『わからんもん』のことをききに
申し訳ございません。神様類のゆるふわ設定は『山神様と桃 』をひろい読みしてみてください。。。
みっつめの握り飯をほおばるウゴウは、この山合は澱みがひどそうだのお、と空をみあげた。
「陽もあたらぬのは致しかたないが、鳥もよけておるではないか」
「まあ、たまりやすい場ではあるな」
ジョウカイもようやく握り飯をとりあげた。
はなしをきかせてくれた婆さんが一晩泊めてくれ、つぎの朝に握り飯をつくっておくりだしてくれたのだ。
山に入る前に、婆さんのはなしにでてくる『わからんもん』のことをききに、近くの山の《番神様》のところへ行った。
このあたりの山は、いちばん高い頂のある山には名前もあって《山神様》もいるらしいが、そこにつらなる山山には、これといって名もなく、《山神様》の土地ではないらしい。
なにしろとがった岩でできた山なもので、草や木もかぎられた場所でかぎられたものしか育たず、近くの村の者でも、気安くはいる山ではない。
「 ―― じゃがのォ、むかしは修行僧どもが頂にある《山神様》の祠をめざしてよく来ていたんじゃ。いまはその岩場も崩れて、ときどき訪ねるのは《キノコとり》と、むかしからの《キコリ》や《猟師》ぐらいじゃの」
《番神様》である婆さんはわらった。




