10話 問題
「あああああぁぁっどうしよう〜」
宿でとある問題に気づいた私はベッドに倒れ込んだ。
「仕方ないでしょ」
慰める気ゼロのエフに恨めしげな視線を向ける。
「まさかあの仕事バカの父が私のこと探すなんて思わないでしょぉー」
「それより早く対策を考えないと見つかりますよ」クロエも全く考えてくれる様子はなさそうだ
何気にこの2匹はひどい。
「髪の毛を切ったところで全然バレちゃうのに〜見つかったら家に連れ戻されちゃう〜説教どころじゃ済まなさそうね」
そうしている間に時間が過ぎていく
「仕方ない。エフ、窓から逃げるわよ」
「えー仕方ないな〜これはリディアだけの特別サービスだよー」
エフにまたがり防視のバリアを張る
あっけなく脱出に成功した。エフに空中で止まってもらい中の様子を見ると執事のマークと衛兵がいた。こっちは目が合ったけど、防視の結界が張ってあるから相手は気づかない。
「間一髪だったなー。でも身体強化の才能も手に入ったしいっか」
私はエフに跨って他の街を目指した。どうせ見張りとかつけてる可能性があったからだ。それでも町が大きくなかなか着かない。到着するまでの間、小さい頃の父と母を思い出していた。




