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第22話『違和感』

 今日は太陽の日。つまり日曜日であり休日だ。魔剣作りでミーナに寂しい思いをさせてしまったので、ここしばらく太陽の日には毎週デートをすることにしている。


 一か月くらいデートして、コツコツクレイとしての収入も貯めてきており、ミーナを養えるまであと数か月と言ったところか。


 結局、合計すると半年以上かかってしまうわけだが、それでも俺はどうしてもミーナと結婚をしたい。


 それが俺のスローライフの最終目標であり、そこからは子供ができるまでは、特に努力することもないだろう。


 俺もそれほどそういう欲は強くないので、子供ができるまでには数年はかかることだろうしな。

 正直、ミーナと穏やかな気持ちで過ごせたらそれでいい。そのために錬金術でクレイとしての収益をもっとたくさん上げなくては。


 その前にまずはデートだ。先週はパフェデート。翌週は食べ歩きデート。その次の週はお家でまったり紅茶とクッキーを食べながらトークデートをした。


 今日はハンバーガーデートの日だ。ゲーム世界だけあって異世界の常識などなく、普通にハンバーガーショップが存在する。


 これも整合性を考えたら可笑しな話だが、ゲーム制作人の趣味、つまりは焼き肉食べ放題と同じだ。


 社畜時代の昼飯はいつもハンバーガーショップで済ませていた。会社の近くにあったし、それほど時間を使わずに食べられるからだ。


 しかも値段もお手頃価格だしな。


 俺は部屋で今日の服である青のジャケットに、白のシャツと黒のネクタイ、黒のチノパンに黒靴下。茶色のブーツという、如何にも若者臭い恰好に身を包み、部屋を後にした。廊下でたまたま父さんと出会い、服について言及してきた。


「ほう! 爽やかで若者らしい恰好をしているな。今日はミーナとデートか?」


「おう!」


 ぶっきらぼうにそう告げると、父は笑いながら俺の肩を叩いた。


「がっはっは。最近の休日は自宅に籠りっぱなしかと思ったら、いつの間にか毎週デート尽くしになったな。そろそろ結婚も期待しても良さそうだな。がっはっは」


「余計なお世話だ。それじゃ、行ってくる!」


「おう! 行ってこい! 晩飯までには帰って来いよ!」


「おう!」


 父さんに見送られながら、俺は屋敷を飛び出した。


 ミーナとのデートの待ち合わせは冒険者ギルドの前だ。


 俺は屋敷をしばらく歩いていると、急な殺気を感じとり、そこに向けてナイフを投げた。


「ぎゅ!」


 というあっけない声と共に、何かのモンスターが死亡したのを感じた。俺は近くによると魔水晶と夜の灰と呼ばれるドロップアイテムが転がっているのを確認した。


「これは……」


 間違いない。中盤に出てくる死神系のモンスター【ファントム・オブ・リーパー】のドロップアイテムだ。


 どうやらまた英雄因子に引き寄せられてきたのか? 


 それにしても最近は強敵との遭遇率が多い気がする。


 しかし、運よくクリティカルしたからよかったものの、もし通常ヒットの場合は街中での戦闘になっていた。


 勇者が魔王を倒したと報告があったのに、それでも世界は俺に英雄としての運命を強いてくるのかと嫌になってくる。


 それでも目立たず静かに過ごしてさえいれば、きっと大事にはならないはずだ。


 とにかくいざという時のためにミーナの命を守れるように万全を期しておかなければ。


 俺は騒ぎになる前に早足でミートの元へ向かった。


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