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サ終ゲームのリスタート  作者: 橋 みさと
第3章 まだ、諦めたくないから
34/52

三段渦紋亀B

今のところ、順調に事を運んでいるようだ。

全員が素早く、狙いを三段渦紋亀の左甲羅にある鉱石部分に切り替え、有紗さんがデバフ付与の大鎌の詠唱を開始したところで、


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「小癪ナ」

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子亀に付与されていたバフ・デバフの効果が切れ、三段渦紋亀が詠唱を開始した。


「有紗さんの必殺技ゲージMAXを確認」

「また単体攻撃!」


だがこれは、火力2人にとって安全に攻撃可能なチャンスとなる。(≧▽≦)さんはすかさず斧による攻撃を叩き込み、LiEさんも大鎌の詠唱を開始した。

紅央さんが魔導具で後列移動した直後、三段渦紋亀が振り上げた右前肢がまた、紅央さんを斜め上から強打する!


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「さすがにもう、対策済よっ!」

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その言葉通り、今度は最大HPの4割程度のダメージですんだ。素早く有紗さんが単体回復メイスを振る。


「ウペーン!」

「そうか、後列移動によるダメージ半減に加えて、自分で事前に水ダメージ耐性も付与してたもんな!」

「しかもあの魔導具、よく見たらナイトの自衛バフ効果と、斧の攻撃バフ効果を同時に延長できるやつだよ!」

「何それ、最高の一手じゃん!」


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「コナイデ」

「弾込めOK……いきますよ!」

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子亀がまたダメージバリア付与の詠唱に入ったが、タイミングを見計らって、たろ吉さんも武器詠唱に入る。(≧▽≦)さんは今のうちにとばかりに、双剣で切りつけて確実にダメージを積み重ねる。


「凄いぞ……完全に計算されてる!」

「三段渦紋亀にダメージバリア100%、5枚付与を確認」


直後、今度は必殺技ゲージを使用した魔砲の5連攻撃が、見事にダメージバリアを全て破壊した。


「ペンペーン!」

「うおおおお、鳥肌立った!」

「必殺技ゲージ分、デバフも効果が上がってるし、本当に無駄がない!」

「LiEさんの必殺技ゲージMAXを確認」


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「小癪ナ」

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「うわ、さらに単体攻撃!?」

「そのまま後列にいてもいいけど、それだと必殺技ゲージ貯められないし……」


だがそれは、紅央さんの計算内だったのだろう。迷うことなく、水耐性付与効果がある剣盾の詠唱に入る。


「その手があったか! 次はもう列攻撃しか来ないもんな」


大きな土壁が出現し、水耐性を大幅に付与したことで、前列にいながら単体攻撃を安全にいなす。その間にLiEさんがふたたび必殺技ゲージを使用し、杖での土槍攻撃を叩き込んだ。


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「誰ガ受ケル?」

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子亀が、2度目のバフ・デバフ付与詠唱を開始する。たろ吉さんと紅央さんが前列移動を、(≧▽≦)が自傷しつつ後列移動をしたところで、詠唱が終了した。


「味方全体に、水ダメージ耐性250%DOWN付与を確認」

「近列味方全体に、物理被ダメージDOWN50%付与を確認」

「遠列味方全体に、魔法被ダメージDOWN50%付与を確認」


これにより、今度は近列のバフ・デバフをたろ吉さん、紅央さんの2人が、遠列のバフ・デバフを(≧▽≦)さん、LiEさん、有紗さんの3人がそれぞれ受ける。

直後、有紗さんが守護技槍を使用し、ダメージバリア1枚を自身に付与して備えた。


「さあ何が来る……?」


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「離レテモ無駄ダ」

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「遠列物理攻撃だ!」

「えっ、それ紅央さん後列に行けるの!? さっき移動したばかりだよね!?」


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「予定通り、先生が後ろにいきますよ」

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言うが早いか、たろ吉さんが後列移動するバフ延長の弓詠唱を開始する。それを確かめることなく、火力2人は攻撃しつつ前列移動した。


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「破壊シてあげなさい!!」

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有紗さんもまた必殺技ゲージを使用し、前列移動しつつデバフ付与の槍を突き刺す。


「うっそ、プリーストとは思えないダメージ出てるんだけど!?」

「どういうこと!?」


どうやらほとんどの人は、このことについて理解できないらしい。

だがナイトさんたちの表情を見る限り、彼らにとって、これは当たり前のことのようだ。


「子亀に付与された、被ダメージDOWNバフの影響だよ」

「ナイ・プリはそれぞれ、物理防御力・魔法防御力を参照した攻撃をしてるからな!」

「ええと要するに、実は普段から防御力を参照した攻撃をするナイト・プリーストにとって、被ダメージDOWNの防御バフは、攻撃バフでもあるんだよ」


私が言いたいことを察し、Rockさん・照輝さん・ぜっぴんさんが、それぞれ全員に聞こえるように解説してくれた。


「ってことはナイ・プリにとって、この12秒間は攻撃チャンスでもあったのか!」

「それを知ってて、プリーストなのにわざと必殺技ゲージを攻撃に使ったってことか!?」


だとしたら、本当に計算しつくされた戦略だ。紅央さんもチャンスを生かすべく、剣盾攻撃でHPを削るのに集中した。

三段渦紋亀が大きく息を吸う!


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「がはっ!!」

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その口から吐き出された水塊が、容赦なくたろ吉さんを襲った。デバフ付与槍の効果はあったが、元々レンジャーはナイトほど物理防御力を上げられないからか、やはり瀕死に追い込まれる。


「ウペペ!?」

「ちょっと待って……たろ吉さんこれ、意識ある!?」


(≧▽≦)さんがたろ吉さんの方を気にしつつ双剣攻撃を繰り出したことで、誰かがそれに気づいた。


おそらく事前に武器使用予約をかけていたのだろうが……明らかに意識がないまま、武器詠唱に入っている。他の3人も異変に気付いたようだ。


「有紗さんの回復でも目覚めないぞ!?」

「どどど、どうするんだよ!? このままじゃバフ・デバフの効果が切れるかもだし、何よりバリア破壊が……!!」

「LiEさんの必殺技ゲージMAXを確認」

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