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嗚咽で刀震える
『 ・・・・ まいにち・・・まい にち 』
地にふした男が、くやしげに土をつかむ。
『 ―― まいにち、まいにち、まいにち、きょうはどうだ、きょうこそどうだと仏壇の前によばれて報告しろという婆様にがまんしきれなくなって、手をあげてしまい、そのさけびごえをききつけてきた父は、 ・・・仏間の隣のへやに飾られた、家宝の刀を手にしておりました』
もはや、おまえにこの家の名をなのることはゆるさん。でてゆけ。与えた名をかえせ。どこへなりと消えうせろ ―――――
『 ・・・そこからは、もう、あまり覚えてはおりません・・・。ただ、父がこちらを斬るつもりでふりあげた刀でおのれがさされているのに気づき、信じられぬ顔でわたくしの着物をつかんだのは、はっきりと・・・・』
男の声がふるえ、嗚咽がもれると、そのからだにささったままの刀もふるえかちかちと鳴った。




