32話 お誕生日おめでとう(sideシュリ)
今日私はまず朝起きてから、すぐ今日の日付を確認した。
12月14日…リディアの誕生日!
いつもリディアは早起きだから7時台にはもう起きているだろう。今はまだ5時30分…リディアの誕生日が楽しみすぎて早起きしてしまった。いつもは7時〜8時くらいに起きるのに…
朝ごはんでも食べておくか。たっくさんお話しするつもりだから!
私の家族はみんな早起きだ。5時半にはもう起きているだろう。
「おはよう!」
「おはよ〜うシュリ!!今日もかわいいね!いつもかわいいけど!!!!」
「ほんと!父さんの言う通り!!!かわいいいいいいいいいいぃぃぃいいいい」
「……」
いつも返事してるけど今日は無視を決め込む。
「うわああああああぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!シュリがっシュリがあああああああああああああああぁあああぁぁぁっぁぁぁぁぁ」
予想はしてたけどうっるさ...親馬鹿もシスコンも面倒くさいことこの上ない。
そんなことより早く食べ終わりたい。
「あらあらふたりとも再起不能かしら?」
「ごちそうさまでした。」
それだけ言い残して立ち去る。廊下を歩いていると、もう7時になっていた。廊下をあるきながら電話?をかける。
プルルルルルプルルルルルプツッ
「えーっと、あ!出た!!へえこんな感じなんだ〜」
『もしもし、おはよう!シュリ、朝から元気だね!』
「おはよう!!リディアも元気そうだね」
『うん!久しぶり〜!!でもどうして急に電話かけてきたの?』
「ふふーんもちろん...」
『もちろん?』
「リディアの …」
「シュリー〜〜〜〜ようやく見つけた〜〜〜〜〜ってリディア!!!!????シュリ!!それどういうことだ!?まさかリディアと連絡が取れるのか!?変わってくれ〜〜〜〜」
「ああもうバレた!!ごめんリディア!また後でかけ直す...ってお父様うるさい!!!耳元で叫ばないで!!!」
プツッと電話終了ボタンを押す。にしてもこんなもの作れるんだ。めっちゃ便利じゃん。
「シュリー〜〜!!!リディアとおしゃべり出来るのか?????ホントか〜〜???」
「.................もううるさーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!」
猛ダッシュでお父様から逃げる。
「なんで逃げるんだ!?!?!?!?!?!? !?」
せっかくのおしゃべりを邪魔された!許せない!だから1日中おしゃべりしてからしっかりとお兄様に叱ってもらおう。うん、そうしよう。
ってそんなことを考えてたらちょうどお兄様に遭遇した。丁度いい、隠れさせてもらおう。
「お兄様!」
背中に隠れた。
「はぁっはぁっ」
お父様も追いついてきたけどこの状況を理解したのだろう。シスコンモード(?)オンになった。
「父上!!!!!!!!!何してるんですか?シュリが怖がっているでしょう!!!!!」
「いやあこれはだなーそのー…」
「何ですか?」
今のうちに逃げ出そう。抜き足差し足忍び足。
よしここからは、ダッシュで逃げる!!よし。成功だ。お母様の部屋の中に逃げる。電話を切ってから1時間が経過していた。あのお父様...呆れて物が言えない。まあいいや。もう一度電話をかける。
「ごめんごめん。お父様にバレちゃって、必死で逃げ回って一時間よ。」
『お疲れ様〜』
「今はお母様の部屋に匿ってもらってる。」
『そこなら安全だね、良かった〜!これで話を邪魔されないね!』
「ほんとにね!で、今日電話をかけたのはリディアが誕生日だからだよ!お誕生日おめでとう!」
『ありがとう!シュリ!!』
「お誕生日おめでとうリディアちゃん。」
『ありがとうございます。カルミナさん』
「あらー当たり前でしょう!娘の友達の誕生日なんだから祝わないとね♡」
お母様は家族の中で一番好きだ。
「ところで今どこにいるの?」
『今はタリカ帝国の王都の近くかな?』
「エッもうそこ?どうしてそんなとこまで?」
『色々と諸事情ありまして』
「そっかー残念だわー誕生日プレゼントあげたかったのに...」
『気持ちだけ受け取っとくね!』
そこからたくさんおしゃべりしていたらいつの間にか夜になっていた。
翌日、お父様とお兄様に会いに行ったら号泣して隠れ鬼がまた始まってしまったのだった。またお母様の部屋に隠れたけど。




