第四話 威嚇と見極め
「うっ」
日差しが無造作に差し込むこの部屋は朝に成ったとい事を教えてくれる絶好の場所と言っても過言ではない。だけど、昨日はいろいろと有ったのでまだ寝ていたい気分なのだが、そういう訳にはいかないと体を起こした。現在の時刻は、六時ぴったりである。
「ぴったりだな」そう言い、下にある酒場だった場所へと降りた。
此処自分が止まっている宿、通称「森の館」は朝にはカフェ夜には酒場に成る大忙しの宿らしい。実際、今は朝の六時だと言うのにこんなにも人、主に女性が立て込んでいた。
そこに一人ポツンといすに座り込み考え始めた。そこに、お茶と菓子パンを持ったフワが現れる。
「大分悩んでおられるようですが、何かおありでも?」
そして、自分はこの時を待っていたと言わんばかりにその言葉に飛びついた。
「なぁ、迷宮の情報の提供は・・・・・・」
「お断りします。迷宮の情報はお金にもなるんですよ?そんな簡単に渡す訳ないじゃないですかぁ?」
フワは自慢げに腰に手を置き言った。このやりとりは、昨日の夜中食事を持ってきてくれた時にもやった事なのでこの返しは見当がついていた。問題は、この先。
「じゃぁ、良い武器屋は無いか?」
この質問、冒険者にとっては命綱ともいえる武器、これはもう迷宮には潜っているであろうフワから聞くのは得策だ、しかし、彼女もこの情報も自分で探してこいなど言われてしまう可能性が有った。すると、次の賭けが成功しない確率が有ったが多分それは無いだろう。だってフワは・・・・
「余った武器なら何本かあるんであげましょうか?」
魔力量から感じた気配が完全に戦闘凶のソレ、獣や本能に近い何かを感じたからだ。に、しても、武器を貰うっていうのは予想外だった。
「あぁ、例えばなにかいい物・・・・・・「ドスッ」・・・・・・・・・・・・・」
太もも、その辺りにとてもに重い鉄の鉛、ゆわゆる剣が落ちてきた。別に、落しても痛くは感じなかったのだが、場を考えてほしい。と言うか、どっから取り出したのだろうか。考えられるのはアビリティかスキルだが、今はソレは良いだろう。
「これは?」そう、まずは確認を取らなければならない。この自分の太ももの上に置かれた一本の短剣と長剣それらはまるで使い鳴らしたみたいに古いさびた鞘に入っていた。それにしてもこの錆、原因絶対血だよね。
「お客様に差し上げます!私、勲章としてとっておいたんですけど、ハハぁ、友達が家に来たとき怖がられまして、へへ、捨てるわけにもいかず。迷ってたら、良い受け取り手が居たなって・・・まぁ貰ってください!」
フワさんは頭に手を当てて可愛い声を出しそう言ってるが、持ってる武器が異常なのとソレを手放せないと言う事だけで相当聞いてるだけでも怖い。
「解りました。ありがとうございます」だから、さっさと礼をして口に菓子パンを突っ込んでもう話せませんアピールをした。
最悪、武器を撃っている店だけでも教えてもらおうとしたのに、なんか貰っちゃった。しかも、呪われてそうで物騒な物。まぁでも取り合ず、後はポーションを買って迷宮へ行くだけだと心に決めた。
迷宮の入り口、此処では主にポーションを売っている場所が多い、ポーションは出来た人も買うし、これから行く人も買うから儲かりが良いんだろう。それを示すようにここではポーションを買う人が多く見かける。武器屋もあるが、多分修理や点検が主だろう。貰った武器も点検が必要かどうか聞いたが「相棒は何時でも磨いてますっ」とのことなので点検はしない方が良いだろう。それと、「変な点検はされたくないので」とも真面目な目で言ってたから今度点検の仕方を教えてもらおう。
通り過ぎりポーションやで壁に映った自分の姿を観た。ボロボロのマントにある程度の服装は黒色一色で、腰には短剣と長剣を装備している。服装、と、初めて見た自分の顔。黒に所々白い髪が入っているショートの髪型だ。前髪は目元まで下していて、耳に掛からないほどの髪の量だった。目元は鋭く、口は細かった。初めて見る自分の顔にどこか、思い出す物は無いかと探るが、浮かんでくる重要なものは何もなかった。唯一つ、思い出したのは昔はこうやって鏡観て変顔をしたりして遊んでいたっけなって事だけだった。これでは何も思い出せはしないが、少し、不思議な気持ちには成った。
「すみません、ポーションを三つ」道なりに進んだポーション屋で一番安い物を買った。観た感じ薄めて売っているのだろうが、効果が有るのならそれでいい。
「はいよ、カードは此処にかざしてくれよ坊主?」
年老いたおじさんがこちらを睨み言いつけてきた。此処に奴隷冒険者が良く来るのだろう。自分はポーションを三つ取り、カードを店主が言った方へと翳し、店の扉を閉めた。
外を出たところはダンジョンに近い所で、多分歩いて三分じゃないかなとかと思うほどの距離、此処にあるはある程度売れていはいたんだが、此処はあまり混んではなかった。
迷宮、道へ進むとそこへ行ける。デカい塔に大きな入り口が有った。そこには冒険者がたむろしており、老略男女が迷宮について話し合いをしていた。入り口に置いてあった無償で置かれている革袋を取り、迷宮へと足を踏み入れた。
―――第一層森林都市、グリーンヘルムその、入り口
入った瞬間に広がる緑の景色、そこには生い茂る木々が周りお生い茂っていた。そう、その光景はまるで森。木々が揺れる音と、鳥が騒ぎ、叫ぶ魔物の音が鳴り響くこの迷宮と言う塔の中で僕は自然を感じた。
「す、すごい。これは、どうなってるんだ?」入り口を入ると別世界で普通は育つはずも無い者が育ってリうのには圧巻した。
「おい坊主。そのリアクションは此処が初めてだな!」後ろから来たおじさんが話しかけてきた。
「・・・はい」不意に話しかけられたので迷宮内とのことで警戒心を強める。ギルドは基本もめ事は禁止しているがそれはこの迷宮の中じゃ通用しない。この迷宮は監視外だ。だから、人殺しも居るし、盗人も居る。だから迷宮の中では警戒は必須だ。
「まぁそう粋がるなって、確かに此処は迷宮内だが此処は入り口、まだ監視内だぜ?まぁでも、早かったな、腰に剣を回すのが。なんだ坊主、もう何人か殺ってるのか?」
豪快に語りふるうその筋肉質な男性は「監視内」と言い、速度だけで見切れる自信を持った奴だった。こいつは危険だと、直感がささやく。
「いや、殺しはしてない。迷宮に入ったのもこれが初めてです」
身長にかつ冷静に言葉を選ぶ、一応迷宮に入ったことも言ったのはブラフと思わせるためだ。それと、まだ腰の剣から手は放してない、と言うかこの気迫の前では放せない。それほどの、猛者。
「はは、そうかい。じゃぁ俺は此処でおさらばさせてもらう。何時斬られるか解ったものじゃぁないからなぁ!」そう言い彼は走って行った。彼の鎧の様な肉体は風をはじき、暴風を生み出しながら去ったその怪獣は北に行った。
「君は凄いないね、ウルドを目の前に」すると、あの猛獣、多分彼の発言からするとウルドが去った後に後ろにつていた細身の男性が語りかけてきた。多分服装からして魔術師だろう。
「・・・ウルド」去った後を観る。削れたじめんは自動修復され始め、暴風が去った後を消しつつあるが、その痕跡は確かに心に刻まれた。最初に合ったフワより豪快で、そして強者の面影を確かに僕は観たのだ。多分、フワは冒険者を引退してるから圧を押さえているんだろうが、普段の冒険者は襲われないためにも圧を隠さない。だから、此処初めて感じた冒険者の圧に僕は震えた。
「僕は最初会った時ビビりまくってたしね」彼が続ける。
「君は彼の目にはどう映ってたんだろうね」
風がなびいた。どう映ってたと言われると、そうだな、
「せめて、弱くは観えてないでほしいですね」
「・・・っぷ、良い答えだよ!素質有るねぇ!」彼は盛大に笑い素質があると言った。少し、嬉しかった。彼は、ウルドよりも強いだろうに。
「さて、ハンデは此処までだ。僕も、競争には負けたくないからね」そう言い、彼はつえを翳した。すると、魔法陣が彼の事を覆い始めた。
「僕の名前はエリだ、暇な時に迷宮に潜ってる上級冒険者さ。さて、君の名前は一応聞かないでおくよ。だから、何時でも聞けるぐらいには上って来いよ。奴隷冒険者」彼はそう言い、消えた。今の魔法はワープだろう。いきなり消える技はこれ位しか思い浮かばない、そして、ワープが使えると言う事は相当な実力者だ。多分、上級でも、推薦組だろう。なるほど、どの冒険者も入り口は一緒って事か。大きく伸ばし、いったん落ち着いた。しかし、恐ろしい新人いびりに合った物だ。
「さて、行こうか」迷宮と言う舞台を前に、そう言いあるき始めた。
迷宮はとても広大で、道などは無かったが見渡す限りに木々が生い茂ってるのが邪魔だな。それと、去れに乗じて追撃を仕掛ける魔物もだ。
後方に降りかかった棍棒を勢いよく抜いた剣でいなす。その衝撃で棍棒は下に落ち、その下してきた物体(木から落ちてきたから小さい者と判断)に回し蹴りをくらわし、前方に向いていた体を後ろに向ける。
「これは、ゴブリンか?」
ゴブリンはずる賢く、しかし魔物の中では一番脆い魔物だ。足は機動性が高い細長い足と長い手をしており、小回りが利く様に進化したのかその姿は小さい。そのゴブリンはいまだ足に惹かれていた。しかし、足から逃れようとこそこそと動いていた。しかし、ゴブリンは集団で動く生き物だ。と言う事は、この機に乗じて隙が出たゴブリンは三匹だった。動いた時の木々の揺れが不自然なんだし、あと数率いるのは此処で襲い掛かろうとしていることから解る。本で描いてあったが、ゴブリンは集団で動くし、生存本能が高い。少数の場合は一匹倒したら引くが、大勢の場合はひかないと書かれていた。
ゴブリンの頭に剣を突き刺しながら考える。真赤な深紅が宙に飛び散る時後方からしゃがんだのをチャンスと見て矢が降りかかる。確かに、この時はチャンスだ。危険な剣はゴブリンに突き立ててるし俺しゃがんだ状態だ、直ぐには立ち上がれないだろう。それに、自分の装備は皮でも鉄でもなんでもない、布だ。だがしかし、狙いが一転すぎる。刺している剣を置いて左へと倒れこむように回避行動を取った。そして、剣を置いたのを観て三体から攻撃をしにかかってるが、まだこっちにはナイフが有るし、楯もある。
まずは攻撃をしてきた一体の打撃をよけつつ拾い。腹の辺りにナイフを突き刺し、そのまま肉体を切り絶ちに行く。そして、残る二匹の攻撃は剣を刺してあるゴブリンを剣の柄を持ってそのまま抜く勢いでゴブリンを放り投げ、止める。そして、狙撃は後方に回避。
これは、いけるか?正直、数で押されるときついが上手くやればよけきれるほどではない。しかし、腕に一本でも矢が当たると正直ヤバい。数でも押されるし、もし逃げ切ったとしても高価なポーションを買わされざるを得ないだろう。あぁ、そう考えると分が悪いな。
とりあいず。あちらから仕掛けられるのは嫌だし、こっちから行かせてもらおう。
「ふっ!」息を吐いて、気合を絞り出すように体を引き締める。助走は早く、失速はしない。さっきまで死んだゴブリンに覆いかぶさっていたゴブリン二匹はこちらを警戒していたが、こっちが近づいてくるのを観て拡散した。恐らく、弓矢を持っているゴブリンに当てやすくするためだろうが。もう位置は割れている。その場所へと初激を躱した時に取った石を投げつけた。これで、多分数秒は持つ。別れた片方は俺を追いかけ、追いかけているゴブリンは一目散に逃げたが。足が、遅かった。逃げていたゴブリンの足を切り取り、頭を掴んでもう一匹の方へと投げつけて長剣で二匹同時に突き刺して胴体を切り離す。ここで起きたゴブリンが気付き、こちらに矢を飛ばしてくる。しかし、場所が割れている狙撃は怖くない。だいたいの狙撃ポイントが解りやすいからだ。その予想通り、前方へと走ると矢は俺が後ろに下がっても良いように遠くへと飛んで行った。そして、乗っていた木に蹴りを入れゴブリンを落とし、そのまま落ちてきた勢いで顔へと長剣を振り下ろした。顔は、二つに割れていた。
「ふぅ。これで終わりかな」汗をぬぐって素材を取りにかかる。素材の取り方は「職業」欄の本に記載がしてあった。部分を採取する。ゴブリンは口の辺りにある牙と、腹の中にある魔石だよな。その思い出した通りに口の中にある牙が有る辺りを短剣で口周りの皮膚事切り落とし、腹の中にある魔石をお腹の辺りを切り裂き探りつつ見つける。魔石は3cm程の小さな紫色の石だった。
「これほどなら一層にある程度留まっておいても良いんだけど」
そう言いポケットにしまってあった紙を取り出し、血を流す。その紙は、ステータスを表記する紙で、またその紙が燃え上がりステータスを再診する。
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アノ・ニム
攻撃:E+4 防御:A 素早さ:S+3 魔力:D 魔防:A
攻撃:28 防御:35 素早さ:50 魔力:32 魔防:36
スキル
無し
アビリティ
壮絶の壁
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「十層まで行けそうなステータスだな」というか、二回も測ると数値が表示されるのか。これも言われなかったな、上級冒険者には言われてるんだろうか。「世界」欄で読んで敵に成ったから調べたんだけど、この英語で表記されている部分はステータスの伸びしろを表すらしい。そして、そのステータスにあう偉業か、階層主を倒すとステータスの伸びしろのランク(そう言われているらしい)が上がる事が有るらしい。
素材を袋に入れ、第二階層を目途に探索をすると決め、進んだ。
戦闘が書けたがただのゴブリンを倒しただけっていうね!