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なのるなもなしのはなし  作者: ぽすしち


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18/33

望み継ぐ



四、




 ウゴウはもう遊ぶのをとめられたこどものような顔で、なんだ、と男をみおろすと、もう戦わぬのか、とおこった声できいた。


 男は身をふるわせ、めっそうもございません、と頭をさらにさげた。



「なんだ。先ほどまでの覇気はどうした?だいたい、おまえ、よい刀をもっておるではないか」


 そうウゴウがいったとき、男の背から、刀の切っ先が生え、にょきりとのびた。


 それをまのあたりにした鬼が、ちっ、と舌をうち、そのよい刀をおのれにむけたのか、とこわい声で言うと、男はさらに身をふるわせ縮こまった。



 そうか、とジョウカイはみおろした男に、山まできて自害したのか、と静かな声できいた。男は地をみたままうなずいた。




『 ―― 家を・・・わたくしの家は、・・・代々続く侍なのだと、幼き頃より聞かされて育ちました。そして、いまのお役は、ご先祖の働きにみあっておらぬと、祖母はよくもうしておりました。父は、それをうのみにして育ち、つぎのお役替えこそは、と望みをもちながらつとめましたが、やはり、そのままでつとめあげてお役御免となり、その望みは、代々の名を継いだ、わたくしへとかけられました・・・・』


 

 よいか、タダマサ、跡取りはおまえしかおらぬ。おまえが叶えねばならぬのだぞ


 祖母はその日が来るといまだに信じ、まいにち仏壇にむかっていた。






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