7話 デート再開
前回長くなったので今回短めです。
鬼タカ襲撃から少し後。
目的も達成したし解散かと思ったら何故か再開されたデート。今度はしっかりと手を繋いでTHE恋人って雰囲気を漂わせながら俺たちは歩いている。
何故デートを続けるのか不思議だったから尋ねてみたら、
「え!?ほら!今日は部活サボってるわけだし……雨蘭さんにバレたらまずいんじゃないかなぁ」
「いやでも……終わったし」
「ご、誤解を招くのはよくないと思うの、勘違いされて報告されちゃうと…」
確かにそれはまずい……
けど、そんなところまで考えてたんだな。
案外優しいところあるじゃん。
てなわけで、デート再開することになったのですが、手を強く握られるし、すれ違う人に毎回見られるわですごく恥ずかしいかった。
けど、これは役だと思い込んで今日過ごすことにした。悟りと同じ原理ね。
それに側から見ればすっごく楽しいデートのはずなのに、俺はとっても不安だった。理由は、
「なあ、どこ行くんだ?」
「ないしょ!デートにぴったりのところ!」
場所知らされてないからだ。
ええ……なんか怖いなぁ……
そんな、クラブみたいな感じのところだったら即刻中断して帰りたいんだけど……
「人気が多いところか?」
「うん?まあ、多いっちゃ多いかも…」
えぇ……一気に不安。
「俺みたいなヤツは縁がないような感じのところ?」
「う〜ん。まあ水吉なら絶対行かない?いや、たぶん行ったことないと思うよ!」
やだ、待って!
すっごく不安!
「なぁ……ホームセンターとかはいかないのか?」
「それって、デートじゃないじゃん!」
「お前もさっきまでいってたんだけどな!」
「むぅ…もういいの!だって、相手も誓ってくれたんでしょ?信じるからもういいの!」
「そうか」
俺のこと信じてくれるのか……
すっごいジーンってくる。
なんか、最近こういうのなかったから泣きそう……
「え、なんで水吉そんな顔してんの?」
やべ!表情に出てたか…
「いや、これはだな……そのデートが楽しみで…」
「泣くほどなの!?」
「泣いてた!?」
「いや、泣いてはないけど、感慨深そうな顔してたから……さすがアレだなぁって」
「お前、その指示語何気に気に入ってるだろ?」
「あれ?バレた?」
「俺以外には使うなよ?」
「もしかして、独占欲強めなの?」
「普通にちげぇよ」
なんで、そうなるのかがわからない。
失礼だからやめろって意味で言ったのに、あれ?
俺がおかしいのか?
「まあ、わかった。これは、水吉だけにしか使わないね!いやぁ、なんかいいね!このプレミア感!」
「そんなプレミア感いらないんだけどなぁ……」
ほんとはもうちょっと嬉しいプレミアがついて欲しかった。
側から見たら、仲睦まじいカップルの共通理解の指示語だって思われてるかもしれないけど、
アレ=陰キャだもんね。たまったもんじゃない。
てか、そろそろ陰キャという名詞に対して失礼だから。
アレ=水吉クオリティーとかでもいいと思う。
今度検討してもらおう……
「てか、結構街中入ったな…ゲーセンでもいくのか?」
こんなことを考えていたが、着実に目的地には向かっているらしい。
「そんなわけないじゃん!見た目からしてゲーマーなのにゲームセンターなんて行ったら全然デートじゃなくなる!」
「お前もゲームやるみたいだしゲームデートでもいいと思うけどなぁ」
「それなら、家デートでいいじゃん」
まあ、確かに。
でもな、家でコインゲームできないし、ホッケーだってできないだろ?
格ゲーもだけど。
「まあ、とにかくもうちょっとで着くから」
「わかったよ…」
雛子に言われるままついていくこと五分。
「よーやくついたぁ!」
「え、これが今回のデートすか?」
「そうだけど?」
雛子は「どうしたの?」って顔してるけど、カラオケ店じゃねぇか。
何が縁がなくて絶対行ったことないところだよ。
俺だって、カラオケぐらい来たことぐらいあるわ!
もちろん。ヒトカラだけど。
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