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学び舎の緑風  作者: 瓶覗
444/477

444,戻ってきた感がすごい

 クンバカルナを出発し、スレイプニルとデルピュネーを経由してレモラに到着し、第一大陸を共に駆け抜けた御者さんとも遂にお別れとなった。

 また来ることがあったら護衛をしてくれ!と少し多めに報酬を貰ってしまった。いい人だったなぁ。


 御者さんは大陸の反対側を回ってまたクンバカルナまで行くらしく、護衛を探してくると言って去って行った。

 私たちはこれから船が出るかを確認して、第五大陸まで行くことになる。


「船の確認と宿の確保に別れようか」

「はーい、じゃあ私船の確認!」

「なら僕が宿の確保だね」

「おーっし、確認がてら屋台覗こうぜ」

「夕飯も食べに行くんだからほどほどにしてね?」


 宿が見つかったら連絡するように、シャムと会話用の魔法を作っておいて、二手に分かれて行動を開始した。

 前に泊まったあたりに結構宿が多かった気がするから、とりあえずその辺に行ってみるのが良さそうかな。


「夕食の店も探しながら行こうか」

「オッケー。ロイなに食べたい?」

「……野菜の沢山入ったスープかな」

「あぁ……お肉多かったもんね……」


 野営中とかはどうしてもお肉の方が多いから、野菜食べたくなるよね。

 今回は乗合馬車の護衛だったから夜はどこかの国に泊まってることがほとんどだったけど、それでも何か野菜不足感があるんだよね。なんだろうね、この感じ。


 まあ食べる分には悪いもんでもないだろうし、なんかよさげなお店を探して野菜をもりもり食べよう。私も野菜食べたい。

 魚も食べたいけど、船に乗ってる間は魚食べがちだから後でもいいかな。


「とりあえずそこの三軒が宿みたいだから、覗いていこうか」

「はーい」


 順番に覗いた宿は三軒目で希望に合う空室が見つかったので、場所をシャムに伝えてきてもらうことになった。

 シャムの方からも明日無事に船は出航すると報告が来たので、そのつもりで準備もしておく。


 その後合流した二人の荷物も宿に置いて、夕食を食べてさっさと寝る支度をしてさっさと寝た。

 翌朝も特別なことは無く、普通に朝ご飯を食べて普通にリオンを叩き起こして船に乗って、第五大陸に向けて出発した。


 今回は特に風を起こしたりのクエストは入れていないので、客室で一旦のんびりするとしよう。

 ここ数日の疲れが溜まってるから、ちょっと眠いんだよね。

 せっかくだから昼寝でもしようかな。たまにはのんびりするのもいいでしょ。


「セルちゃんもお昼寝?」

「うん、ちょっと寝る」

「オッケー、リオンも寝るらしいし、二人は部屋にいる感じだね」

「シャムたちは外出てくる?」

「うん、ちょっと色々見てくる」

「分かったー」

「おやすみー」

「おやすみぃ」


 部屋を出ていった二人を見送って、ベッドに横になる。

 私が居るのは二段ベッドの上の段で、下の段ではリオンがもう完全に寝てるんだよね。

 やっぱり第一大陸を進むのに、かなり精神力を使ってたみたいだ。


 リオンが一番気を張ってたし、ずっと休めてなかったからね。

 なんて考えながら横になっていたら、いつのまにやら意識が落ちていた。

 目が覚めたのはシャムたちが部屋に戻ってきたタイミングで、リオンも同時に起きたようで、とりあえずご飯を食べに行くことにする。



 その後も船旅は順調に進み、私とリオンの寝溜めもいい感じに完了した。

 第五大陸に着くころにはすっかりしっかり元気になっていて、ムスペルで一泊してフォーンまでの道のりをざっくりと決めることになった。


 まあ、ここからは割といつもの道、って感じだからあんまりしっかり決めなくても大丈夫だろう。

 第五大陸までなら結構来てるし、魔物の量も第一大陸に比べるとかなり減るからね。

 そんなわけで野営用に食料やらなんやらを買いこんで、ムスペルを出発した。


「あー……魔力薄いの久々ー……」

「これが普通なんだけどねぇ。第一大陸、なんかすごい長くいたような気がするよねぇ」

「うん。やたら濃い数日間だったね」


 あたりに風を撒きつつしみじみ呟いて、杖で地面をこつんと叩いた。

 均一に広がった風を動かしながらのんびり歩いて進む。

 今日からしばらく野営続きだから、急いで進む必要も無いんだよね。とても穏やか。


「セルー」

「どしたー」

「ドライフルーツくれ」

「もうお腹空いたの……?」


 荷物からドライフルーツの入れ物を取り出してリオンに渡して、ついでに時計を確認する。

 ……まだ朝ごはん食べてから二時間も経ってないんだけどなぁ。

 逆に言うとあと数時間経たないとお昼ご飯にはならないから、今からちまちま食べておくのはいい事、なのかな?


 まあ割といっぱいあるし、食べつくしても困らないものではあるから深く考える必要もないか。

 道中何か動物を狩れればいいなぁなんて考えながらのんびり進み、お昼休憩も少し長めに取った。

 昼寝をしているリオンを横目にお茶を飲みつつゆっくり休んで、リオンが昼寝から目覚めたところで再度移動を開始する。


 第五大陸では一晩野営をして、その翌日は関所に泊まって第四大陸まで戻ってきた。

 もうちょっとだーって気になるけど、ここからフォーンまでが結構長いんだよね。

 フォーンは第六大陸側の国だから、横長の大陸を横断しないといけないのだ。


「食料は大丈夫?」

「まあ足りるとは思うよ。駄目そうなら途中で村とか寄って買い物しよ」

「なんか狩りてぇよなぁ……香草焼き……」

「ドはまりじゃん」


 そんなに気に入ったのか、香草焼き。

 単に肉が食べたいだけなのかもしれないけど、でもまあ気に入ってくれたのなら作りたいよね。

 リオンがやる気なら道中で野生動物の一体くらい捕まえられそうだし、ご飯の心配もいらないかな。


「今回は迷いの森の傍を通る予定だから、狩りはやるなら早めにね」

「おう。見つけ次第追っかけていいか?」

「流石に一言声かけてね?」

「無言で行きゃぁしねぇよ」


 リオンなら見つけた瞬間走り出してもおかしくない感じはちょっとするよね。

 無言では行かなくても、本当に一言だけ発して走り出しそうだし。

 居た!って一言で走り出したことがあるのを私は知ってるんだからな。


「どうせならでけぇの狩りてぇよなぁ」

「食べきりサイズにして」

「あればあるだけ食うぞ」

「そうだった……」


 それはそうなんだった……でもやっぱりあんまり大きなのを狙わないで欲しい気もする。

 食べやすいサイズのにしようよ。そもそもいるかどうかも分かんないけどさ。


特に問題も無く進む道中を細かく書いていると長くなるなぁどうしようかなぁと思っていたら、なんかとんでもない速度で場面転換が起こる話になりました。

気付いたら次の所に居ます。読みにくかったらすみません。

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