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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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速まる建築、根づく循環

新しい建築方法は、想像以上に効果を発揮していた。


一棟完成すれば、二十組が入れる。

屋根と壁を共有し、生活に必要な設備をまとめた横長の建物。


——数だけで言えば、圧倒的だ。


だが本当に大きかったのは、速度だった。


「ここまで早いとはな……」


基礎が出来上がると、後は流れ作業だ。

柱、壁、屋根。

規格が統一されているため、建築に詳しくない者でも、役割を与えれば手を出せる。


木を運ぶ者。

釘を打つ者。

壁材を整える者。


「俺、王都じゃ荷運びしかしてなかったんですが……」


「十分だ。今はそれが要る」


誰もが、何かを任されている。


そのお陰で、人手に困る事は無かった。

むしろ——


「仕事が足りないくらいだな」


仕事がある。

役割がある。

日が暮れれば、疲れて眠れる。


それだけで、人は立ち直る。


「いい流れだ……」


建物だけじゃない。


田畑も、確実に広がっていた。


まずは蕪。

成長が早く、土を選ばない。

早ければ二ヶ月ほどで収穫出来る。


「最初は、これで腹を満たす」


「土が落ち着いたら、じゃじゃ芋だ」


芋は強い。

保存も利く。

多少の不作でも、命を繋げる。


「その後は、黒麦」


「翌年、小麦に切り替える」


一つ一つは小さな選択だ。

だが、積み重ねれば——


「……循環になるな」


建てる。

育てる。

食べる。

働く。


南町は、支えられている場所から、

自分で回る場所へと、静かに変わり始めていた。


「この町は……持つ」


そう確信出来たのは、

数字ではなく、土と音と人の顔を見たからだ。


まだ波は来る。

もっと大きなものが。


だが今は——


「受け止められるだけの足場は、出来た」


エドワルドは、そう判断していた。


南町の動きが目に見える形になり始めると、変化は自然と外にも滲み出た。


この頃になると、レオン団長率いる団員たちが、各地で保護していた者の中でも――

最低限の体力を取り戻した人々を、少しずつ南町へと運び始めていた。


無理はさせない。歩ける者だけ。

途中で休める者だけ。


それでも、馬車から降りた彼らの顔は、皆一様に疲れ切っていた。


「……ここなのか?」


そう呟く声が、何度も聞こえた。


そして、もう一つ。

団員が連れて来た者だけではなかった。


どこで聞きつけたのか、まだ体力に余裕のある者たちが、自分の足で辿り着くようになっていた。


「仕事があると聞いて」


「寝る場所があると……」


「子供が、凍えないと……」


理由は様々だ。だが共通しているのは——

まだ動けるうちに、選択をしたという事。


彼らは、助けを待つ側ではなく、

自ら生き延びる場所を探して来たのだ。


3箇所の村に並ぶ影が、少しずつ増えていく。


それは決して騒がしくもなく、

押し寄せるでもない。


ただ静かに——

流れ込むように、人が集まり始めていた。


エドワルドは、その様子を遠目に見て、思う。


……もう始まっているな。


救助は、点では終わらない。

流れになり、やがて——


波になる。

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