38話 怒り
「うぅ、あ…」
「「よかった〜!目、ようやく覚ましたー!」」
月華…ルナとソルはなんで喜んでるんだろ?そう言えばあいつのせいで酷い目に遭った。そこでぶっ倒れたんだっけ?
「私はもう大丈夫だよ。ちょっと体がダルいだけ。心配しないで?」
「いや、こっちはヒヤヒヤしたぞ?」
いつの間に来てたんだこの騒動の元凶め!
「?」
「はあ。お前が倒れた時に頭を打って血を流してたんだぞ。おかげでこっちはヒヤヒヤしたんだ。」
頭に触れる。確かに布みたいな感触がある
「あー。一応ごめん、そして一応ありがとう」
「一応とは何だ。因みにそこの2人にリディアがぶっ倒れたことを伝えたら、呪われそうになった。」
「馬鹿には必要でしょ?」
「でも今呪われてないじゃん。」
「バシル…第二皇子がそこに駆けつけて止めた。」
「嘘...ルナは一度怒ると手がつけられなくなるのに?」
「あいつは双子のことを…特にルナのことを気に入ってるからな。ルナが拒否してもお構いなしに抱きついたりしてるから苦手意識を持っているようだ。」
「抱きつくんだ…キモ」
「ほんとにきもい」
「お疲れ様」
「もっと労わって…あいつほんと嫌い!」
「あはははは…」
乾いた笑いしか出てこない
「そういえば何でリディアは倒れたんだ?」
「体力の使いすぎと...脱水症状かな?」
「体力の使いすぎ...ちゃんと運動していたのか?」
「7歳の頃から半年前まで私の部屋から出たことはなかったわ。プラスで初めて剣を作ったから」
「剣を作るのと体力は関係ないだろう?」
「いや?体力使って剣を作ったから」
「なるほどな。だが、どうやって剣を作ったんだ?」
「それは秘密」
聖獣からもらった加護だからなんて言ったら色々追求されるだろう。面倒事は出来るかぎり避けたい。
「...まあいい。この部屋から出るなよ。」
バタン。この部屋から出ます!てか王城から出ます!でも...
「はあ、キモ。ストーカーでもいるの?わざわざ監視カメラを部屋の前と窓につける必要ある?どんだけ対策してんのよ。」
まあ回復するまで脱出はできなさそうだな。もう少しの辛抱か...




