15話 女子会
ヒールを履いて全身着飾った私は頑張ってシュリの部屋に入った。着せ替え人形の如く遊ばれて疲れ切っていた私はこの事件の張本人のシュリを見つけると力一杯睨んだ。
「あっリディア!すっごい似合ってるよ!」
「シュ〜リ〜」
「えっなんで怒ってるの?リディアは怒ると怖いから。いつもほのぼのしてる人って結構怒った時怖いから」
私はほのぼのしているのか?ってそれよりも!
「メイドさん達がすっごい着せ替え人形にしてきたんだけど!ってかなんでメイドさん達ドヤ顔してんの⁉︎そしてシュリも着飾っているのになんで疲れてないの⁉︎」
「あーそれは私も同じだけど何回もやられてきたから慣れちゃった。ドヤ顔してるのはリディアで遊べて満足してるんじゃない?」
「そんなぁ」
ギィと扉が開く音がして振り返ると
「リディアちゃん久しぶり」
「お久しぶりです!カルミナさん!」
入ってきたのは…シュリのお母さんのカルミナさんだった。
カルミナ・コーペルト。現伯爵夫人であり、平民出身だったとか。ハリーさんが一目惚れして結婚したらしい。でも今でもラブラブだとか。2人とも親バカだけど私はその対象になってない。あくまでも大切な娘の大事な友達という認識だ。まあ優しいし普通はおっとりしてるけどシュリの事となると話は別だ。
まあコーペルト家の中にも私を嫌っている人がいる。正直言ってハリーさんよりはましだけど。
そんな事を考えていると
「シューリー!︎!あいたかったー!‼︎」
「げっセシルお兄様」
早速出くわしてしまった
セシル・コーペルト
シュリの兄でありシスコン。私を敵視している。
「げっなんでお前がいるんだ出ていけ」
「こらこらセシル、お客様になんて事言うの?」
リの時間を奪う奴なんて客だなんて思わないさ」
相変わらずの嫌われっぷり…
「ほらほらさっさとお子様は自分の公爵家に帰れ!ここよりも家は大きいだろう!」
「いやいや、私はもう公爵令嬢じゃないよ」
「「「えっ?」」」
「家出してやったの!」
「本当?でもなんで?」
「絶対に誰にも言わないなら教えるよ」
「絶対に言わない」
「ハリーさんでも?」
「うん」
「カルミナさんとセシルさんはどうします?」
「私も気になるわ。分かった誰にも言わないわ」
「気安く俺の名前を呼ぶな。だが聞かせてもらう」
「お兄様は私の部屋から出てって」
「なんでなんだシュリ〜」
「だってこれ男子厳禁の女子会なんだもん出てかないならお兄様は私の部屋に来るの禁止!‼︎」
ギィバタン
さすがシスコン。禁止されたくなくてすぐに出てった
「さあ邪魔者もいなくなったし教えてリディア」
「いいよ実はね私才能があったの!」
「えっでも才能は7歳の時に現れなかったんじゃ」
「うん。けど6ヶ月くらい前に流行り病に私かかったでしょ」
「うん手紙にそう書いてた」
「その時に才能は現れたの」
「ちなみにどんな才能?」
「えっと天使です」
「えっ?」
「天使です」
「ええええええ!!!!!」
「セシルを超えてるじゃない」
セシルは未来予知の才能を持っていて将来は政治家として国に貢献することが決まっている。
バタン
大きな音がして振り向くとセシルが入ってきた。鬼の形相で私の胸ぐらを掴んで…
「やっぱりお前シュリになんかしたのか⁉︎叫び声が聞こえたぞ⁉︎」
「お兄様‼︎!」
今度はシュリが大声を出していた。
「これは女子会だから入ってこないでって言ったよね⁉︎お兄様1ヶ月私の部屋に来るの禁止‼︎」
「ガーン」
よほどショックなのか私を離して呆然と立ち尽くしてる
私は尻餅をついた。地味に痛い
「あっ魂抜けてる…」
「次入ってきたら一生禁止」
ほんとにめんどいんだー…私達が意気投合した理由の1つはお互い兄がめんどくさいから。幼い頃のお兄様はシスコンで、精神年齢は大人の私にとって可愛がってくる兄はキモかった
「あと10秒ここにいたら一生禁止にするよ!」
「それは嫌だーーー」
そう叫びながら人間の限界の速さを超えたスピードでドアを閉じて出て行ってしまった
「あらあら。これは部屋の中で泣いてるわね」
「えっセシル泣くんですか?私たちの5歳年上でいま19歳ですよね?もう成人してますよね?」
と言いながらドアを開けて廊下に出ると水が所々に落ちていた。きっとセシルの涙だろう…
みなかった事にしよう
「リディア、それだったらお父様はどうなるの?セシルと比べて20歳くらい年上よ?しかもギャン泣きしてたし…」
「言われてみれば…」
「でさっきの話よ」
「そうねもっと教えてちょうだい?」
それから私は色々と話した。




