武館
高が街に着いた時、既に陽は傾いていた。
高は馬から降り、街の中を歩いた。
「ムッ」視線を感じる。
建物から女が出て来た。
「お兄さん、遊んでいかない?」女が言うと高は毅然と「断る」と言った。
「チェッ。このドケチ」女は悪態をついて建物に戻って行った。
高が歩いて行くと武館があった。
高が門の前に立っていると中庭で稽古していた青年が近寄って来て言った。
「何か御用ですか」
高は「中華無双の事を知りませんですか?」と聞いた。
「さあ、私は知りませんが館主なら知っているかも知れません。御待ちください」と青年は言い、家の中に入って行った。
暫くして初老の男が出て来た。
「館主の王と言います。中華無双の事をなぜ御存知ですか」と男は聞いた。
「私は高と言いますが、師から聞きました」と高は答えた。
「こちらに入らして下さい」と言い王は高を家に招いた。
部屋の中。
「中華無双は悪名高い武術家の集団です」ワンが言った。
「本拠地は何処に在るのですか」高が聞くと「それは分かりませんが地底にある様です」と王は答えた。
「本拠地に行くには、まず地図を見付けなければ行けません」と王は続けて言った。
「分かりました。地図を探してみます。では失礼します」と言って高は武館を後にした。