表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食欲怪人勇者姫リィエのぼうけん  作者: しいな ここみ
第五章:シュカとリーザの恋物語 ~ それとリィエの食物語(たべものがたり) ~
77/77

ぼけぼけたん

「魔力を封じることは可能です」

 シュカは魔王に答えた。

「ですが、2つの呪いを解かなければ、意味がありません。食欲魔人の呪いをかけたのがフウガなのであれば、フウガの魔力を封じなければ、そちらは解けない」


「なるほど」

 魔王がうなずく。

「リィエ姫が戻って来られても、彼女は食欲魔人のまま、魔物しか食べることが出来ないというわけですね……」


「フウガ様が、姫様に呪いを、だと?」

 レオメレオンが横から言った。

「馬鹿なことを言うな! そんなはずがあるわけないだろう!」


「レオ」

 魔王の後ろに立つモーラ姫が、言った。

「それしか考えられないのよ。実際、フウガはその呪いを利用して、リィエを化物に変身させているでしょう?」


 リィエはモーラ姫の言葉を受けて、喋った。



ばけもので


すみません



 誰も聞いてなかった。


「ねぇ、シュカ」

 モーラ姫が続けて言った。

「フウガの魔力を止めることも出来る?」


「バカな!」

 レオメレオンが2人の会話を遮るように、吐き捨てた。

「フウガ様は我が軍の最高司令官ぞ! 敵の思う壺にはまるようやことをさせられるわけが……」


「やってみましょう」

 シュカが即答した。


「おい!?」

 レオが怒鳴る。

「シュカ! 貴様! 自分の言っていることがわかってるのか!? それは裏切りに等しいぞ!?」


「戦争を止めることが第一です」

 シュカは折れなかった。

「魔王さんはご自分から魔力を止めてほしいと仰ってくれる。あとはフウガ様の魔力さえ止めれば、戦争は、終わります」



 リィエはぼけぼけたんになっていた。



い……


意味が……


わからない……



「ありがとう、シュカ」

 モーラがシュカの手を握り、感謝の意を示す。

「アクエリアは……あなたのお姉さんは……、あたしが絶対に蘇らせるから。あなたは戦争を止めることに専念して」


「何よりも戦争を止めることが大切です」

 シュカは、言った。

「個人の姉を生き返らせることなんかよりも、よっぽど大切だ」



 リィエはまたぼけぼけたんになった。



は……?


シュカくん……


お姉さんのことなんかよりも……って


どうしちゃったの!?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ