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学び舎の緑風  作者: 瓶覗
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447,お茶会と今後の話

 学校に戻ってきて数日、のんびり過ごしたり授業に出たり図書館で読書をしたり、久々に穏やかな日常を満喫している。

 ちなみに昨日はリオンと二人でクエストに出かけていた。


 今日は全休の日で授業は無いので、シャムとミーファ、そしてソミュールも連れて来て四人でお茶会をしている。ソミュールが起きそうな、起きなさそうな凄い微妙な感じ。

 まあ無理に起こすような用事でも無いから、起きたらいいなぁくらいに思っておこう。


「二人はまたどこかに出かけるの?」

「次は第六大陸だね!」

「そういえばミーファは第六大陸の出身だっけ」

「うん。結構寒いから気を付けてね」

「そうだ、服新しく買いに行かないと」


 次の予定は第六大陸への遠征で、そろそろその準備も始めないといけないんだよね。

 第六大陸に行って帰ってきたら、もういよいよ卒業って感じになる。

 なんか、凄い早かったなぁ。もう四年も経つのか。


「ロイが暇な日確認しないと」

「なんか忙しそうだよね。やる事いっぱいな感じ」

「個人的にやってるアレコレがあるんだよ。私も素材回収出来たらしばらく工房に籠ると思うし」

「なるほど」


 研究職組は何だかんだいつもやる事多くて忙しそうだよね。

 私なんて放課後大体暇を持て余してフラフラ飛び回ってるのに。

 もう最近は先生たちも何にも言ってこないから、本当に自由に飛び回ってる。


 なんか後輩からキラキラした目を向けられることもあるんだけど、飛行魔法に興味を持ってくれたらいいなぁという淡い希望もあるので特に触れずにそのままにしている。

 飛行魔法はいいぞ。使う人が増えたら私も嬉しいのでぜひ増えてほしい。


「食料も買い足さないとなぁ」

「あんなにいっぱいあったのにね」

「ほとんど食べつくしたからね」

「セルちゃんの作るご飯美味しいんだもん……いっぱい食べちゃう……」

「いっぱい食べてくれるのは普通に嬉しいから全然いいんだけどね」


 買い物に行くなら今日でも良かったんだけど、今日は学生たちが街にくり出しているからちょっと混んでるんだよね。

 どうせなら空いている時に行きたいし、明日以降全員が暇な日にのんびり見て回ろう。


「んぅ……」

「お?」

「起きたかな?」

「……起きては無い、みたい」


 身動ぎしたソミュールのほっぺをつついていたらそっぽ向かれてしまったので、大人しく手を引っ込める。

 今日は起きないかな?昨日は結構長く起きてたみたいだし、起きるとしても夜とかになるのかもしれない。


「お?なにしてんだお前ら」

「リオン。お茶会してるの。リオンは?お腹空いたの?」

「おう」

「サンドイッチならお茶会参加可です!」

「ならサンドイッチ買ってくるわ」

「いってらっしゃーい」


 今の時間は昼食と夕食のちょうど間くらいの時間で、リオンは大体この時間にお腹を空かせて何か小腹を満たせるものを求めてるんだよね。

 カウンターの方にサンドイッチを注文に行ったリオンの背中を見送って、広げていたティーセットをちょっと寄せてスペースを開けておく。


 小腹を満たすと言ってもリオンだからね、どんだけの量が来るかは分からないのだ。

 なんか注文にかかる時間も長いし。サンドイッチなのに全然戻ってこないし。

 また大皿で山盛りのサンドイッチなんだろうか。


「あ、凄いでっかいのがきた」

「全員で食べるにしても多いくらいの量だよね。一人で食べるのに」

「凄いねぇ……私あれで二日くらい生きられそう」

「ミーファはもっとご飯食べて……いっぱい食べて……」


 別に食べてないなんて事は知っているけど、それでもいっぱいお食べ……ってなる。

 なんて話している間に大皿を持ったリオンがやってきて、私の横に腰を下ろした。

 本当にお皿大きいな。何人前乗ってるのそれ。


「なに話してたんだ?」

「私たちがいなかった間の学校の話とか、遠征の話とか。今は第六大陸の話してた」

「あー……買い物行かねぇとだよな」

「そうだね。リオンはいつなら暇とかある?」

「いつでも暇だぞ。やる事ねぇから授業出てるし」

「あ、そうだリオン、アガット先生が顔出せって言ってたよ」

「おー、そういやまだ槍授業行ってねえな。行ってくるわ」


 ついでで伝言も済ませて、買い物の予定をちょっと考える。

 暇ならミーファも一緒に行く?なんか買いたいものあるって言ってなかったっけ。

 日程の調整もしないとだけど、買い物のリストも作らないとなぁ。


 あと果物買ってこよう、ドライフルーツ美味しかったからまた作りたい。

 ついでに茶葉も買いたいし、あとレターセット買ってこないといけないんだよね。

 考えてみたら、なんか思ってたより色々買わないといけないものがあるな。


「そういやミーファ、武器鍛えんのに倒したい魔獣がいるとか言ってなかったか?あれどうなったんだ?」

「あ、それね、探してはいるんだけど、まだクエストが出てないみたいなの」

「おー、そうなのか」

「急いでもないから、ゆっくり探すよ」


 ミーファも武器の鍛え直しをする予定なのか。なんかリオンが剣を鍛え直してからちょっとしたブームになってる感じがするんだよね。

 リオンの大剣は目立つから、変わったことも結構同級生が皆気付いてて話題になったのだ。


 それで材料を取ってきて鍛え直したって話になって、俺もやろうかなって言い出す奴が何人もいた。

 言いはしなかったけどしれっと俺も鍛えなおしたーって言ってウキウキしてる奴もいた。

 まあ分かるよ、かっこいいしやりたくなるよね、鍛え直したらああなるのか!って思ったらやりたくなるよね。


「ミーファちゃんは何の素材狙ってる?」

「えっとね、プレツモネの爪。一体分あれば足りるって聞いては居るんだけど……」

「あー、プレツモネは発見率高くないもんねぇ」

「聞いたことだけはあるなぁ……」


 なんだっけ、プレツモネ。狐っぽい魔獣だっけ。

 森の中に生息してる魔獣だったような気がするなぁ……コガネ姉さんが「なわばりを主張してくる」って出かけることがあったから、それ関連なら狐っぽい魔獣だな。


「……あ、水狐か!」

「リオン知ってるの?」

「二回くらい倒したことあんだよ。畑荒らすからな、あいつら」

「なるほど……魔力の多いところを好んで寄ってくるから、リオンの魔力につられてたんだろうね」

「なるほど……だからコガネ姉さんがわざわざ威嚇しに行ってたのか……」


 迷いの森の中でも、うちのあたりは神獣がわんさかいるから特に魔力量が多いんだよね。

 だからつられて寄ってきたのを、狐として威嚇して追い返してたんだろう。

 威嚇だけだったことを考えるとあんまり好戦的な魔獣じゃ無いんだろうし、ミーファ一人の方が狩りやすかったりするのかな?見つけたら逃しはしないだろうからね。


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