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第76話 年末業務

「おや、月曜日をとうに過ぎておるではないか。なんじゃ“週刊殺すよ、面倒くさいもん“は諦めたか?」


作者の年末業務が忙しくてな。

今年はカレンダーの巡り合わせで今年の最終日曜日が早かったからか、業界の景気が良いのか知らんけど、取引先がまだ動いてんだよ。年末月末に取ってきた仕事を、こっちに出し逃げしたまま、さっさと正月休みに入りやがって。

年内に片付けないとならん稟議が、まだ山になってるんだと。


いつもなら所内の大掃除をして、注連飾りを買いに行ったら、本社にダマで早退させてくれてたのが、稼働最終日になっても残業どころか、有給予定を先送りにする羽目になりそうだとか。


暇な年末に仕事サボって(朝から本当に暇なんだもん)数話分まとめて書いて、ついでにラストに向けて構想を整理しようとか思っていたけど、予定が全部パーだ。


だから今回の副題も、ああ(↑)なってる。


「作者の本業が糞忙しいのと、儂らは関係無かろう。見よ。前回パイ投げが始まったところで引いたから、空中に大量のパイが浮遊したまま、人魚もセイレーンも固まったままじゃ。」

「時間停止もののAVみたいですわね。」

「これ、一国の女王がはしたない事を言うでない!」

「姉さんと2人で下ネタを体現してきた竿姉妹に今更ですよ。」

「あぁもう、これ本妻!2号の教育をちゃんとせえ!…って、何故お主も固まっとるんじゃ?」

「え?私動いて良いの?1週間以上微動だにしなかったから、あちこち凝っちゃったんだけど。」

「おかーさん、ユカリがマッサージをしてあげるのです。」

「ありがとう、最近おっぱいが少し膨らんだので肩凝りが始まったのよね。」


むに。


「あら、たしかに姉さん、おっぱいが少し大きくなってますわね。」

「でしょ♪」

「何、女房同士で、文字通り乳繰り合っとる。おいお主、女房の教育は亭主の仕事じゃろ!」


ん?俺の指示は常在戦場、いついかなる時も修行は出来る。やれる事が無ければ瞑想しろって教えを、サユリは守っているだけだぞ。


「お主の嫁御はレインボーマンかえ?」


ヤマトタケシは、ちゃんと坐禅を組んでたぞ。


「インドの山奥でんでん伝六豆うまいまめーだーかーの学校わあー。」

ユカリさん、それはうちの小学校ではそうだったけど、多分隣の学校には通用しない替え歌だぞ。

森トンカツ泉ニンニク囲まれ天丼ほどメジャー感が無い。  

「ジャッキー吉川とブルーコメッツを知ってる人、読者に何人いるかなぁ?」

俺的には、こんな滅茶苦茶な話に既読がつく事に割と驚いてんだ。

おかげで、なんとなく辞めるに辞められなくなってる。タスケテー。


とはいえ、こんな駄文を心残りにしたまま年を越したくないなぁ。


「たしかに、お主が時々話題に出す巫女話も間隔が多少空いとるの。余程忙しいと見える。」


あっちでは今の更新分で、茗荷の味噌汁を食ってるな。

こっちが食ってたのは野蒜の味噌汁か。

誰か作者にちゃんとした味噌汁を作ってやれ。創作キャラの食生活まで貧相にすんじゃねぇっての。


「慎吾様、そろそろ物語を再開しませんか?相変わらず雑談で1,000文字使っちゃいました。」

「ところで何でパイなの?誰も死なない戦争なら、ほかに幾つも描写手段はありそうだけど。」


ああこらユカリ、ミニドラになって飛んでくんじゃないの。パイは止まってはいるけど、慣性はついてるから触ると破裂して汚れるぞ。…可愛いじゃねーか。チビドラゴン。

「パパに可愛いって言われるのは嬉しいけど、お姉様の折檻が怖いのです。」

んん?アイツはユカリの事を認めているから、別に殺されたりはしないぞ。

「こーわーい!こーわーいのー。」


あと、パイぶつけは、白黒映画時代からコメディの定番な。

マルクス兄弟やモンティ・パイソンがやっててもおかしくないな。

「パイ投げ自体は我が英国の馬鹿祭りですが、それを巨額をかけて映画にしたのはハリウッドですねぇ。」

映画「グレートレース」だな。

おお、トニー・カーティスやジャック・レモンが出てるじゃないか。

あの国は、馬鹿をやるにも一生懸命だ。


「その馬鹿を再現するわけじゃな。」

1人も殺すなってのは、多岐都姫の願いだぞ。

何だったら、かくれんぼか鬼ごっこでも良かったんだ。

「それじゃ、オーケンと絶望少女のアニソンですよう。あ、私、語尾にようって久しぶりにつけた気がするわ。」

馬鹿話が行き過ぎて行き着いて、物理的な更新も伸び伸びになりがちだから、多分、何やっても久しぶりになるぞ。

「メタはもういいから、話を進めい!本当に年が明けるぞ。」

あいよ。

んじゃ行くぞ。本番!よーいスタート!


「ん、んんん!では行きます。はにぃふらっしゅ!!です。」

それまでいつもの紫陽花模様の和服姿だったジェニーが光輝き、閃光が止むとタキシード姿に変わり、指揮台に立ち、指揮棒を構える。

すっかり音楽魔法の大家になってしまった元イギリス女王は、かんばせを引き締めてフルオーケストラの団員達を眺めた。


どうでも良いけど、ハニーフラッシュは古かぁねぇか?

「デービール!でも可!」

それは昭和50年頃の小学3年生だ。


一瞬ジェニーが漏らした戯言に俺が突っ込むのがCUEサインになった。


反対岸まで数百メートルを超える大河に、お待たせしました、ハチャトリアンの剣の舞が再び響き渡る。

勿論、尾藤イサオのボーカル付き。


同時に時は動き出し、空中で止まっていた白いパイは、双方の陣地に次々と投げ込まれていった。


絶世の美女と言って良い、人魚がセイレーンが。

不気味かつ愛嬌のある姿の、河童が。

一応、仏教の守護者たる深沙大将が。


次々にパイ塗れになり倒れて行く。

っておい。

誰も殺すなって言うから、こんな漫画にしてみたけど、オチをどう付けるんだコレ。

舞台だけは壮大な、ついでに登場人物もそれなりなコレ。どうすんだ?


「待ちなさい。今考えてるから。というか、深沙大将まで何で出てきた。」


水→河童→沙悟浄→深沙大将の連想だな。

人魚にしても河童にしてもセイレーンにしても、単体では弱っチョロいから、数だけ増やして、芯に超有名人物を配置してみた。

「その超有名人物を、この作者は砂漠で乾涸びさせてたけどな。」

ムーで、今までのゲストキャラ集合パターンを使っちゃったから、残りものから調達しただけだが?

「仏法の守護者を残りもの扱いにするな。儂らの属性考えたら、宗教戦争が起こりかねんじゃないか!」

気にしない気にしない。

あとさ、今、ビジュアル的に困ってるから、真っ白にパイ塗れにしてあるけど。

ピヨちゃんの考え次第では、岸辺シロー・内村光良・仲本工事と選り取り見取りだ。


「生きてるの、ウッチャンしかおらんじゃないか。」

仲本さんは残念だったな。

まぁ志村さんとの「最初はぐー」は、ワイアット・アープと、ドク・ホリデイに引き継いだから良いか。

「あれを書いてた頃は、こんなんなっちゃうとは思わなんだがな。カトちゃんが一番最初かと思っとった。」

ん?ブーさんじゃないの?

「よく寝る人間は、長生きする!」

そうなんだ。


まぁ良いか。

つまり、ピヨちゃんはこの先を考えてないんだな。

「済まぬ。今回は儂の我儘じゃ。どうしたらいいのか、儂にも思い付かんし、分からんのよ。」

「慎吾様、神様がお分かりにならないのなら、取り敢えずこの場を納めれば良いのではないですか?」

だったら、前回のまんま年越しさせても良かったんだが。

「作者さんが考えていない訳ではないんですね。」


今後の展開は聞いてるし、本来の今回の纏め方も聞いてる。

本来なら、その筋に従ってあと2,000字くらいで「もっと、しっちゃかめっちゃか」にする予定だったんだよ。

だからBGMに「剣の舞」を選んだし、あそこで尾藤イサオが歌ってるわけだ。


フィクションのキャラクターが暴走して、ストーリーが思わぬ方向に流れ出すなんて事は、お話書きには珍しくもないけど、その場の流れをキャラクターに全否定された事は初めてだ。


「済まぬ。本当に済まぬ。」

ふむ。

仕方ないなぁ。

これじゃ、いつまで経ってもこの物語が終わらないぞ。

今回は作者に謝っとくけど、あんまり反逆するなよ。お嫁さんやユカリが我儘を言うならともかく、どうやら「この世界の神様」は「多岐都姫」に確定したし、「その願い」もある程度定まって来た今、多岐都姫が我儘言うと、最後の最後まで、物語の芯がブレるから。


「ブレブレブレブレ。」

ユカリさん、今は尾藤イサオとフルオーケストラが、ジェニーの指揮で剣の舞を演奏しているんだから、オーケンの歌は歌わないの。

「上の方に書いてある絶望先生ネタの天丼だよ。パパ。」

音が被るとネタ物語被る。

ふむ。現在3,500文字か。

まだ早えけど、取り敢えず多岐都姫の願いを優先してやるか。


あぁもう。新しくストーリーを考え直すの面倒くさいなぁ。

どうしよう。

適当に流して、年明けまで考えようかな。

よし、決めた。

ジェニー。フルオーケストラを増やせ。

フルフルフルフルオーケストラくらいにしちゃえ。


「わかりましたわ旦那様。」


ジェニーはタキシードの内ポケットからもう一本指揮棒を取り出すと、両手で大きく振り上げる。

途端にオーケストラは4倍に増えて(ついでに尾藤イサオも4人に増えて)、4倍の音量のハチャトリアンが響き渡る。


更に更に。両軍が投げるパイが4倍に増えた。

たちまち川と河川敷はパイで埋まり、白い層が積み重なって行く。


よし、ジェニー。海の妖怪ならもう一丁いたな。

「いつぞやのあれですね。旦那様。」

おう、今回途中からグッダグダになったのは、多岐都姫のせいだ。

神様が責任とってくれるんだから、めっちゃめちゃにしちまえ。

「了解しました。では!」


ジェニーは両手を大きく天空に差し上げた。


一転、空が掻き曇り、巨大な「何か」が降ってくる。

海坊主。

それは、俺たちが潜水艦でダラダラしている時に丁寧にも待ってくれていた、水木しげる風海坊主の皆さん。


大河を埋め尽くすパイを食べる為に、海坊主参上。

むしゃむしゃぱくぱく。

むしゃむしゃぱくぱく。

むしゃむしゃぱくぱく。


その下からは、人魚と河童とセイレーンと深沙大将がぷかぷかと浮いた姿が浮かび上がって来た。

大丈夫。ファミ通の攻略本だよ。X

    みんな生きてるよ。◯


ふう、なんとか年内に更新出来た。

「ここまで酷い話を投げっぱですかい?」

おや、八咫烏くん。元気かい?

「話が途中で変わっちゃったから、慌てて来たんですよ。本当なら、アッシはアッシで次の準備で忙しかったのに。」

あぁ済まんな。苦情ならお前の上司に言ってくれ。

「年内最後に間に合ったからいいデス。」

いいんだ。

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