第57話 対原子力潜水艦(注釈付き)
「前回、パパは沈黙の艦隊ネタを禁止して来たのに。」
✳︎沈黙の艦隊
作者:かわぐちかいじ
1988〜96年 週刊モーニング連載
日米で極秘に作られた原子力潜水艦「シーバット」の艦長海江田四郎は独立戦闘国家やまと建国を宣言、世界のシーレーンに新たな挑戦を始める。
「……………………。パパ、今の何?」
こんな殴り書きを楽しみにしている奇特な読者がいてね。ネタの半分がわからないって言うから、嫌がらせで注釈をつけまくってみようというのが、今回の趣向。
「それは、いつもの倍の文字数がかかると言う事だね。」
「私の設定紹介がまだ途中なんですが。」
いいんだよ。大体原潜を出したのも、ユカリさんのネタ潰しで、逆に使ったれと思っただけなんだから。
「いや、そこは注釈として、✳︎秋津サユリ、主人公秋津慎吾の正妻、とか始めるところでしょ。そう言う回でしょ。」
肝心な件には注釈を付けないというギャグです。
「えーと、開き直られました。」
「つまり、今回は無駄話の回だと。」
無駄じゃなかった回なんか今まであったか?
「「開き直られました。」」
嫁ーズ2人に突っ込まれました。
✳︎嫁ーズ
作者が台詞の割り振りを面倒くさくなって、どっちがどの台詞を喋っているか、読者にテキトーに押しつけた時に使う、女房と2号のコンビ名。たまに娘のユカリも混ざってトリオになる。
「ユカリもお嫁さんです!」
「ユカリも喜んでどうすんのよ。せめて口調で使い分けさせるとか。あとジェニーが2号扱いされてるのもどうなのかしら。」
「わたくしは自称をわたくしと固定しているので、わたくし=ジェーン・グレイとわかりやすいです。ついでだから令嬢キャラつけましょうかしら。ですわとか言って。」
「ジェニーは確かに令嬢だけど。」
✳︎レディ・ジェーン・グレイ
1537〜54(享年16歳)
イングランド王国テューダー朝
親族の政争に巻き込まれる形でイングランド初代女王として即位。僅か9日間で廃位となり後斬首された。イギリス王室では近年まで王と認められなかった為、現代でもクイーンではなくレディの称号で呼ばれる。
「なんで私じゃなくて、ジェニーの注釈がつくの?」
だってジェニーは俺らと違って実在の人物なんだもん。そこらはそこらできちんとさせておこうかなって。
「というか、12歳のわたくしが16歳で斬首される未来なんか知りたくなかったんですけど。」
うん、だから前回の俺の設定みたいに忘れとけ。画面が一時停止して、富山敬さんが説明してくれたと思っとけ。
「説明しよう!」
✳︎富山敬
1938〜95
代表作:宇宙戦艦ヤマト 古代進
銀河英雄伝説 ヤン・ウェンリー
タイムボカンシリーズでは解説役として、大抵の主人公より目立っていた。
「説明しよう」はその合図の台詞。
「わかりました。わかりましたけど、これどうしましょう。本当に話が進みませんよ。」
今回は捨て回と言う事で。
「読まされる方も大変だ、こりゃ。」
注釈全部に番号をつけて、次回まとめて注釈回にするというギャグも考えたんだけどね。
「しなくて正解ですね。」
普通の書籍でも、巻末に注釈を纏められても、大体鬱陶しいから読み飛ばすしね。
「あと、富山敬さんって軍人専なの?」
軍人専というのは何かの愛称なのかな。
富山さんと言えば、あとはタイガーマスクとか、番場蛮とか、ガンバのガクシャとか
「主人公か説明役ばかりですね。」
「あの富山敬さんではなく、あの原子力潜水艦をですね。」
いやいやジェニー姉ちゃん。
今の調子だと、また交戦が始まるのは2話くらいあとだから平気。
「誰よ、作者に余計な事言ったの。」
「旦那様が積極的に寄り道をする理由をつけやがりましたね。」
「ジェニー、言葉遣い。」
「あら失礼致しましてよ。おーほっほっほ。
…これ違いますね。」
「それじゃお蝶夫人か喪黒福造です。」
✳︎喪黒福造
藤子不二雄A原作黒ィせぇるすまん(笑ゥせぇるすまん)の主人公。
人の欲望を満たしてくれるが、その欲 欲望により破滅していく姿を楽しむ黒尽くめの男の物語。
アニメ版の大平透の笑い声は絶品。
ドラマ版の伊東四郎は、実写版めぞん一刻四谷さん役の伊武雅刀と共に、得体の知れない役をやらせるとピッタリ合う見本とされている。
「後半、伊東四郎と伊武雅刀の解説になって来てるし。お蝶夫人は説明を投げてるし。」
いや、これ大変だわ。大変すぎて、もはや誰が喋ってんだかわからねえ。
「私私、今話しているのは、あなたの大切なお嫁さん秋津サユリですよ。なんと1話の中で苗字を2回も言いました。これでしばらくはいいですね。」
お前さんが自分の名前忘れなければな、時々テストするから。
「えー!無茶言わないで下さい。」
自分の名前を答えさせるだけが、どれだけハードル高えんだよ。つうか、ジェニーにはサユリの教師も頼んでたよな。
「自分の名前を忘れる人に、何をどうやって教えろと?」
むう、あまりにも無茶な事を頼んだか。
「無茶でない!」
最近、うちのお嫁さんの脳筋ぶりが酷い件について。
「否定出来ない!」
いや、否定しなさいよ。亭主としてそれは寂しいぞ。
「最近おかーさん、龍のユカリと変わらない強さ見せてるしね。」
龍がただの人間に負けたりすんなよ。
「ただのニンゲン?」
「誰が?」
ああ可哀想なお嫁さん。そして、そんな女を嫁にした俺。
✳︎脳筋
脳味噌まで筋肉の略
考え足らずでなんでm…
「いやいやパパ?脳筋に注釈する必要はないと思うの。いくら中村さんでも脳筋はわかるでしょ。」
「なるほど、犯人は中村さんでしたか。」
「こんな滅茶苦茶な回にした中村を潰します?」
誰だろう。知らないな。中村は潰すけどね。
「なんだろう、それももの凄くネタっぽいの。」
前回、ジェニーが引っ張り出してきたとあるラジアニのCDが20タイトルくらい出ているけど、隅から隅まで聞き込むと神谷浩史が言ってるよ。
「それこそ注釈を為の回では?」
✳︎神谷浩史
1975〜
職業: 声優・他
夏目友人帳ファンの女の子が神谷のエピソードを聞いて泣き出したというダメっぷりで有名
長年相方を務めてきた新谷良子は、どれだけ出来た人なの?なのに何故嫁の貰い手がない?と言われて久しい。
「そっち?」
「中村さんじゃないの?」
いや、中村はユカリさんが言ってるだけだから。
「違うの?」
正式には中邑。いやあお!
「「「知らんがな」」」
「というか、そこも注釈が必要なネタでは?」
「我が主よ。」
誰かにエアコンの送風口から話しかけられた。誰だ?あと、なんだ?その古臭い口調はうちの女性陣じゃないな。
それだけだと、うちのドラゴンちゃんなのかセクちゃんなのかわからんな。
「いや、エンシェントドラゴンは、前回巣に帰っただろう。だとしたら残りは私しかおるまい。」
訳の分からないキャラクターが常に大量に出ているから、そこまできちんと読み込んでいる人なんかいないだろ。
作者だって書き分け出来ない(する気もない)事をギャグにしてるし。
「だから、わたくしみたいに口調で判断出来るようにキャラ付けをしなさい。」
「このイギリス女王は車である私に何の提案をしているんだ?」
「そこです。一人称が私なのか、アタシなのか、あたいなのか、妾なのか。固定すべきなんです。吾輩の一言だけで全てを表現していたプロイセンの宰相みたいに。」
そういえば、あのオッさんを相当無碍に扱ったつもりだけど、本物はアレより酷かったって教えてくれた人いたなぁ。
「なんで海中でキャラクターが小説のイロハを語り合ってるのよう。あ、この語尾を“う“で伸ばしているのは、私秋津サユリです。よっしゃ3回目!」
「セクサロイドよりセックスが激しい龍ってのにも困るけどな。私の存在価値がなくなる。」
あれは俺が鍛えたからな。最強だぞ。
100倍だぞ100倍。
「また随分盛りましたね。」
✳︎10倍だぞ10倍
算数が絶望的に出来ないプロレスラーが
発したコメントの事
1+1は2じゃないぞ、俺たちは1+1が200だ。
行っちゃうぞバカヤローが口癖だけど、
バカヤローは本人だったようだ
「もう注釈じゃなくて悪口です。」
そろそろこの注釈ごっこ、飽きてきたんだもん。
「名前出された中邑さんごめんなさい。」
しかしまぁ、最初からまともな回にならないと思っていたけど、ここまで酷くなったか。
「どう収拾つけますか。」
一応さ、俺達は陸海空何処でも戦える戦力なんだよ。だからやられ役として適当に出した原子力潜水艦とガチ海戦を描写して、なんなら大西洋を放射能塗れにしてやろうかと。
「駄目じゃん。」
なのに中邑の野郎が余計な事吹き込みから、こんな今までで一番IQが下がる文章になりやがった。
見なさい。もう3,000文字を超えているのに、原子力潜水艦は一歩も動いてない。もう2〜3隻増やそうかしらね。
「それ、意味あるんですか?」
海坊主を折角3体に増やしたのに、世界最強のあいつが乱入してきて意味無くなっちゃったしね。
とはいえさあ、そろそろちゃんと戦わないといけないと思うんだ。
ウィーンで悪魔軍団を倒したあたりは、わりかしちゃんとしてたんだ。ブロッケン山あたりからろくな奴出てこねえし。
という訳で、章を変える事にしようか。
まだ文字数に余裕があるけど、これ以上続けたら、作者も俺達もおかしくなる。
「ならば私こと、秋津サユリの設定解説をしましょう。4回目!ってあ…
ここまで滅茶苦茶にしたから、会話の鉤括弧も閉じないで終えよう。
「承前って使いたいんだね。」
ユカリさんはネタバラシをしないように。
あと、鉤括弧を閉じやがったな?




