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北へ、行こうらんららん(2回目)

ジェニーの仕事は決まった。

俺に対する語り部だ。ちょっと、かなり、相当変態気味だけど、まぁ俺の周りはそんな奴ばかりだし、お嫁さんが持て余し気味な方を適当に処理して貰おう。

「お任せください。」

「ちょっと待って。なんだか私の扱いがどんどんぞんざいになってきてると思うの。」

だって俺の好みな剣術小町に仕上げるつもりが、どんどん残念女房に堕ちて行くんだもん。

最初はさ、もう少し凛々しい面があった筈なのに、あの娘は何処行ったのかなぁ?逢いたいなぁ。

「ここに居ます。見て見て。私を見て。いっぱい見て。沢山見て。」

「脱ぎますか?」

「見て貰えるならば。必然性があるならば、濡れ場も厭いません。」

残念だ。本当に残念だ。


んでだ。極北とやらにはどう行きゃ行けるんだ?

「途中まで街道が何本か通っていますよ。北方にしか住まない獣を狩りに行く狩人が沢山この国には居ますから。わたくしが知る限り、最北の街は“凍る足“って名前です。」

凍る足、つまりコールドフットね。

アラスカかよ。

変な共通点が見え隠れすんなぁ。

これは何かの手掛かりな「てかてかです」それは前回の天丼だし、一応、今のは俺の思考ターンだから、グレちゃんは勝手に混じってこないでください。

「だったらちゃんと鉤括弧で喋ってください。わかりにくいです。」

ああもう、最近メタ発言が酷すぎる。

「面白いから良いかと。」

ハイハイ。


とは言ってもだ。流石に北極圏に行くのに矢絣着物に袴雪駄とか、五つ紋入りお花縫込み振袖雪駄で行くアムンゼン隊(それは南極)はあり得ない訳で。(海パンや短パンで北極圏に入って行ったモジャモジャが居た気もするけど)

ついでに言うと、15歳と12歳の少女は流石に肉付きが薄いし。(おっぱいは12歳の方が大きい)

人間化したドラゴンはともかく、何故かすっかりペットの座を俺のポケットやら帽子やら、色々な何処かで主張し出したピヨちゃんは、気温が低い帝国に来てからは大抵俺の何処かに潜り込みぱなしだし。

取り敢えず先ずは耐寒対策と移動手段だな。

エンシェントドラゴンさんも、蛇神さんも基本爬虫類だからなぁ。

蛇神は冬眠した実績もあるし。

うちのドラゴンちゃんくらいなら、極北だろうがマグマの中だろうが、高笑いしながら突っ込んで行くし、俺も全然平気。

だって俺、死ねないもん。

ユカリさんはまだ若いドラゴンだし、お嫁さん達は、多分凍ったら死んじゃうなぁ。

一応、縁を結んだ人は大切にしてきたのが俺です。


と言う訳で。じゃじゃーん。

よんだぶりゅでぃー!(水田わさびじゃなくて大山のぶ代調です)

「慎吾様。なんですかこの四角いの。」

馬の要らない馬車です。

「旦那様旦那様、文明レベルを無視しないでください。いくらなんでも滅茶苦茶です。」

今更です。い・ま・さ・ら。

俺達ドラゴンで空飛ぶとか普通なので。

お嫁さんの修行ついでの徒歩移動だったから、空飛んでたらあと数週間は早く帝都を崩壊させてるし。

と言う訳で、全員乗った乗った。

あ、お嫁さんとグレは後部座席な。

助手席はユカリさんとピヨちゃんで。

「何故正妻の私が娘より下がるんですか!」

面倒くさいから、グレちゃんと乳繰りあっていてくれ。

「畏まりました。」

「畏まりません、っていきなりおっぱいを揉まないでぇ。」

「シートベルトです。」

「シートベルトはおっぱいを揉みません。」

仲良き事は美しき哉。…見苦しいなぁ。

んじゃ、出っ張つすんぞぉ。

「先っちょはダメですう。」

「まぁ綺麗なのですね。」

「出さないでええ。」

「パパ?」

ホッときなさい。というか、後部座席を見ちゃいけません。


とは言え、内燃機関を使用するにはちょっと良心の呵責がほんのりあったので(説明が面倒くさいので)魔法を使っちゃおう。

(マスター、魔法と言われましても定義が大変なのですが)

おや、誰かと思いきや、どこぞの未来世界で使役した機械魔人ちゃんか。


いきなり出て来たのは、4~5年前に流れた世界で拾ったアンドロイド?

女性型セクサロイドに意思が宿って人間を支配しようとした、わかりやすい言えばコンピュータの反乱の犯人。

その世界の神様が言うには、AIの異常発達に「悪魔」と規定されるモノが合体して、なんかもうコンピュータゲームと永井豪が合わさって、しっちゃかめっちゃになったから何とかしてくれ。と。

ここまで役立たずの神様ってのもアレだけど、会って来た神様は大抵ろくでなしだったから、まぁいいや。


で、セクサロイドだったのをいい事に、好き放題暴れて抑えつけて、AIがバグを起こすまで責め立ててみた。

後先なんか考えてねー。

そうしたら、中の悪魔の人が壊れて降参降参わーいって事になりました。

どうせ世界を滅ぼす大魔王だって俺に敵わないしね。

で、俺のカプセル魔人(魔神)の仲間入りした。メカ姉ちゃんだから、機械関係を仕切らせている訳だけど、何しろ俺機械使わないし。

どんな危機にも安全剃刀とドラゴンちゃんで大抵間に合うし、重力魔神一柱で大抵の敵は成敗出来ちゃうし、出番無かったのよ。


(内燃機関を使用するには当然燃料が必要になるわけですが、この世界の燃料は薪です。石炭や木炭ですら有りません)

ふーん。おい嫁と妾。

「なんですか?」

「わたくし妾ですか?一国の姫を妾ですか。可愛がってくれるんですよね。当然です。ならいいです。耳年増で鍛え上げた知識を総動員して全てに応えて見せましょう。」

だから何にも言ってないでしょ。1人ボケツッコミしないの。

ほら、サユリさんも対抗心を剥き出しにしないの。袴をたくしあげない。白い御御足は美味しい事はわかっているから。


あのさ、炭焼きとかしてないの?

サユリさんは百姓娘なんだから知ってんでしょ。火の元はなんだったの?

「炭焼きってなんですか?火を起こすには薪です。薪拾いが女子供の仕事です。」

そうですか。

ならば、おいセクちゃん。

(セクちゃん?あたしセクちゃんなの?)

またその内新しいカプセル魔人が出てくる予定だけど、いちいち名前付けてたら、設定メモが分厚くなるから嫌だ。

(……まぁ元々製造番号しか有りませんでしたし、悪魔ちゃんも無名でしたから構いませんけど)

内燃機関に化石燃料は使わない。そのかわり、エンジン内部の重力と車体の摩擦係数をゼロにする。

重力は重力魔神に頼むから、セクちゃんはエンジンの回転管理を頼む。

(宇宙空間を走るみたいですね)

んー、イオンロケットみたいなイメージなんだけどね。


北へ向かう避難民は少ないみたい。

帝都を離れると、基本的に農村か荒野になる。摩擦係数ゼロエンジンはエンジン音が無くて寂しい。

軽くヒーターを入れて居たのと、心地よい振動でピヨちゃん以外、あっという間に落ちた。馬の要らない馬車という説明で納得したみたいで、特に疑問を呈する事もなく、直ぐに馴染んで直ぐに寝ちゃった。

寝てくれて助かった。

だって、帝都を離れて数刻、あっという間にでっかい鴉に囲まれたから。

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