使えない少女
「は...はぁ.......ってため息ついてももういいよね...?」
この世界には様々な種族がいる。
神族,悪魔族,狐族,鬼族.....可愛いもので言うと、犬族や猫族などもいる。
それぞれ集団で過ごす種族がほとんどだが、まれに種族がちがうどうしが一緒に過ごすこともある。
.....今まさにその状況だ。
神族は名の通り神だ.....ってわけでもなくて神と似たような存在を値する。
その反対に悪魔族。
悪魔族は神族の敵だ。
この世界は何年かに1度、満月が突然真っ赤に染まる時がくる。
これは、神族と悪魔族の戦いの合図だ。
戦いはお互いがお互いの能力で戦いあうのがこの世界の基本。また、この世界には能力というものもある。
狐族は炎,神族は光,悪魔族は闇.....など種族によって能力もバラバラだ。
「そろそろ話聞いてもいいか?」
「うっ!?」
「お前はなんでそう声かけるたびに驚くんだよ...。」
「ご、ごめん...。」
そ、そりゃ驚くよ!か、神族だっていうところだけでもこっちは怯えるのに...。
「...で。お前なんで家の前で倒れてたわけ?」
「倒れて...た...?」
.....記憶がない。家の前で倒れていた記憶どころかどうしてそうなったのかもわからない。
「?...おーい。」
「覚えて...ない。」
「え?」
「なにも覚えてない...の。」
沈黙が続く...。
あ、あれ?なにかまずかったかな...。お、怒られる...?
「そっ...か。ま、覚えてないならしゃーないなぁ。」
イアはそっかそっかぁ...。って言って笑う。
...なんか、自分が思っていた神族とはちょっと違う。
こんな優しく笑うんだなぁ...。
「ね、ねぇ。」
「ん?」
「イアは神族なのにどうしてこんなところにいるの?」
この世界には「階」が存在する。
上の階と下の階。
神族や悪魔族、または鬼族などは普段上の階に存在する。
下の階はまさに狐族や犬族,猫族などが存在する階だ。
「あぁ〜...。それは...まぁ、いろいろと...ね。」
イアは少し困った顔をしてそう言った。
これ以上聞かないほうが良さそう...かな?
「...そっかぁ。」
「なぁ、お前...いや、リア。」
「な、なに?」
「狐族...ってことは炎属性だろ?...ちょっと見せてよ。」
「えっ...。」
能...力...かぁ。
「そ、それはちょっと...ははは...。」
「なんで?なにか訳あり?」
「えっと...その.....。」
どうしよう。
「その...使えない...の。」
「.....は?使えない...?」
「つ、使えない...。」