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そのミットに想いを込めて  作者: 暦海


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18/24

新バッテリー結成?

「――ちょっと、さっきからどこ投げてんの? ミットはここなんだけど?」

「……ご、ごめんなさい高畑たかはたさん」



 それから、数日経た放課後のこと。

 グラウンドのフェンス近くにて、いつもより大きなミットを構えつつあきれたように告げる凛々《りり》しい女の子、高畑さん。……うぅ、ごめんなさい。



「……にしても、ほんと急にもほどがあるでしょ。次の試合で、いきなりあたし達二人でバッテリーを組めなんてさ」



 その後、わたしにボールを投げ返しつつ不服そうに話す高畑さん。そう、実は次の試合――およそ二週間後の練習試合、なんとわたしが先発投手、高畑さんがキャッチャーとしてスタメンで出場することになっていて……うん、ほんと急だよね。





『――突然で悪いが……二人には次の試合、先発でバッテリーを組んでもらう』

『……へっ?』



 一時間ほど前のこと。

 ベンチの前で、監督から言われた言葉。そして、ふと声が重なる高畑さんとわたし。ちらと隣を見ると、少し嫌そうな表情かおの高畑さんが……いや、そんな表情かおしないでよ。


 ともあれ、この驚きの決断の経緯はというと――そもそも、耀光うちには鴇河ときかわくんを含めキャッチャーが二人しかおらず、それも二人とも六年生。なので、今の六年生が引退して以降のキャッチャーを育成することは急務だったんだけど――前の試合で思いもよらない形で佐々ささのくんが怪我をしてしまったこともあり、今後も誰かが怪我をしてしまう可能性を改めて深く考えたとのこと。……うん、考えたくはないんだろうけど……でも、仕方ないんだよね。スポーツだと、どうしてもこういう事態ことはあるんだし。


 なので、万が一の事態に備え、今からキャッチャーの人数を増やしておく必要があると改めて判断したとのことで。……うん、それは大切なことだよね。すごく大切なこと、なんだけど――


『……でも、なんであたしなんですか?』


 すると、不服を隠す様子もなくそう問いかける高畑さん。……うん、すごいね。相手は監督なのに。


 ……だけど、それはわたしもまさに疑問に思っていたことで。……あっ、高畑さんが嫌なわけでも、務まらないなんて思ってるわけでもないよ? ただ、他にもたくさん選手がいる中で、高畑さんを指名したのは何か理由があるのかなと――



『……まあ、そう怒るな高畑。五年以下の中で、一番適性があるのがお前だと判断したんだ。実力の面でもそうだが、もともとキャッチャーをしていたお前がな』


『…………へっ?』




 ……うん、びっくりした。まさか、高畑さんがもともとキャッチャーだったなんて。……でも、なんで辞めたんだろ? もちろん、わたしにまだ野球の細かいことは分からないけど……でも、高畑さんはあんなに上手いんだから、キャッチャーだって上手にでき――



「……ねえ、なにぼおっとしてるわけ?」

「……へっ? あっ、ごめんなさい!」



 そんな疑問を浮かべていると、既にミットを構えた高畑さんから苦情が届く。……うん、今はピッチングに集中しなきゃね!




 

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