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⭕ 馬車駐車広場


──*──*──*── 馬車駐車広場


マオ

「 セロ、って?

  馬車の近くにテントが張られてるけど── 」


セロフィート

は《 馬車駐車広場 》です。

  旅人が馬車で入国すると必ずとおされます。

  入り口で駐車代金を支払い、馬車駐車券を受け取らなければ、滞在中《 馬車駐車広場 》を利用する事は出来ません。

  宿屋に宿泊せず、駐車した馬車で寝泊まりする旅人もますし、馬車の近くにテントを張り寝泊まりする旅人もます。

  ワタシ達も宿屋に宿泊せず、馬車の中で寝泊まりしましょう。

  出掛けるときは双子のうさぎ族が留守番をして馬車をまもってくれます 」


マオ

「 今回は馬車に防犯魔法を掛けてないのか? 」


セロフィート

「 抜かり無く掛けてます。

  無断で馬車の中へはいれば、怪物モンスターが徘徊しているフィールドへ転移します。

  ≪ アップラシュナ王国 ≫から約10キロメートルほど離れた場所に転移するように設定してます。

  ≪ アップラシュナ王国 ≫に辿り着く前に怪物モンスターの餌になってくれます♪ 」


マオ

「 相変わらず鬼畜なトラップを仕掛けるのが好きだな…。

  10キロメートルは流石に離れ過ぎだろ?

  もう少し近くに変更は出来ないのか? 」


セロフィート

「 はぁ?

  なんですか、マオ。

  ワタシの防犯魔法に不満です?

  ひとさまの馬車に無断で乗り込む無礼なやからに慈悲や情けを掛ける必要は無いです。

  盗人ぬすっとに人権はりません♪ 」


マオ

「 ………………セロ… 」


セロフィート

「 マオとワタシのいこいの場にそくで踏みる命知らずなおろものには、ません♪ 」


 こりゃ、なにを言っても駄目なパターンだな。

 セロは完全に面白がっている。

 ……………………うん、盗人ぬすっとが悪いな!

 馬車荒らしの被害に遭わないならいっか。


マオ

「 よし、《 妖精市場 》へ行こう! 」


セロフィート

「 緑煉瓦の道を歩けば《 妖精市場 》へ行けます。

  マオ、《 馬車駐車広場 》の出口は此方こっちです 」


マオ

「 うん。

  じゃあ、行ってるな!

  留守番、宜しくな!

  ルク,ウル! 」


兎族:ルク & ウル

「「 行ってらっしゃいませ、マオ様 」」


 戦闘用〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉が頭を下げて見送ってくれる。

 咄嗟に名前を決めて呼んでみた。

 名前が無いと呼ぶのに不便だもんな~~。






 馬車を駐車広場に置いたまま、一時的に《 馬車駐車広場 》を出るときは、用意されている帳面に馬車駐車券の番号を書いて、所有者の名前を記入しないといけない決まりになっている。

 帳面に記入する所有者の名前は、オレだ。


 帳面に “ マオチェリンド・ユーグナル・タシィルドレテク・シンミン ” っていう、それっぽくて長ったらしい偽名を書いた。

 名前が長いのは貴族のあかしだからだ。

 セロみたいな超絶美麗で立派な戦士妖精を使役していると、身分が貴族じゃないと逆に怪しまれるらしい。


 警備兵から許可が出て、妖精フェアリーふんしているセロと一緒に《 馬車駐車広場 》を出る。

 迷わず《 妖精市場 》へ行く為に緑煉瓦の道の上を歩く。


 屈強そうな警備兵ですらセロの美貌には息を呑んでいた。

 セロは愛玩妖精だと思われてるかも知れないな。


セロフィート

「 人間に使役されている妖精族は、一般的に3種類あります。

  見て楽しむ愛玩妖精,戦いにけて頼りになる戦士妖精,作業の手伝いをしてくれる労働妖精に分けられてます 」


マオ

「 へぇ~~。

  警備兵達はセロを愛玩妖精だと思ってるかも知れないな?

  見惚れてたもんな! 」


セロフィート

「 ふふふ…。

  妖精フェアリーを見掛けで判断すると痛い目を見ます。

  妖精フェアリーは人間よりも智能が高く、物知りで博識があり、狡猾でしたたかです。

  体力も腕力も素早さも人間より遥かにすぐれてます。

  小妖精ピクシー相手でもけっして油断をしない事です。

  小さくても人間より上位種である事を忘れてはいけません 」


マオ

「 上位種ってさ、そんなに凄いのか? 」


セロフィート

「 勿論です。

  本来ならば、妖精族が下等で低俗な人間に使役される事は無いです。

  妖精族が下位種の人間を使役するなら分かりますけど── 」


マオ

「 セロ、人間の前で “ 下等で低俗な人間 ” なんて口が裂けても言わないでくれよ? 」


セロフィート

「 はいはい。

  努力はするとしましょう 」


マオ

「 セぇロぉ~~ 」


セロフィート

「 安心してください、マオ。

  うっかり口を滑らせたりしません。

  マオだけのセロフィートを信じてください♪ 」


 ………………めちゃんこ信用が出来ないんだよなぁ~~。

 セロの笑顔になん騙された事か。

 うっかり信じたら大変な思いをするのは、もオレなんだよな!


セロフィート

「 マオ、見えてましたよ。

  《 妖精市場 》です 」


マオ

「 あれが?

  なんかさ、サーカスでもな雰囲気なんだけど!? 」


 大きくて派手なデカいテントが見える。

 サーカスで見掛けるテントに見えるのはオレだけか??


セロフィート

「 大道芸はあってもサーカスは無いでしょうね。

  使役した妖精フェアリー小妖精ピクシーでサーカス公演ですか。

  ガッポリ出来そうです。

  マオ、名案です♪ 」


 あっ、ヤバいスイッチがはいっちゃったかも知れないな。

 うわぁ~~~~、セロなら実現しちゃうぞ、きっとぉ!!


 オレハ、ナニモキイテナイ!!

 ナニモシライゾ!!

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