失恋をした!
結局、さつきの連絡先は消えていた。
因果応報というか、自業自得というか……。
私は失ってはじめて彼女に救われていたことを知った。
もしもこんなことになるってわかっていたら、
私は彼女に何かしてあげられただろうか。
そう思うと涙が溢れて止まらなくなる。
私には小説しか見えていなかったのに、
彼女はちゃんと私を見てくれていた。
私のために泣いてくれた。
そんな大事な人を、私は……。
会おうと思えばいつでも会えたのに、
あの夢のような時間は二度と戻ってこない。
何を言っても、さつきの耳には届かない。
どうしてSOSに気付いてあげられなかったんだろう。
後悔してももう遅いのに、私はガラにもなく非合理的な考えに時間を費やす。
考えてもどうにもならないなら、考えない。
過去の私ならそうスパッと割りきれたはずだ。
それができなくなっていた。
さつきは私のために尽くしてくれたのに、
本当に私はどうしようもない人間だ。
私は人でなしだ。私のバカ!
どうしたら会える? どうしたら……。
そうやって彼女の影を追って1ヶ月が過ぎた。
さつきは私のことを忘れてくれただろうか。
私は最低な人間だから、もっといい人が見つかるといいな。
そんなことを思うが、夢に彼女が出てくるとたまらなく会いたくなるのだ。私はなんて未練がましい男なんだ。
そう下唇を噛む。もう彼女は戻ってこない。
だけど、と私は決意する。
会えないからこそ書くのだ。
プロになって有名になれば、
きっと彼女は見つけてくれる。
そのためにも頑張るのだ!
今度会うときは、私がひと回り大きくなったときだ!
それまでは雌伏の時間だから我慢する。
大丈夫、きっと会える!
だからそのときまでサヨナラするだけなんだ。