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2話 どうすんのよこれ……

2話目です!





「えっと……」


彼女からの相談は、正直に言うと、とんでもなく厄介なものであった。


本来なら、しらねぇよ!

なんで、俺がそんなあぶねえ所に首突っ込まないといけないんだよッ!

って、言って一蹴なんだけど、なんと言っても今回は、恐喝材料があり相談にのると口約束してしまっているから今更、無理なんて言えない。


どうしようか……


隣のクラスの男子に必要以上に迫られる。美人さんで、学年の有名人だからそんなこともあるんだろう。

だけど、俺にはそんな経験がなく、アドバイスのしようがないのだ。


悪かったね!モテなくて!


「と、とりあえず。部室に移動しましょうか……」


「う、うん……」


その間になんとか考えよう………






ああ、なんでだ……あっと言う間に着いてしまった。

体感ではすっごく短く感じたぞ??


いつもはこの二倍のはずなのに。まあ、これも心理的なことが関係しているのだろう。

とりあえず、部室に入るか……


え?案?


うかんでるわけねえだろッ!


「すみません……遅れました」


ガラガラとドアを開けて部室に入ると、いつもの声が聞こえてきた。


「あ〜もうッ!おっそいっ!どこ行ってたの――え?ダレその子??まさか!!シュウくん?ナンパ!??」


「違いますよ……依頼相手です」


「なあ〜んだ!つまんな」


ごめんね、つまんなくて!


俺が雛子のことを依頼相手と言った瞬間にわかりやすくガッカリするこの女性。俺より一つ年上の先輩。三木(みき)雨蘭(うらん)だ。

生徒会の会計係で、もう一人のカウンセリング部の部員である。言うまでもないと思うがもちろん部長だ。

この先輩は、俺のことをシュウくんとあだ名呼びする。俺を呼ぶときだいたいは、シュウくんと、あと…


「で、副部長さん!こんな美人に依頼されるなんてすみに置けませんなぁ!!」


「その、役職で呼ぶのやめたください。部員二人しかいないんだから」


「え!キミってそんなナリで副部長さんなの!?意外にすごい…」


「はなし聞いてた!?」


雛子があからさまに驚いているが、何を聞いてたのやら。思わずタメ口で喋ってしまった。


「まあまあ、シュウくんが依頼に積極的なのは珍しいから、はやく席にどうぞ〜」


「恐喝されたんですよ……」


「…………席にどうぞ〜!」


「スルーしました!?」


そこは、もうすでに触れてはいけないところなんですね。

恐喝と聞いた瞬間に雨蘭さんがサァーってなったからきっと、雨蘭さんにも同じ経験があるのだろう。


手際よく、席を用意されて俺と雛子は向かい合わせで座らせられた。


「じゃあ、あとはごゆっくり〜」


「ちょ、ちょっと、待ってください!」


「え、なに?わたし忙しいんだけど?」


「さっきまで紅茶飲んでたの知ってるんですよ…いいんですか?」


「うっ……シュウくんのいじわる…」


この人、さっきまで優雅に紅茶を飲んでいたのだ。先生が来ると、資料を片付けるふりをして、いなくなるとダラけるいつものパターンである。


「じゃあ!シュウくんがわたしのこと、雨蘭って呼び捨てで呼んでくれたらいいよ?」


「なんで、そんなことしなくちゃなんですか!歳上のこと呼び捨てになんてできません!」


「わたしが頼んでるからいいの!それとも……協力しなくていいの?わたし的には、そんな義理ないからいいんだけど…」


「……うらん」


「なに?」


「もういいでしょ!頼みますよ!」


もう、やばい恥ずかしい!


「そんな仲良くして……もしかして付き合ってるの!?」


そのやり取りを見てた雛子が赤面して言った。いや、わかる。見せつけられる方もこれは恥ずいけど、俺の方が恥ずい!

完全に遊ばれてる!


「さあ〜て、どうでしょうね?」


ほら、そうやって濁すからまた変な噂たつんだよ。

もう、生徒会メンバーに色々聞かれるのは俺なんだが!?

中には、殺意のある目だってあるの知ってないから雨蘭さんもこんなこと平気でするんだよね?

俺、近いうち死ぬぞ?


「ほわわ……大人の魅力…」


いや、言いたいことはわかるけど、これは果たしてそう言えるのだろうか?


まあ、身体つきだけは、オトナっぽいからな。(達観DK)


「まあ、茶番はこれぐらいにして……」


「自覚あったんだ…」


もう、どこまでが本気で、どこまでが遊びか全然わかんない。

多分、一生わかんない。


「じゃあ、近江さん。聞かせてもらっていいかな?」


「はい…わかりました」


こうして、雛子は今回の相談を雨蘭さんに話したのだが、、


「シュウくん。ちょっと、こっちに……」


「はい…」


部室から出て、すぐに


「なんで、こんな厄介なの連れてきたの?ウチで扱う規模じゃない!」


「それは俺も同感です…」


「ウチは、恋バナ専門じゃん!」


「それは、雨蘭さんだけですけどね」


実際、恋バナが多いのは確かだ。週に一回は雨蘭さんに恋バナの相談をしに来る人たちがいる。

俺が行ってるのは、それの付き合い。

いや、男の立場を聞かれても俺はさっぱりだから、いいアドバイスをできてる自覚はないんだけど。


その他は、言わずもがな、生徒会のパシリである。

目安箱の回収、生徒会アンケートの作成。たまに男子生徒、(ほぼぼっちで暇してる人の話し相手がほとんど)との相談にのっている。


まあ、要するに、一歩間違えばイジメに繋がるような大きなお仕事は管轄外。それこそ、カウンセラーさんの出番である。


だから、今回もカウンセラーさんに頼むのが一番なのだが……


「こんかいは、先生がやれって言ってるらしいんですよ…」


「なんで……?」


「しりませんよ!」


こっちだって、恐喝された身だからね?


「まあ、こうなったら――」


と、雨蘭さんはこんな案を発案した。


「いっかい、一か月付き合うとかどう?シュウくんと、雛子さんが。そしたら、寄ってこないでしょ!」


いや、バカじゃねえの?


そんな案、あいつが了承するわけない……


どうすんのよ…これ。

お読みいただきありがとうございます!


もっと頑張りますので

ブクマ、評価、ぜひよろしくお願いします!

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