……」


歯を食いしばる。


「長くは保たない……!」


斥候が戻る。


「前方より砲撃音確認! 投石機です!」


「やはり本隊か……!」


最悪だ。

砦に投石機。時間の問題。


「距離は!?」


「半刻以内!」


「間に合う……!」


拳を握る。


「レオン!」


「はっ!」


「全軍、戦闘準備!到着次第、即交戦だ!」


「了解!」


レオンの目が獣みたいに光る。


「ようやく本職ですな」


視界が開ける


そこにあったのは——地獄だった。

砦。崩れた土塁。死体。敵兵の群れ。


そして後方に巨大な投石機。

石弾が唸りを上げる。


ドゴォォン!!


砦に着弾。


土煙。


「……兄上」


拳を握る。

まだ立っている。まだ旗がある。


「……生きてるな」


レオンが笑う。


「悪運の強い男ですから」


「当然だ」


深く息を吸い、そして剣を抜いた。



命令!


「投石機をやるぞ!!」


兵が振り向く。


「騎兵隊!!」


前へ出る。


「突撃!!」


ドッ!!


騎兵が駆け出す。


一直線に敵後方へ。


「クロスボウ隊!!」


「第一列伏せ!第二列装填!」


「敵後衛を狙え!!」


「撃てぇぇぇ!!」


バシュッ!!


重い音。

敵弓兵が次々倒れる。


「歩兵隊!!」


「前進!!騎兵の道を拡げろ!!」


盾を並べる。


ザッザッザッ。


「押し潰せ!!」


怒号。


敵、混乱。


「な、なんだ!?後ろだ!!」


「援軍!?」


「どこの軍だ!?」


投石機が止まる。

操作兵が逃げる。


そこへ。


騎兵が突っ込む。


「どけぇぇぇ!!」


ザシュッ!!


刃が走りロープを切る。

歯車を壊す。


「投石機破壊!!」


レオンが笑う。


「勝負ありですな」


砦側は、その頃。


クラウスは目を細めていた。


「……おい」


副官が言う。


「後ろ……」


振り向く。

敵後方で爆発的混乱。


騎兵。クロスボウ。見覚えのある旗。


「……はは」


思わず笑う。


「来たな」


剣を抜く。


「全員!!反撃だ!!」


「今が押し返す時だ!!」


砦の門が開く。


「突撃ぃぃぃ!!」


中から飛び出す。


前後から挟撃。完全包囲。


合流、戦場の中央。

敵が崩れ逃げ出し、武器を捨てる。


その中を一人の騎兵が進む。


クラウス。


エドワルド。


目が合う。


数秒。


沈黙。


そして。


「……遅いぞ、馬鹿弟」


「生きてて何よりだ、捻くれ兄上」


ニヤリ。


「助けに来てやった」


「頼んでない」


「嘘つけ」


二人同時に笑う。

戦場の真ん中で不思議な安心感が広がる。


「……さて」


エドワルドが剣を構える。


「片付けるか」


クラウスが肩を鳴らす。


「兄弟で挟めば楽勝だな」


二人が同時に前へ出た。


その背に兵たちが続く。

守るための軍。


そして。


初めて兄弟が並んで戦う日が来た。

森に、勝鬨が響いた。

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― 新着の感想 ―
「ようやく本職ですな」 何も考えずに攻撃するのみ。 今までの「闘い」を考えれば、心労は無いに等しい。
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