青水拳
高は酒店に入った。
テーブルにつき、茶と料理を注文する。
先程の女が店に入って来た。
「あら、お兄さん。お金あるじゃない。御馳走してよ」と女は言った。
「メシだけだぞ」と言って高は注文してやった。
「今日はここで泊まるの」女が聞くと「そうだ」と高は答えた。
「ウチに来れば良いのに」女が言うと「シツコイな。いかない」と高は言った。
「あ、そ。じゃ、さいなら」と言ってメシも食わずに女は店を出て行った。
高が食事を済ました頃、店に女が男達を連れ入って来た。
「コイツか」男の一人が女に聞くと「そうよ」と女は答えた。
男は高に「お前。俺の女にちょっかい出したそうじゃないか」と言った。
「チョッカイなんか出してないよ」と高は答えた。
「ナニッ。やっちまえ」男の一人が言うと男達は刀を手に斬りかかって来た。
高は立ち上がり、構え、「青水拳」と言い拳を突き出した。
男達は高の拳から発する水射で店の外に押し出されてしまった。
「これは敵わん」と言い、男達は逃げ帰って行った。
取り残された女は「すいません。許して下さい」と言った。
高は「許してやるから帰れ」と言った。
女は店を出て行った。
その様子を見ている男がいた。