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二刈目(ふたかりめ) 譲れぬ戦い(下)

やっと風邪が治りました

「しかし、本当に2対1で勝てると思ってるのか?」


互いに剣と鎌で斬り結びながらエリスが問いかける。時折来るアリスの魔法を避ける。姉妹と言うだけありコンビネーションはかなり良い。


「もちろん、と言いたい所だが少し辛いな」



「はん、息一つ切らさず言われても説得力がないぞ」



エリスの言う通りまだまだ大丈夫だが、先日どこかの馬鹿が派手にやらかした後始末や、その馬鹿に神力を移したり、異世界に渡ったり、神力の大部分封印したりで、魔力、神力共に半分しかない。



何故私があの馬鹿の後始末をしなくてはならないんだ。


思い出したらイライラしてきた。白に会ったら思う存分苛めるか。よし言葉責めで苛めるのに決定!


「なに笑ってるんだ!」


怒りの声と共に鋭い突きが襲いかかるのを半身になり避ける。



私がいつの間にか笑っていたようだ。


その笑みを余裕の表れと捉えたエリスが突進してくる。


「ハアッ」


気合と共に剣撃が繰り出され、香がそれをまるで来る前から知ってるかのように避ける。

その様子はまるでダンスをしているかのようで演習場に来ていた兵士の目を釘付けにした。



「ほら、此所までおいでデカチチ。

やはり脂肪が大きい分トロいのか?」


「このナイチチめ、覚悟しろよ」



怒り、エリスの攻撃が次第に単調になり、大振りになっていく。



「そんなトロいのはその脂肪の塊がついているからか?」


「この貧乳が。

さっきから、ちょこまか動き回って」



段々とエリスの攻撃に隙が出てきた。


「このっ」


エリスが力強く剣を縦に振るい、特大の隙ができた。



「残念だったな」


そう言い鎌を振り首筋に狙いを定め今にも下ろそうという瞬間。


「『貫け』」


エリスに振り下ろした鎌が途中で弾かれた。


「単音魔法か。厄介だな」


「お褒めに預かり恐縮です。

さて、姉さんお遊びは此所までにしましょう」


「せっかく良いとこだったのに。

でも仕方ないか。



行くぞ」



そう宣言したエリスは、さっきの倍近い速度と力で攻め、攻撃の後の隙をアリスの単音魔法で埋める。


「くそ、予想外だな」


「ふん、やっと私達の強さが分かったか」


そう勝ち誇るエリス。


「勘違いするな。

こんな所で使うはずのない魔法を使う事が予想外なだけで、万全の状態でなら魔法なんて使わないで勝てるのだがな」


「強がりも大概にしろっ」


アリスの魔法に怯んだ香にエリスが袈裟懸けに斬りかかる。

香はそれを見て口を笑みの形にしてエリスの剣を受け入れる。


「なっ」


香の身体に剣が潜りこみ、筋肉繊維、細胞、血管、神経、等ど切り裂き、骨に剣が当たる感覚が手に伝わる。


「医療班!早く来い!」


エリスの怒号が演習場に響く。


「いや、その必要はない」



その言葉は香に遮られた。


そこでエリスが香を見て、ある異変に気が付いた。


血が出ていないのだ。


深く、それこそ骨に達する深さまで切られたなら、人は血をそれこそ噴水のように噴き出す。

だが香にはそれが見られなかった。


「なっ、化け物か?!」


エリスが狼狽えた声を出した瞬間、香の身体が霧になり消えた。


「そんな馬鹿な。人体に影響する魔法は随分昔に不可能とされたはず」


目の前で行われた不可思議な現象に動揺していると。


「ははは、何を驚いている?こんなこと簡単だろうに」


霧となり消えた香がすぐ後ろにいた。


「たあっ」


剣を横に凪ぐ。


「残念」


また香が霧になり消える。


そのようなやり取りを繰り返していたら、演習場が全て霧に包まれた。


「卑怯者!姿を表せ!!」


叫ぶエリス。


『ははは、卑怯者?

誰がだ?まあ、このままでは楽しく無いな、しかたない姿を表してやろう』


どこからか香の声が聞こえる。

耳元まで近くに聞こえたかと思えば、100mは離れた所からエコーが掛かって聞こえたりする。



「これでどうだ?エリス?」


そう言い表れたのは100人は超える香たちだった。


『さあ、行くぞ』


香たちが一斉に鎌を出す。


「え、ぁ……」


もはや自失呆然としたエリス。

一人一人がかなり強いのだから、それが100人にもなったら並の人ならすぐさま戦意を無くす。それでも、剣を離さないのは騎士の魂からなのか、もはや意地なのか。


せめてはと、迫りくる香達を見ていると、突然亀裂が走った。


「え?」


その亀裂のせいか一斉に止まる香たち。

亀裂は空間に出来ているようだった。


「あ、え?」


そうして呆けているうちに亀裂が大きくなりとうとう壊れた。


「ジャスト一分間、良い夢見れたか?デカチチ」


その香の言葉と共に元の演習場に変わる。

香達も霧もない。


「え、夢?嘘?」


「残念ならが今までのは幻術だ。

邪眼と言う」


「ジャガン?」

「要するに相手に一分間の間、夢を見させる技だ」


たとえ一分間と言うども戦場では永遠に等しい。

一分間も意識が無かったら死ぬしかない。


「くそ、私達の負けだな」


「久しぶりですね、隊長以来ですね姉さん」


「あぁ」


「いや、本来力を使う気は無かった、二人とも中々強いな」

「そう言って貰えたなら助かる」


「あとは、もう少しエリスのデカチチを小さくする努力をすれば完璧だな」


「香は豊乳マッサージしても育たないから哀れだな」


その言葉と共に二人は笑い向かい合う。

手にはそれぞれの獲物が握られている。


「「デカチチ(ナイチチ)めぶっ殺す」」

ソロモンよ私は帰ってきた!!


「うるさい!」


香、いきなり殴るのは人としてどうかと思う。


「私は死神だ」


と言う事で風邪がようやく完治しました。


「長かったな」


二週間だな


「まあ、こうして無事復活しようやく私の番外の二話目が出されたな」


一応次回は白に戻るよ。


「書き方覚えてるか?」


そこらは気合でカバー。


「お前に聞いた私が馬鹿だった。



さて、それじゃ次回も見てくれよな」

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