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娘、名付ける

次の日。


「この子の名前はルナにしよう」


月の女神にあやかって娘にはそう名前を付けた。


世界にはいくつもの宗教が存在する。

一神教もあれば多神教もある。

俺も妻のアンジェリカも多神教で、全ての神が平等に尊いという考えのエリス教の教徒だ。

エリス教は開祖である聖女エリス様が神々の御託宣を受け開いたと言われている。

全ての神々が平等という考えから、神の名前でなく開祖の名前で呼ばれている。

そのエリス教で信仰されている神のひとりに月の女神ルーナ様がいる。


「ちょっと恐れ多い気もするけど」


アンジェリカは俺よりもかなり敬虔なエリス教徒だ。

俺は豊穣の女神みたいに飲食に関係ある神様専門の信者だ。

平民には俺と同じような考えの奴も多い。

商人は商売の神様、鍛冶屋は鉄や金属の神様というように自分の生活に関係する神様を信じている。

教会もそういう考えに対して特に何も言わない。

そんな懐の深さでエリス教は世界で最も信者の多い宗教と言われている。


「エリス教の神様たちはそんなことでいちいち目くじらを立てたりはしないさ」


「そうね」




そんな会話をしているとなんだか外が騒がしいことに気付く。

馬の足音だ。

窓に目を向けると、通りに高級そうな馬車と、馬車馬とは別に4匹の馬が見えた。

4匹の馬の上にそれぞれ鎧姿の男が乗っているところを見ると護衛だろうか。

よっぽどのお偉いさんらしい。

この田舎町の町長ではなさそうだ。

などと考えていると我が家のドアをノックする音が聞こえる。


「ワシじゃ。町長のトマスじゃ」


……町長だった。

どうやら俺の思っていた以上に偉いらしい。

ショボくれたオッサンだなんて思っていてすまなかった。

これからは敬意を込めて『偉大なる町長トマス様』と呼ばせていただこう。

俺は玄関に出て偉大なる町長トマス様を迎えるべくドアを開ける。


「いらっしゃいませ、偉大なる町長トマス様。この善良な一市民に何の御用でしょうか?」


「お、お、お前!何をやったんじゃ!?」


開かれたドアの前には顔を青くしていつも以上にショボくれた顔の町長がいた。

とても娘の誕生を祝いに来たという雰囲気ではない。


「お前に城から遣いが来ておるぞ!」


ヒステリックに叫ぶと外の馬車に目を向ける。

どうやら外の馬車は町長の物ではなくその城の遣いとやらが乗っているらしい。


「所詮、トマスはトマスか」


「は?」


「いや、こっちの話だ」


城がある王都からこの田舎町までは馬車で5日はかかる。

この高級そうな馬車が護衛付きで来たとすればそれ以上にかかっただろう。

そこまでして俺に会いに来た?


「……いや、ホントに何しに来たの?」

主人公の名前が出てこないのは伏線とかもったいぶってるからとかではないです。

ただ単に思いついていないのです。

ストーリーはだいぶ先まで考えているのですが……。

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