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しゅぎょー

さて、次はお前さんだけど

「舐めますか?」

…朝っぱらから何言ってんの?

「わたくしはそういう風に育てられましたので。殿方の都合の良い女子がわたくしの全てです。ですから炊事洗濯料理閨房なんでもござれなのですが、唯一閨房だけが耳年増なだけの経験値不足なのです。夕べの経験と快感が全てです。自ら慰めた事も禁じられて来ましたから。でも知識だけは豊富に仕込まれているので、貴方様の都合の良い様に育っていくのがわたくしです。」

そう言って顔を上気させてるもんだから、語尾がどんどんおかしくなってるよ。

大体俺自身、散々やって来たし、光源氏計画も何人か育ててみたし。

12歳より下の生理前のぺったん子だって、子供作るとこまで一緒にいた事あるし。

各方面からこらあっって怒られるから内緒だけど。

「なので、わたくしに経験させなさい。」

命令形?

「わくわくてかてかです。」

うるさいよ。


大体さ、あんたの名前なんなんよ。

「慎吾様。名前も知らないのに、拾って手を付けたんですか?」

「わたくしはそこらの野良犬ですか?ああ、旦那様の雌犬でした。」

「慎吾様。この子怖い。」

大丈夫。サユリさんも大差ないから。


で、君の名前はなんてえの。(算盤が欲しいな)

「ジェーン・グレイ。」

待て待て。この世界の人は和風な名前ばかりだと思ってたのに、なんだその洋風な名前。

しかも、ジェーン・グレイ?だとう?

「そうは言われましても、これが本名でございますからねぇ。」

まさか親父がヘンリーで、お袋がフランセスとか言うんじゃ無かろうな。

「あらまぁ。わたくしの両親を存じ上げていらっしゃるんですか?」

…こりゃアレか。なんかの伏線か。手掛かりか?

「手掛かりはともかくてかてかです。」

そりゃてかてかにもなろうよ。

あーあー。なんかまた面倒くさい女の子拾っちゃった?

「またとはなんですか慎吾様またとは。私そんなに面倒くさいですか?」

食欲と性欲に釣られていきなり道端でプロポーズして来た女を、面倒くさいと言わずに誰が言うか。

キャシャーンか?


「何はともあれ、わたくしの名前はジェーン・グレイです。ジェーンでも、ジェニーでも、グレちゃんでも、お好きな様にお呼び下さい。なんなら雌犬でも結構です。」

ああ、やっぱり面倒くさい。


では、だ。

まずジェニー、君はこれからどうしたい。

「決まってます。旦那様達の性奴隷として生きていきます。」

「達?達って言った?私も混じってんの?」

「当然です。旦那様の持ち物がわたくしですから、旦那様の持ち物たる奥様の持ち物でもあるのがわたくしです。同性愛も良い物ですよ。」

そんなこったろうと思った。

けど、俺の性奴隷くらいじゃ、俺達に着いてくる資格にならないぜ。

お嫁さんで手一杯だし。

「奥様の苦手な炊事洗濯なんでもござれなわたくしですよ。」

ん〜。それは俺の方が達者だし、娘に適正がある事がわかったし。ついでにピヨちゃんにも。

「呼んだ?」

ああ、呼んで誉めた。

「わーい。パパに褒められたのです。」

因みにピヨちゃんは、まだ俺の胸ポケットで寝てます。寝坊助さんです。

「奥様が性奴隷ですか?」

「ううっ。否定出来ません。」

お前ら漫才師にでもなれや。


でだ。

ジェニー。君の能力は他に何がある。

曲がり也にも一国の姫君だ。そんなご家庭スキルしか仕込まれていない訳ではあるまい。

「そうですね。世界6ヵ国語が話せます。」

ほう。

「共通言語なので方言程度しか差異は有りませんけど。」

意味ねえなぁ。

「あとは数術とか。」

算数?数学?

「いんいちがいち、いんにがに。」

掛け算九九かよ。

「凄い!ジェニー貴女数術が出来るの?天才だわ。」

お嫁さんはもっと馬鹿だった。


なるほど。この世界の教育レベルはそんなもんか?

これじゃ、教養もユカリさんの方が上だろう。今、外で大暴れしてるうちのドラゴンちゃんは、何気に長寿だから下手すると俺より教養高いしな。変態だけど。

これじゃ、俺達の旅に着いてくる資格は無いなあ。

「と、言われましても。後は各地の伝説・伝承の語り部しか

採用!

「まだ鉤括弧を閉じてません。食い気味です。食べ過ぎです。お腹いっぱいです。」

やばい。この子面白い。


実際、この世界に俺が流されて来た目的が未だにサッパリわからないのよね。

竜人だの、大巨人だの、訳の分からない存在には会って来たけど、そろそろ神様にも会っておかないと(変な神様には会った気もするけど)、変な女の子ばかり増えていく一方だし。そう言った材料を知識として教えてくれる存在はありがたい。


「後片付けくらいは私がしますです!」

妻成分で圧倒的に新入りや娘やペットに負けたお嫁さんが、いち早く立ち上がると、俺達の皿を運んでいる。

「宿の人をお見かけしませんが?」

そりゃ、そこでエンシェントドラゴンが暴れてるからねー。普通逃げんでしょ。

ま、2回目だし。慣れたもんだよ。

宿代と勝手に使った朝食材料費にかなり色を付けて、とりあえず厨房に金貨を積んでおく。さて、ジェニーさん。

「はい。脱ぎますか?脱がせましょうか?舐めますか?」

章の最初に戻る。

ここまでの大体2千字を費やした労力はなんだったんだろう。


「たまには鉤括弧付きで喋るぞ。ジェニーに問う。なんか適当なモンスターは知らんか?」

「窓から見えてますが。」

「あれ、身内だから却下。」

「エンシェントドラゴンが身内ってなんなんですか?」

「この子もエンシェントドラゴンなんだけど。」

俺の膝の上に座って、俺に頭を撫でられて目を細めているユカリさんを指差す。

「は?」

「ユカリ、ドラゴンだよ。なんなら変身しようか?」

「いやいやいやいや。ここで変身したら宿屋壊れちゃうでしょ。」

「ですよう。折角お皿全部洗ったのに。」

さっきパリンって音がしてたね。

「気のせいです!」

わかったわかった。金貨一枚追加しとこう。


「そうですねぇ。あとは国境の山脈にいると言う巨人とか。」

「アレは俺がウエスタン・ラリアットで倒しちゃった。」

「えーと。幻の大巨人がいたから帝国は攻められなかったし、攻めなかったのですが。」

「帝国なんかもうないじゃん。」

わははははははははと言う高笑いがさっきから聞こえなくなってる。

見ると、城だった所は平地となり、ドラゴンちゃんがユサユサと飛び立つところだった。


あー暴れた暴れた。

じゃあねー我が主様。


たっぷり暴れて、たっぷりご飯(女の子)を補充したドラゴンちゃんは満足そうに西の空へ飛び立って行った。大友昌司さんが描くドラゴン解体図だったら、ドラゴン脳とかドラゴン胃と一緒に女の子袋があるんだろうな。


「………えーと。旦那様?貴方何者?」

「さあねぇ。」


「…あとは、この近辺だと極北の神とか?」

おう。それそれ。

「神様ですよ?」

「うちのお嫁さんが邪神を使役している事は説明した通りだ。今更神様の一柱や二柱増えても誤差の範囲だ。」

「ですねえ。」

「ですかあ。」

話がわかりやすくお姫様で何より。

んじゃ、そういう事で。

10分後に出発という事で。

「何故10分後?」

食ったら出す。お前らも済ましとけ。

「あらやだ。15歳の少女はトイレになんか行きません事よ。おほほほほ。」

「わたくしは、そっち方面も勉強しようかしら。」

うるさいよお前ら。

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