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幼馴染は純粋にタイプじゃない

「俺と結婚を前提に付き合ってくれないか?むしろ今すぐに結婚してほしいレベルだ」

昔から、ちょっと変だった幼馴染が最近ますます変だと思っていたら、求婚された。

夕方の教室でオレンジ色の光が綺麗に輝いていて、はたから見ればムード的には合格点だ。ぎりぎり。

しかし、しかしだよ。

お隣の穂村(ほむら)さん家の燈夜(とうや)くん、私が器物損壊の反省文作成中に突然現れて突拍子もなくそんなこと言って来られてもさ、混乱しかないともうのは私だけなのかな?


考えてみて欲しいな。反省する気もないのに10枚も器物損壊の反省文を書かされている時に、早く帰りたいとしか思っていないような時に幼馴染からの求婚って……ごめん、本当にごめん、そういうの本当に要らない。このせいで反省文書きが停滞するし、何より今日はお母さんが宝塚見るために友達の家に泊まってるから穂村さん家の燈夜くんのお母さん料理食べに行くって言ったよね?ね

え穂村さん家の燈夜くん、忘れてるの?確信犯なの?断ったら私は穂村さん家の燈夜くんのお母さんの料理食べずらくない?被害者と加害者が事件後に一緒にご飯なんて酷過ぎるだろ。最悪でしょ。ねえ


寿王(すのう)?」

「私をそのDQNネームで呼ぶな」


雪村(ゆきむら)寿王(すのう)というどうしてこうなっちゃったんだろうって感じの当て字によりDQNネームになってしまった私の名前。スノウって、カタカナでいいよ。何で漢字をあてたの。何で漢字にしなかったの。

って違う。私の名前は今どうでもいい。大事なのはこいつの求婚だ。一応初めて告白されたからしっかり返さなければいけないし。


「燈夜、私は燈夜のことが嫌いじゃないぞ?嫌いじゃないんだが、好きでもない」

「え?」


なんだその反応。なんで断られるとは思ってもみなかったような表情してんの。


「え?普通断る?え?俺ら幼馴染だぜ?」

「それがどうしたの」

「幼馴染って大体真面目に告白すれば上手くいくもんだろ!?」

燈夜はどこの世界の話をしてるんだ。え?馬鹿なの?なんなの?

「俺、自分で言うのもアレだけど、それなりに顔良いし」

「まあ確かに良いとは思うけどそれを自分で言っちゃう?」

「表情だと分かりにくいけど本当は割と愉快犯な寿王のこと俺が一番分かってるんだぞ!?

おまえ、ここで俺を振ったら良い人なんて絶対現れないぞ!?」


穂村さん家の燈夜くんは相変わらずバカだなぁ。ドン引きだぞ。がちで。きもいわ。


「燈夜、ストーカーから告白されたらそれが例えイケメンでも拒否るのと同じことだよ」

「俺をストーカーに例えるな!!納得のいく理由をくれ!!」


わがままだな。思い男は嫌われるぞ。

それにしても理由って言われてもな。理由……か……


「ハッキリ言って、顔が好みじゃない。あと、幼馴染と結婚とか近場過ぎるからつまらない」



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