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第五話・喰太郎がブチ開けた空間の穴から別世界のエルフが侵入?

 洞窟からエルマと一緒に外に出た、喰太郎はエルフケンタウロスの上から、エルマに質問した。

「いいのか、実の父親にあんなコトして?」

「気にするな……すべては、あいつが撒いた種だ……おまえも、殴りたかったら場合によっては親父を殴ってもいいぞ……エルフを守るためなら、オレが許す」


 街道の隅にはヤンキー座りをした、エルフレディースたちがエルマに向かって「ちぃーす」と片手を挙げる。

 エルフレディースに片手を挙げたエルマが、喰太郎に向かって言った。

「オレはエルフを守る……エルフに悲しみの涙は流させねぇ……ちょっと、カッコいいコト言ったなオレ」


 喰太郎が、エルフケンタウロスの承諾を得て、後ろ乗りで馬尻を触りながらエルマに訊ねる。

「悪霊王に力を貸してエルフを脅かす存在がいると言っていたな…

…心当たりみたいなのはあるのか?」

「う~ん、あると言えばある、無いと言えばない」

「どっちなんだよ?」


「どうも、ニュー・エルフニア国内に、紛れ込んでいるらしいのは、わかっているのだが……はっきりしない」

「じゃあ、それを見つけなきゃいけないのか?」

「そのためには、エルフを集めないとな……犯人はエルフの国内にいる!」


 エルマがそう呟いた時──突然、前方の空間に穴が開いて、中から俊敏なスピードのエルフが飛び出してきた。

 突然現れたエルフ少女は、そのまま近くの樹木を駆け登って太い枝の上で、喰太郎たちに向かって牙を剥いて威嚇(いかく)する。

「グルルルルッ」

 トラ柄模様の服を着た、野生エルフは何かを探しているように周囲を見回して、樹上でネコ科の尻尾を揺らす。

 それを見エルマが喰太郎に言った。


「もしかして、喰太郎がブッ飛ばされて開けた、次元の穴から出てきた、別世界の野生化したエルフじゃねぇ?」

 喰太郎の名前を聞いた途端、野生エルフの反応が変わった。

「クイタロウ……見ツケタ……喰太郎」


 樹の上から飛び降りてきた野生エルフは、エルフケンタウロスに乗った喰太郎に飛びかかって、押し倒した地面で喰太郎に甘えるようにペロペロと喰太郎の顔をナメる。

 エルフの少女に懐かれて、少し嬉しそうな古米 喰太郎。

「こらこら、くすぐってたい……あははっ」

 喰太郎が、お尻を撫でても野生エルフは嫌がらずに、尻尾を振って喉をゴロゴロ鳴らしている。


 その様子を見て、不思議がるエルマ。

「これは驚いた……どうやら、喰太郎が別のエルフ世界に繋がる穴を開けてしまったから……喰太郎に引き寄せられるように、異種エルフが移動してくるようになったらしい……オレにも胸を触らせてくれ」


 エルマが野生エルフの胸を触ろうとすると、野生化したエルフは牙を剥いて唸った。

「ガルルル! シャーッ!」

「懐いているのは喰太郎にだけか……しかたない、このまま城に連れて行こう」


  ◇◇◇◇◇◇


 城が見えてきた時──また、前方の空間に異変が発生した。

 稲妻が空間から迸り、割れ開いた穴から重機の無限軌道音が聞こえてきた。

 穴の中から、下半身が戦車と合体したような半機械エルフが現れた。

 背中からバルカン砲のようなモノが出ている。

 戦車エルフが、合体していた下半身の機体から立ち上がる。

 どうやら、自由に分離できるようだ。

 戦車エルフが、喰太郎を指差して言った。

「引き寄せられて来た……喰太郎にこの身を捧げて力になる、胸でも尻でも好きなだけ触れ」

「いや、オレは尻専で触りたいのは尻だけだから、胸はエルマの胸専に任せる」

「そうか……で、敵はどこだ? バルカン砲で穴だらけにしてやる、アタッチメントを交換すれば砲撃もできるぞ」


  ◇◇◇◇◇◇


 エルマと喰太郎は、新たに加わった戦車エルフを連れて、城へと戻った。

 城ではさらに別の異種エルフが、喰太郎を待っていた。

 城に残っていたホルスタインとツナが、慌てて喰太郎のところに走ってきた。

「喰太郎……大変だぜら、変なエルフが現れて喰太郎に会わせろと居座っているぜら」

「変なエルフ?」

「とにかく、一緒に来るべな……あんな、変なエルフは見たコトないべな」

「とにかく会ってみよう、どこに居る?」


 異形のエルフがいるという、城の中庭にやって来た。

 中庭には、薄緑色のドレス姿の女性エルフが一人、石で作ったベンチに座っていて──指先に小鳥を止まらせて戯れていた、その薄緑色のドレスを着たエルフの周囲にも小鳥や小動物が遊んでいる。

 平和的な光景だった。


 喰太郎が小声で、ホルスタインとツナに訊ねる。

「どこが変わったエルフだ? 髪飾りをしている上品なエルフじゃないか?」

「外見に惑わされてはダメべな」

「あれは恐ろしい、異種エルフぜら……喰太郎には従うと言っていたから、敵意はないみたいぜら」


 喰太郎の姿を見た、薄緑色ドレスのエルフは、立ち上がると微笑みながらドレスを指先でつまみ上げて、軽く会釈をする。


「あなたが、喰太郎さんですね……はじめまして、あなたが次元の壁を突き破って越えていく姿を拝見してから、ずっとお会いしたかった……わたくしは、喰太郎さまのお力になりたい」


 そう言うと、異形エルフの体は変形した。

 頭の花飾りが小鳥を食して、顔の半分が人間歯の化け物の顔に変わり。

 下半身がスライム状で触手が生えた異形の姿へと変わり、近くにいた小動物たちを次々と触手で捕らえて、牙が生えた腹の第二の口で捕食した。

「クゥトルフ・エルフだ!」


 暴れるリスを腹の口に触手で押し込めながら、異形エルフが微笑み言った。

「喰太郎さまの敵は、わたくしが全員捕食したり、発狂させますから……安心してください、それで敵はどこですか?」


※喰太郎がマンガのコマ割りを、ぶち抜くように開けた空間の穴は別世界のエルフが出てきた時には、自然と閉じる仕組みになっています。

どうして、そうなるのかは柳田理◯雄にでも聞いてください。

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