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4/14

4話 結局こうなるのね……

日間55位ありがとうございます!!



翌日。


学校中に「近江雛子がだれか知らない男と付き合った」という噂が流れた。

昼休みになる頃には学年中に広まって、俺のクラスでも噂になっていた。


――なんか、本人曰く害虫らしいよ。


って、クラスの女子がそう言っていた。


なにが本人曰く、害虫らしいだよ。



全然ちげぇよ。あくまでも『害虫避け』なんだけど?

なんで俺が害虫になってんの?

一瞬で助っ人が悪になるとかどんなファンタジーだよ。


それでなんで、みんな違和感感じずそのまま受け止めてんの?

普通に考えたら変態カップルじゃん。

彼氏のこと『害虫』よばわりはSにも程があるし、それを受け入れている俺だって側からしたらヤバいやつじゃん。


しかも、あいつ雨蘭さんから言われたことをそのまま飲み込んでんだよ。

雨蘭さんは、一応は俺のことも気にしてくれていたみたいで無闇矢鱈に名前を出さないほうがいいとアドバイスしていた。


完全に裏目に回ったし


多分俺もバレてるんだと思うけど。


実際、俺の予想通り。バレてた。

フルネームを知らない人が多かったのは不幸中の幸いだったが、しっかり俺とバレている。


視線がいたい。

俺、問題起こしたわけじゃないのに、なんでそんな怪訝な目で見られないといけないんだ。


過去最高レベルにクラスにいるのが苦しくて仕方なかった。


まあ、覚悟してたことだけど。


他の懸念は、、


「ね、ねぇ!水吉!」


「な、なんですか?」


「むぅ……ダメでしょ!敬語は禁止。私たち付き合ってるんだから」


「いや、害虫には敬語がお似合いなもので」


「うっ……知ってたんだ…それは、ホントにごめん。えっと、わざとじゃなくて言い間違えたというか、、まあ、悪気はなかったの!」


「悪気なくて害虫呼ばわりの方がよっぽど傷つくんですけどね」


つまり、『害虫』でなにも違和感覚えなかったってことですもんね。


「わわわ、じゃあ、悪気しかなかった?」


「どっちにしてもひどいわ!」


もうね。「悪気しか」ってところがもう、物語ってるよね。「ちょっと悪気はあった」とかの方がよかったなぁ……


「おおっ!やったあ!やっとタメにもどったぁ!」


「うわ、失敗した……」


「なんで、そんな落ち込むのよ!?」


「だって、目立つから……ほら、見てみ?」


そうやって俺は視線だけクラスメイトの方を向けた。さっきからめちゃくちゃ見られてコソコソ言われているのだ。

どうせ、『うわぁ!マジで付き合ってんの!?キモ』とか、『雛子かわいそぉ〜』とか『あいつにしばかれんじゃね?』とかだろ?


てか、その、雛子に必要以上に追い回すやつってだれなんだよ。

こいつは教えてくれないし、雨蘭さんも教えてくれないし。ボッチだから情報網皆無なんだけど?


「わお…なんかめっちゃ見られてる……」


「だろ?だからイヤなんだよ…」


「わたしは見せつけられていいけど?」


「おまえはな!」


「ふふっ、なんか、水吉って印象とちが〜う!」


「第一印象ってことか?まあ、最悪だろうな。目は髪に隠れてTHE陰キャって感じだし」


「ほんと、最初なんて存在すら認知してなかったもん」


「印象以前の問題じゃねぇか!」


「はははっ!」


「笑って誤魔化すな!」


「でも、ちょっと印象は変わったよ、なんか話せる陰キャって感じ。少なくとも害虫じゃない」


「だからなんで、俺が害虫になってんだよ。俺は害虫よけだっただろ?」


「また間違えた!うっかり……」


うっかりってことはやっぱりそういうことなんですね。わかります。(あとで泣いてやる)


「なんか、お前ってひどいよな……」


「今回に関してはぐうの音も出ないけど、それJKに禁止用語!ダメだよ!」


「JK辞典にはそんな禁止用語のってねぇよ」


「逆にJK辞典ってナニッ!?」


「ググれ……」


「わかった」


そう言ってスマホを取り出すけど、昼休みって使用禁止なの知ってますよね?

そんな堂々と使ってるといつか没収されますよ?


「え〜ぜんぜんのってないけど?」


「だろうな。」


「うわ!ダマしたッ!サイテー!えんま様に舌抜かれろ!」


「何歳児だテメェ」


なんか思った以上に重症なんだが……

それに、なかなか離れてくれないし。ずっと、話すからどんどん注目を集めてるし……はやく終わって…


「もう茶番はいいから、要件を言ってくれ」


「ええ!?用事があるってなんでバレたの?」


「ないのに話しかけてきたら恐怖だろ」


「いや、そんなことないけど……?その思考回路、やっぱ陰キャじゃん……」


もう、泣くね?

泣いていいよね?


「うわ……なんで、そんな顔してんの?もしかして陰キャに傷付いてんの?いまさらじゃん」


「傷口に塩塗らないで、さっさと言ってくれ…」


無意識Sって存在するのだろうか?

そのくらいひどいぞ……


「わ、わかったよ。じゃあ、要件を発表します」


とんでもなくナチュラルに話しかけてきた雛子(バカ)が厄介なことを言いだしませんように……


と、ずっと俺は願ってたがそれは虚しく。


「今日の放課後デートしよ♪」


「はぁ……」


こんなに声に出るため息は本当に自分でも数えるくらいしかないぞ。


まじで、なんでなんだよ……


さらに頭を抱える俺を差し置いて雛子はきょとんとした様子でこっちを見ていた。


これは、どういう表情なんだ?

それに、、


作戦?いや、天然??いや、作戦だよな……


これは……いくっきゃないな……



お読み頂きありがとうございます!

頑張って書きますので、


ブクマ、評価、よろしくお願いします!

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