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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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動かし続ける手

最近の俺の一日は、ほぼ決まっている。


午前中は、南町の開拓状況の確認だ。


書類は毎日上がって来る。

進捗、人数、必要資材——数字だけを見れば、順調そのものだ。


だが、それだけでは足りない。


「……やっぱり、現場は違うな」


実際に立ってみると、空気が違う。

土の匂い、人の声、足取りの重さ。


書類では分からない“肌感”が、ここにはある。


領都から回して貰った人員が、道を作っている。

最初はただの踏み分け道だった場所が、少しずつ幅を持ち、固められていく。


「ここは、もう少し広げておけ」


「はい!」


建築資材用の森では、計画通りに木が伐り出されていた。

乱伐にならぬ様、区画を決めて、必要な分だけ。


——未来の為に、今を削り過ぎない。


元保護民の中で、農家経験者達は、既に分け与えた土地の開墾に入っている。


鍬を振るう背中は、まだ痩せている。

だが、動きは迷いが無い。


「土は、裏切らない」


そう言った老人の言葉が、妙に印象に残った。


午前の確認が終わる頃には、汗で服が重くなっている。

だが、ここで一息つく訳にはいかない。


午後は、保護民の一次受け入れを行っている三つの村を回る。


南町とは違い、こちらはまだ“耐える場所”だ。


配給の状況。体調不良者の数。

不満が溜まっていないか。


「足りていますか?」


「今の所は……何とか」


その「何とか」が、どれくらい保つのか。

それを見極めるのが、俺の仕事だ。


子供達の表情。

老人の歩き方。

若い者の沈黙。


どれも、数字にはならない。


だが、確実に“限界”を教えてくれる。


「……まだ、回るな」


自分に言い聞かせる様に呟く。


南町は、受け皿だ。

だが、ここが詰まれば、全てが止まる。


夕方、領都へ戻る頃には、身体は正直だ。

疲労が、じわりと出て来る。


それでも——


「止まる訳には、いかないか」


俺は馬を降り、領主館を見上げた。


戦は、前線だけで起きるものじゃない。

後ろで回し続ける手が止まった時、

それは一気に崩れる。


今日もまた、派手な事件は無かった。


だが——

何も起きなかった事自体が、成果だ。


その現実を噛み締めながら、俺は次の書類へと手を伸ばした。


明日も、同じ一日が待っている。


そして、それを続けられるかどうかが、

この領地の運命を決める。

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― 新着の感想 ―
最近、主人公のお兄さんは何をしてるのですか? 領地の跡取りですよね? エドワルドよりお兄さんのが積極的に動かないと、後継問題が起きるのでは……。 まあ読者からは主人公の主観しか見れないので、こちらか…
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