表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/31

✒ 双子勇者 ~ 弟勇者と仲間に勇者パーティから追放された兄勇者は、拾われて介抱される ~


──*──*──*── 宿屋街


──*──*──*── 宿屋


「 …………………………は…………?? 」


 見慣れない部屋だ。

 なんでオレは知らない部屋にるんだ……??

 オレは…………双子勇者の兄……エカロトル。

 同じく双子勇者の弟……ケイオズリに殴られた筈…………。

 気を失ってるあいだに一体なにが…………。


「 気が付いたエリね。

  身体からだの調子は、どんな感じエリ? 」


エカロトル

「 ……………いっ──い゛や゛ぁぁぁぁぁぁっ!!!!

  怪物モンスターが喋ってるぅぅぅぅぅ~~~~!!!! 」


「 お前、命の恩人に対して失礼エリ 」


エカロトル

「 ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒッィィィィ!!!!

  命の恩人~~~~??

  怪物モンスターなんで勇者のオレ助けるんだよぉぉぉぉ??

  オレを食べるつもりなのかよぉぉぉぉ!?!? 」


「 お前をべるのは禁止されてるエリ。

  お前を助けたボクは〈 大陸神クワルチンクの化身 〉エリ 」


エカロトル

「 大陸神クワルチンクの化身?? 」


大陸神クワルチンクの化身

「 そうエリ!

  ボクの事は気軽に “ キノコン ” と呼ぶといエリ!

  くるしゅうないエリ 」


エカロトル

「 ……………………くるしゅうない??

  ──って、おぎょうさまかよ…… 」


キノコン

「 お前──、異世界転生した人間エリね 」


エカロトル

「 ──な、なんで、それを?!

  ケイオズリにも話した事ないのにっ──!! 」


キノコン

「 フフン!

  ボクはキノコン!

  〈 大陸神クワルチンクの化身 〉だから、おとおしエリ! 」


エカロトル

なんか知らんがすげぇ…… 」


キノコン

「 お前は双子勇者の1人──、通称 “ 兄勇者 ” のエカロトル・セイブリン──エリね 」


エカロトル

「 は、はい!

  す、すげぇ~~!!

  だ名乗ってもないのにオレの本名を言い当てるなんて──、本物だぁ~~~~!!

  異世界ファンタジック、フォォォォォ~~~~~~!!!! 」


キノコン

「 興奮はほど(ほど)にするエリ。

  エカロトルよ、お前は同じく双子勇者である弟勇者ケイオズリと仲間達から引導を渡され、勇者パーティを追放されたエリね 」


エカロトル

「 は…はい…………そのとおりです…… 」


キノコン

弟勇者ケイオズリの根回しにより、勇者教会から除名され、勇者の称号も剥奪されたエリね 」


エカロトル

「 …………返す言葉も御座いません…… 」


キノコン

「 勇者教会から除名された事により、勇者教会から受けられる一切の優遇も受けられなくなったエリね 」


エカロトル

「 …………そのとおりで御座います…… 」


キノコン

「 好都合エリ 」


エカロトル

「 ………………あ、あの……キノ(大陸神クワル)コン(チンクの化身)様…………、“ 好都合 ” とは……?? 」


キノコン

「 異世界転生者、エカロトル・セイブリヤン!

  只今をもって、なんじを〈 大陸神クワルチンクの化身 〉のボク──、キノコンのつかいに任命するエリ!! 」


エカロトル

「 ………………は??

  オレが……キノ(大陸神クワル)コン(チンクの化身)様のつかい??

  えっ…………オレでいんですか??

  オレは…………ケイオズリや仲間達から役立たずの烙印を押されて追放された駄目人間なんですけど…… 」


キノコン

の評価をに受けるのはくないエリ。

  自分で自分を “ 駄目人間 ” だとおとしめ、卑下する事を〈 大陸神クワルチンク 〉は御許しにならないエリ。

  顔を上げて、背筋を伸ばして、胸を張ってどう(どう)とするエリ。

  勇者よりも重要な使命エリ 」


エカロトル

「 勇者よりも重要…………。

  でも、勇者の使命は≪ クワルチンク大陸 ≫を未曾有の危機におとしいれる妖精妃を見付け出して倒さないといけなくて── 」


キノコン

「 エカロトル、きみは勇者教会をとおして王族と貴族達からあやまった知識を学ばされたエリ 」


エカロトル

「 えっ…………あやまった知識……ですか…?? 」


キノコン

「 エカロトルの受けた洗脳をボクがくエリ★ 」


エカロトル

「 せ、洗脳をくって…………どうやってですかぁ~~~~?? 」


キノコン

「 病み上がりの無理は禁物エリ。

  今から規則正しい生活を身体からだに叩き込むエリ! 」


エカロトル

「 規則正しい生活……ですか?? 」


キノコン

「 生活習慣,食事の改善,基礎体力を向上させるエリ。

  ようはリハビリするエリ 」


エカロトル

「 リハビリ……ですかぁ?? 」


キノコン

「 エカロトル──、きみケイオズリと仲間達から勇者パーティを追放され、勇者である事を剥奪されたエリ。

  それでもきみが “ 勇者 ” である事実はなにものにも消せないエリ。

  エカロトルこそが、しんの勇者エリ 」


エカロトル

「 どうしてオレが??

  だってオレは役立たず…… 」


キノコン

「 卑下は罰金エリ! 」


エカロトル

「 ごっ御免なさいっ!! 」


キノコン

「 本来、勇者は異世界召喚されるものエリ。

  ところがきみの場合は “ 召喚 ” ではなく “ 転生 ” という形で≪ アップラシュナ王国 ≫に召喚されたエリ。

  今から5年前──、王族は聖女召喚を成功させたエリ。

  多勢召喚によって30名の聖女が≪ アップラシュナ王国 ≫に召喚され、妖精妃の討伐に駆り出されているエリ 」


エカロトル

「 えっ…………聖女召喚!?

  30名?!

  ど、とういう事ですかっ!! 」


キノコン

「 聖女召喚をする数年前、王族は勇者召喚をこころみたエリ。

  勇者召喚の義をおこなっている最中、召喚術師が発作を起こして亡くなったエリ。

  勇者召喚は失敗、転移召喚される筈だった勇者が転生召喚される事態になったエリ。

  勇者は母親の胎内の中で、前世の記憶を受け継いだ胎児エカロトルと勇者の能力ちからを受け継いだ胎児ケイオズリに分かれたエリ 」


エカロトル

「 ははは…………やっぱりだ……。

  オレは勇者の能力ちからを受け継いでないんだ……。

  だから…………勇者の装備品を装備する事が出来なかったんだ…… 」


キノコン

「 勇者の能力ちからは1人だけでは制御する事が出来ないエリ。

  勇者の能力ちからを制御し、安全に使う為には、前世の記憶が必要不可欠エリ。

  弟勇者ケイオズリと仲間達は兄勇者エカロトルを追放するべきではなかったエリ 」


エカロトル

「 えっ……勇者の能力ちからって制御する必要があるんですか?? 」


キノコン

「 勇者の能力ちからは強大エリ。

  もろい人間には勇者の能力ちからがいでしかないエリ。

  制御の出来ない勇者の能力ちからは、身体からだむしばみ、持ち主を死にいたらしめるエリ。

  弟勇者ケイオズリが亡くなれば勇者の能力ちからはエカロトルの中に戻るエリ 」


エカロトル

「 ………………前世の記憶を持つオレがケイオズリのそばたから……、ケイオズリは勇者の能力ちからを制御して思う存分に発揮して戦う事が出来ていた……。

  勇者の能力ちからを制御するオレがケイオズリから離れたら……ケイオズリは勇者の能力ちからを制御する事が出来なくなる……。

  勇者の能力ちから身体からだむしばまれて死にいたる…………。

  ケイオズリが……死ぬ??

  勇者の能力ちからがオレの中に戻ってて──、オレがしんの勇者になる………… 」


キノコン

「 呑み込みが早いエリね。

  エカロトル──、きみは時代劇を知ってるエリね。

  前世はにっぽんじんエリ?

  それともひのもとじんエリ? 」


エカロトル

「 オレは──ほんじんです。

  たしかに場合に依っては “ にっぽん ” って呼ぶときもありますけど、“ ほん ” って呼ぶのが一般的です 」


キノコン

「 前世の世界では異形や怪異は存在していたエリ? 」


エカロトル

「 異形??

  怪異……ですか??

  えぇと……怪異って言うのは……、幽霊とか妖怪と妖精とかの事ですか?

  異形って言うのは…………亜人種とか?? 」


キノコン

「 “ ファンタジー ” で例えるなら、異形は亜人種で合ってるエリ。

  じんじゅう族,じゅうじん族,じゅう族,天使族,魔族,死神,魔女…などが該当するエリ。

  怪異も幽霊,妖怪で合ってるエリ。

  霊的存在,あやかし,モノノケ,つくがみ,精霊,妖精…などが該当するエリ 」


エカロトル

「 …………現実には存在しないです。

  想像,空想,妄想の中の産物でした。

  小説,漫画,ゲーム,TVテレビ,映画の中で登場するだけです 」


キノコン

「 心霊現象,怪奇現象,のろい,たたりに関しては、どうだったエリ? 」


エカロトル

「 う~~ん…………心霊現象,怪奇現象なんてのも有りましたけど、たいがいの現象は科学的に解明,解決されていました。

  のろい,たたり……に関しては、科学的にも解明はされてなかったと思います 」


キノコン

「 “ 陰陽師アイドル ” は知ってたエリ? 」


エカロトル

「 えっ??

  陰陽師……アイドル…………え??

  なんですか??

  陰陽師とアイドル……ですか?? 」


キノコン

「 アイドル活動をする陰陽師エリ 」


エカロトル

「 えぇっ!?

  アイドル活動をする陰陽師……ですか??

  陰陽師のコスプレをして歌って踊るアイドルじゃくて──ですか??

  陰陽師がアイドル活動をするんですか??

  う~~~~ん…………オレは聞いた事が無いです…… 」


キノコン

「 食事は和食をメインにした方がいエリ? 」


エカロトル

「 えっ?

  和食ですか?!

  和食を食べれるんですか??

  ほんですか??

  和食……ほん料理──食べたいです!!

  めちゃくちゃ食べたいですぅぅぅぅ!! 」


キノコン

朝食モニングは和食を作るエリ。

  昼食ランチは洋食を作るエリ。

  夕食ディナーは和風中華を作るエリ 」


エカロトル

キノ(大陸神クワル)コン(チンクの化身)様がオレの食事を作ってくれるんですか? 」


キノコン

「 ボクの分身たいが作るエリ。

  栄養管理は任せるエリ 」


エカロトル

がとう御座います…………オレなんかの為に…… 」


キノコン

「 エカロトル、卑下は罰金エリ。

  今から自分を卑下したら銅貨1枚、缶の中へれるエリ 」


 そう言ったキノ(大陸神クワル)コン(チンクの化身)様は、からかデカい缶を出すとベッドの横に設置されている低い棚の上に置いた。

 缶の上には縦長の穴がいていて、硬貨をれれるようになっている。


エカロトル

「 缶の貯金箱ですね!

  えがかれている絵はなんのキャラクターですか? 」


キノコン

「 セロカ君エリ 」


エカロトル

「 セロカ君…………ですか?

  知らないキャラクターだけど…………可愛いですね!

  見てるだけで不思議と心がなごんでますね(////)」


キノコン

「 アップラシュナ語の読み書きは出来るエリ? 」


エカロトル

「 あ、はい。

  読み書き,算術なら勇者教会で習いました 」


キノコン

「 大陸語は分かるエリ? 」


エカロトル

「 大陸語……ですか??

  大陸語ってなんですか?

  で使うんですか?? 」


キノコン

「 大陸語は≪ クワルチンク大陸 ≫全土で使われるエリ。

  ≪ クワルチンク大陸 ≫には≪ アップラシュナ王国 ≫以外にも多くの≪ 国 ≫が存在してるエリ。

  さま(ざま)くに(ぐに)の文字,言葉を覚えるのは大変エリ。

  ≪ クワルチンク大陸 ≫の共通語──大陸語を知っていれば、こくへ入国した際には国民と会話する事が出来るエリ 」


エカロトル

「 そうなんですか?!

  大陸語って、そんなに便利なんですか?

  の≪ 国 ≫の言語を覚える必要がないなんて、ラク過ぎじゃないですか??

  オレ、覚えたいですっ!! 」


キノコン

「 エカロトルには〈 大陸神クワルチンクの化身 〉の使つかいとして、≪ クワルチンク大陸 ≫全土を一緒に旅してもらうエリ。

  勿論、しっかり覚えてもらうエリ。

  怪我がなおって歩けるようになったら基礎体力を上げるストレッチをしてもらうエリ 」


エカロトル

「 ストレッチ……ですか? 」


キノコン

「 インナーマッスルとアウターマッスルを鍛えるエリ 」


エカロトル

「 は、はい…… 」


キノコン

「 食事の時間まで、しっか身体からだを休めるエリ 」


エカロトル

「 あ……がとう御座います 」


 キノ(大陸神クワル)コン(チンクの化身)様はドアを開けると室内から出て行った。

 キノ(大陸神クワル)コン(チンクの化身)様の背中には透明で綺麗な羽がえている。

 えぇと………………キノ(大陸神クワル)コン(チンクの化身)様は、キノコ怪物モンスターじゃない…………よな??

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ