表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なのるなもなしのはなし  作者: ぽすしち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/33

気にかける


「 おじうえに通じているなど、こわいことをいうな。おれは、 ―― おじうえよりも、父上に似ているといわれたい」


「あの腰抜けか」


「その腰抜けに勝てなかったのはどこの鬼だったかの」


「・・・・あれは、まあ、・・・腰抜けのふりをしている、おまえの親父が卑怯だ」

 ウゴウは額の角をかいてごまかすと、もうすっかり暗くなった空をみあげ、腹が減ったからおれは帰る、とそばの木にとびあった。


 すぐに去るとおもった鬼が、枝にたちあがると、腕をくんでジョウカイをみおろした。


「よいか、 ―― ノリヤスよ。 《ジョウカイ》とはおれたちと人のあいだの坊主の名だ。名を重くおもえばおまえが負けて、さっきの男のように、おまえが《ジョウカイ》という名に喰われる。 忘れるなよ。おまえは《ジョウカイ》だが、甘くて間のぬけたノリヤスでもある」



「 ―― これは・・・また・・・。おれのことを気にかけてくれるのか?」



「童のころよりみておるのだ。気にはかかる。かくれて泣くなよ」



 さいごはたかく声をあげて笑うと、木々をとびつたい、消えていった。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ