14話 再会
「リディア!久しぶり!」
「うわっちょっとシュリ、伯爵令嬢はもっと落ち着きないと」
「やだ!だって実際に会うのは7年ぶりだもん!落ち着いてられないよ!」
「あはははは…」
私達は今14歳で7歳から家に閉じこもっていた。7年間ずっと手紙でしかやり取りできなかった。
「あぁ、いつも冷静で穏やかな伯爵令嬢が…」
シュリは社交界では冷静で穏やかというキャラを演じているが、私の前だけでそのキャラは崩壊して素の状態が現れる。
「ところでどうしてこんなところに?まさか家を追い出されたの!?だとしたらサンジェリル公爵家許すまじ…」
「違う違う。私は自分で家出してきたの」
「えっそれってどういう…」
ドタバタドタバタドタバタ…
シュリの声は大きな足音でかき消される
「リディアーーーーーーーーーーーーーー!久しぶりーーーーーーーーーーーーーーー!!」
そんな声が遠くから聞こえた
「リディア!早く隠れた方がいいよ!」
「わかってる!」
物影に隠れた瞬間
ズサっーーーーーーーーーー
10mほどスライドして現れたのは予想通りハリーさんだった。
「リディア!シュリ!なんで避けるんだ‼︎」
「「危険な匂いを感じたから」」
声がハモる
ハリーさんは何故か私も娘みたいに扱ってくれる。元々親バカなのだがなぜか私も親バカの対象になったようだ。
「ひどいよーーーーーーーーーーーーーーー」
ハリーさんは娘が才能なしでも関係なく可愛がり、娘を悪く言おうものなら経済的にも社会的にも窮地に立たされるので誰も何も言わない。私のことも可愛がっているので私の悪口も聞こえてこない。
「お久しぶりです伯爵」
「うわーんリディアがもうハリーさんって言ってくれないよーうわーん」
ハリーさんって言われないだけでハリーさんがギャン泣きしてる。大の大人がギャン泣きってすっごいシュールな絵面だわ。
「リディア、ハリーさんって言ってあげて。流石にうるさい。それに早く部屋に行ってお喋りしたいし」
コクリと私は頷き
「はいはいスミマセン。ハリーさんですよねわかってますから(棒)」
「よかったー2度と呼んだきれないのかと思ったー」
涙やら鼻水やらが抱きつかれたせいで服についた。やはり私も年頃の娘だからか何気に悲しい。
私が視線を向けるとメイドがコクリと頷き首根っこを掴んでハリーさんを連れて行ってくれた。説教もしといてくれとお願いした。
「ありがとうね〜。じゃあ邪魔者もいなくなったし」
自分の父親を邪魔者扱いって…
「私の部屋にレッツゴーって思ってたけど着替えた方が良さそうだね。」
ハリーさんのせいで服が汚れてしまった
「そうだね…私代わりの服持ってるから着替え…」
「いやせっかくだし着飾って女子会しよっ!メイドさん達よろしく!」
「びくっいや私は…」
「かかれー!」
「ぎゃー」
その後…服を脱がされお風呂に入れられこれが似合うあれが似合うとお人形遊びに使われたのであった。
着せ替え人形のように使われている間、リディアは昔もこういうことがあったな…と放心状態で立ち尽くしていたのだった




