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13/14

13話 相談は二人で

遅れてすみません!



翌日。


学校に登校するとなんだかいつも以上に視線を感じだ。最初は気のせいだと思っていたのだが、それはしばらく経ってからもそれは変わりなく、明らかに俺に視線が集まっている。


俺なんかしたっけ??


そんなことを思いながら、昼飯を食べていたらまたクラスの女子の話が聞こえてきた。


「あの、水吉ってやつ。九鬼を手下につけたらしいよ?」


「ええっ…マジで?あの根暗が?」


「マジマジ。ヤバイよね。雛子を彼女にしたもの驚いたけど、これはそれ以上だよね」


「あんな見た目してるのに、裏社会に知り合いがいるって噂も……」


おいおいちょっと待て。


なんで、そういうことになってるんだ?

しかも裏社会に知り合いがいるって……そんなのあったら学校通えるわけないだろ……


てか、なんでそんな噂が立ってるんだ?


九鬼には口止めしてたし、あの場には誰もいなかったはず……


いや、もしかしたら誰か盗み聞きしてたのかも……

でも、確かにいなかったと思うしその確率は低いと思うけどなあ。


う〜ん、広まったのがどうしてかわからないけど、この噂のせいでより俺たちが付き合っているって広まっている気がする。


雛子はどう思ってんだろう?


噂を消そうとしてるのかな?

もう、解決したからまだ偽装カップルが継続されているのか怪しいし。


やっぱり、昨日聞いとけばよかった……


そんな後悔を残しながら俺は昼休みを過ごしていた。



放課後。


結局、今日は一回も雛子と会話をしなかった。


まあ、前の俺だったら会話をしないのが当たり前だったんだけどな。

話しかけようとはしたんだけど、いつも以上に友達を多く侍らせていて陰キャの俺には無理だった。


目線を合わせようとしても全然合わせてくれないし。

これはもう、大丈夫ってことなのか?


普通に考えたら、そうなんだろう。だけど、こっちで断言するわけにもいかないし。


う〜ん。こうなったら、雨蘭さんに聞いてみよう。

同じ女子だしなにかわかるかもしれない。


そんなことを考えながら、部室に向かった。


「こんにちは」


「あ、シュウくん昨日ぶり〜〜!」


部室に入ると、雨蘭さんはいつもと変わらない様子で挨拶してくれた。


俺が荷物を置いて椅子に座ると、


「ねえねえ、あの噂聞いたよ?」


と、ニコニコしながらそう言ってきた。

やっぱりだ。情報通の雨蘭さんが知らないわけないもんな。


「かなり尾ひれがついてますけどね…」


実際は、手下にもしてないし裏社会との繋がりもすべてが全て全部ウソ。

ほんとに誰だよこの噂立てたやつ。


「でも、まさか1日で解決できると思ってはなかったなぁ」


「それは俺もですよ。まさか向こうに仕掛けられるとは……」


「シュウくんの男気が出たね。ちゃんと立ち向かうなんてやるじゃん」


「めちゃくそ逃げたかったですけどね。でも、はやく解決できてよかったです」


「まあ、それはそうだよね」


ほんとに解決できてよかったと思う。だけど、それのせいで今こんな感じになってるんだ。


「雨蘭さん……解決したんですけど、この関係ってどうするべきなんですかね?」


「は?なに言ってんの?」


「え?」


さっきまでにこにこしてたのが、急に真面目になる雨蘭さん。少し怖い。


「あのさぁ、私は最初、一か月付き合ってってお願いしたはずだけど?」


それはもちろん知っている。だけど、


「解決したらもう必要なくないですか?雛子だって迷惑してるみたいだし」


「はあ………バカじゃないの……?」


「なんでですか?」


「シュウくんはわからないかもしれないけど、普通はそんな短期間で別れたりしないから。」


「で、でも……こんな俺と偽装カップル続けてもメリットないし……なんなら、罰ゲームってことでも」


理由なんてどうにでもなるのだ。

俺はどうなってもいいけど、雛子のイメージが今のままだと下がってしまうのは確実なのだ。


だから……俺は罰ゲームでも……


「たとえ、そういう理由を提案しても雛子ちゃんは全力で拒否するんじゃないかな?だって、罰ゲームだって雛子ちゃんの印象下げちゃうしそれに――」


トントン。


話している最中だった。ドアのノック音がしたのは。

だけど、雨蘭さんは特に動じることなく、立ち上がった。


「雨蘭さん?どこ行くんですか?」


「いや、いまこの場にわたしは要らないかなって…」


「え…?」


「あとはお二人でどうぞ?」


そう言ってドアの方に向かって、「どうぞ〜」と言うと、ゆっくりとドアが開いて、そこには雛子が立っていた。


「どうして……?」


「水吉に用があって……」


「俺に?」


「うん……」


「じゃあ、私は生徒会室に行くから終わったら鍵かけといてね?」


そう言って雨蘭さんは俺に鍵を投げてきた。それをなんとかキャッチする。


「じゃあね〜またあした〜!」


そう言うと、雨蘭さんは部室から出て行った。残されたのは、俺と雛子だけ。

二人になった瞬間、この部屋の空気が一気に重くなる。


えっと、どうしよう……


停滞状態に困ってる時だった。雨蘭さんからメールが届いた。


内容はこれだけ、「雛子ちゃんの思いを汲み取って」



なんだこれ……そんな簡単なことじゃないんだけどな…


でも、よくわからないがわかった気がする……



雨蘭は、生徒会室に向かっていた。


「はあ……まさか揃いも揃って同じ内容相談させるとは思っても見なかったよ……だいたいシュウくんはわかってないなぁ……自分が迷惑なんて……雛子ちゃんそんなこと思ってないのに………」


二人はある意味似ているのだ。気を使うところが。

だからお互い変なところで気を使ってわがままになれない……


「雛子ちゃんもちょっと素直になって言えばいいのに、『このままじゃ寂しいし、まだありがとうが伝えきれてないからもう少しこのままの関係を続けさせてくださいって…』さぁ…」


これは、予測にしかならないけど、きっと雛子ちゃんのシュウくんへの印象はシュウくんと偽装カップルを始めた頃よりも格段に上がっている。


そうじゃなきゃわざわざ朝早くから部室に来て「私ってこのまま、この関係を続けるべきなんですかね……水吉が迷惑がってませんかね……」って言わないもん。


きっと、シュウくんはこの短期間で彼女の安心できる人へと変わったんだ。

キモい陰キャからしたらすごい成長だし。

まったく、私もその被害者の一人だけど無意識にかっこよくなって大切にするのはやめてほしいなあ。


そんなことを思いながら、雨蘭は夕日に染まった校舎を歩いていく。




お読みいただきありがとうございます。

多忙により遅れて申し訳ありません。あとで少し修正入るかもです。

あと、この章も1話ですが分量が多くなるので少し遅れます。


よろしくお願いします!



5/20


遅くなり本当に申し訳ありません。

忙しすぎて全然書く暇がなくやっと今日、なろうを開いた状況です。

まだ半分くらいしか書けてませんが、週末までにはなんとか間に合わせます。

よろしくお願いします。

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