昭和の学校8
僕はこの前のぼかちゃんの技術の時間の事件を考えた。授業科目のように履修を選択するのがが中学校で難しいのはわかるけど、頭髪や身だしなみのように自分の身体に係る部分まで校則で規制するのはおかしいと思った。そこで僕は、生徒会へまず男子の丸刈り廃止について、議論してもらうように申し出た。すると三年生で先輩の生徒会長の男が、冴えない顔をしてこう言った。
「生徒会としては、学校生活を送る為、問題点や課題を改善する組織だが、あくまでそれは、校則の中での事であり、校則そのものを見直す議論はできない」と校則の部分には触れたくないようである。
「でも会長も丸刈りは本当はしたくないんでしょう?」僕は会長の本心を尋ねた。
「それは俺だっていやだよ、でもしかたないよ、校則だから」三年生の会長であっても
何かといえば、校則、校則、ばかり持ち出して、もう僕から見れば三年生は、立派な大人の体格もしており、立派な大人のように見えて、所詮、大人顔色ばかり伺う子供なのである。また校則と言ったら、国でいえば、憲法である。この先生が決めた憲法を変えようとするのだから、そんな生徒がいれば、先生に内申書へどんな事を書かれるかわからない。そうなれば、高校受験の合否はも危ないので、もう中学校生活が終わりに近い三年生の会長がこれを議論するばずが無い。しかし、一年生である僕達にとっては、まだまだ約三年間も丸刈り通学があるのである。僕は先生達から子供扱いされる事が悔しくて仕方なかった。僕は、こんな校則を何とか改正したいと思った。その為にはどれだけのこの学校の男子生徒が丸刈りに対して不満をもっているか、聞かなければならない。そう思いクラスの何人かに聞いた。するとその答えは、ぜひ廃止してもらいたいと思う生徒が、クラスでは八割ほどいた。そして、直接関係ない女子生徒にも聞いた。その答えも同じく八割ほどだった。ぽかちゃんの女友達に妙子がいる。彼女は、勉強の成績も常にトップクラスであり、いろんな事に見識が高くこの件について、どうしたら良いか相談して見ることにした。すると彼女はこう言った。
「校則を生徒の意見で変えることは、大変よ、だって私達は生徒で未成年だから、運転免許だって、結婚だって、選挙だってできない年齢だからね、しかし子供だって自由平等の権利があるからね」そう言われるとそうである。しかしそんな子供でも何か方法が無いか再び妙子に聞いた。
「ひとつだけ方法はあるわ、それは、学校にいるすべての男子生徒に、丸刈り廃止の署名をしてもらい、校長先生にそれを届けて見ればもしかして、もしかするかもしれないよ」
「そうか、そうか、ぜひやって見よう、やってみよう」僕は、やるだけやって見ようたとえ丸刈り廃止にならなくっても、今と状況は変わらないだけなのだとそう思い早速明日より署名集めをすることにした。。