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三話 差と言う壁

黒い文様が首の当たりをまとわりつくこの感覚は変ではなかった。自然に、まるで元合ったかのように存在を感じなかった。これがギルドの契約魔法―違和感なく、シュールに巻き付いたその文様は契約魔法の一種、他社をある制約のもと縛り、使役、または条約を決めつけてしまうものだ。その条約のペナルティーは掛けた本人が決める事ができる。


自分はこれを知っていた。この条約、これは「職業」の棚で見つけた本で収集した情報にもあった。首に家訳される内容までは語られなかったが、受付は語る義務があると書かれてはいたな。なら、大丈夫。そう思った。冒険者は一定の人数を誇る職業だ、不利益な契約ならそれは人に広まり、ギルドの評判も下がるだろう。だから、契約の情報は前もって公開してたのだろう。まぁ、その契約内容まで公開されないのは流石、この奥には固いと言う事らしい。多分これは他国の者が冒険者と成り、その国へと利益が渡らないようにするための威嚇だろう。他国からしたら、情報は解りにくいし、利益を取ってくるための貴重な人材が消えるのは避けたいが、そこまでして守るものが気になって仕方ないと言う事か。なるほど、よく考えている。


されはそれとして、


「これは何ですか?」首のあたりを指さして契約魔法の事は知らないふりをして言う。その方が、警戒されなくてすむからだ。


「それは契約魔法と成ります。そうですね、その内容に関しては少しお話ししましょう。」


そう言い、彼女は結界を張った。と言っても元から用意してあったシステムみたいなものだろうか。


「私も契約魔法で縛られているのでね」そう言い真似をするように、首のあたりを指さし言った。


「まずお話しします。冒険者と言う職業はとても簡単にご登録させていただけます、しかし、この国の情報もご閲覧できます。すると、この国の情報がもれてしまう可能背が有るわけです。しかし、それはこの国と、冒険者と言う職業が危うくなるわけです。冒険者は情報や貴重な素材を保持できますからね。ちなみに、冒険者は迷宮の探索が主では無く、人殺しの依頼もおりますのでご了承を。」


そう、彼女は笑って言った。同種の人間と言うものを狩るこういうを、慣れている口調で動物や、虫を殺すみたいに言ったのだ。その理由も、端的に言うと邪魔と言うだけで人を殺すと言う行為を当たり前のように言った。それは、此処が歪んでいることを示していた。いや多分、此処では人の命が軽いんだろう。それともそれが当たり前で、自分の価値観が可笑しいのかもしれない。そう思うほど、此処は狂っている。あくまで、自分の価値観の問題かもしれないが。


「して、契約の話になります。お客様の首のあたりに付いておられる紋様は呪いの類でございます。これの効果は、契約内容は、一、国から出ない事、二、ギルドの不利益になるようなことはしない事、三、返金はギルドで行う事と成っています。ちなみに、冒険者にも身分の様なものが有ります。それによって契約の話も入ってきますのでここでそのお話を、上級冒険者、こちらは一人サポータが付き、ギルドのバックアップを受ける事ができるものと成っておりますが、だいぶお金を頂きます。ただし、有能な冒険者はこちら、ギルドからご指名され自主的にバックアップが取れますのでお金が無い方でももしかしたら成れるかもしれません。こちらについては月一回に訪れる討伐ランキングと言うものが有りますので、そちらを目途にお誘いさせて頂いております。そして冒険者、こちらは普通にこのギルドのシステムをご堪能頂きます。特になにも無い一般的な物ですね。そして、身分や、お金が無い方が登録される奴隷冒険者、と言物が有ります。ちなみに、身分が無いと強制的にお金が無い限り上級冒険者か奴隷冒険者と成っております。奴隷冒険者にはお金が無い場合、一か月間全ての商品が借金と言う制度を使える様になっており、お金が無い方でも借金をしご購入いただけます。ただし、ある一定の物は交換できませんのでご注意を。そして、返済は一か月に一回です。その時に全ての金額を返された方は奴隷冒険者から冒険者と成れます。しかし、返しきれなかった場合借金が二倍に膨らみますのでご注意ください。そして、いま語った返済が契約と成っております。他の冒険者や、上級冒険者にはそう言うものがございませんのでご安心を。」


なるほど、余程お堅い、しかも身分さが目に見えて解る。多分奴隷冒険者の返済期間が一か月なのも「その程度で死ぬなら要らない」って事だろうし。だがしかし、少し気になる事が有った。


「・・・最初にこの説明をしなかったのは何故だ?」鋭い目つきで、何かを射殺す様ににらみつける。だがしかし、その返答はとても、まるで、全てを氷包むみたいに冷たかった。


「国の為にです」


顔に手をついて少し項垂れる。イライラもするけど、この場で暴れる意味が無いし、確実に此処で暴れて場合、捕まるだろう。対策をしているハズはない。小さく舌打ちをしたのち考えた。それは、賢くない判断だ。


「・・・以外に、暴れたり、文句を言わないんですね」


その言葉が口から出る当り、そう言う経験が有るのだろう。それほど、暴れたりしたのを観たのなら此処は傷の一つついても良いはずなのに、無いのを観る限り即効性の対策だろうな。これにより、捕まった奴隷冒険者が居るなら可愛そうだ。なるほど、自分は此処をスラムに残された「光」だと表現したが、此処まで奴隷冒険者と言う制度を作り、至らしめ、見下され、何も得られず死んでいく確率が多いのなら、それは確かにこの職業は「哀れ」だと認識させられた。


「―メリットが無いからな」


「そうですか。・・・一応聞いておきますが、お金は―」


「持って無い」


「解りました。ギルドから証明書カードをお作り致しますので少々お待ちください。」


そう言い彼女は後ろに下がり、何かを探すしぐさをして、とある一枚の穂刈を被った、ボロボロのカードを持て来た。


「これは証明書カードと言物で、先ほどお話しさせていただいたお金の肩代わりをするカードです。小名駆使された場合に、勝手に使われ、借金が増える可能性が有りますが、ギルドはソコを保証しませんのであしからず。そして、またカードを作られる場合、お金は20万ゴールドとなっております。」


保証なしっと、この国のスラムに対する扱いと、奴隷冒険者を見下すこのやり方には正直にこれから奴隷冒険者に成るって人からすると腹が立って仕方が無かった。


「そして、確認ですがステータスにアビリティと言われる欄がございましたか?」


この質問に違和感を覚えた。何故なら、ステータスの紙はずっと机に置いてあったし、彼女はステータスを何回も、観ていた。それは、人にステータスが観えないことを表していた。


「ちなみに、ステータスはその紙だと他者から閲覧は出来ないんです。血、体をめぐる魔力の根源とも言われている個人にしかない血を採用して使っているからです。」


なるほど、納得した。リサイクルも出来、情報の防衛も万全と。


「ありますよ、アビリティ。」


そう言うと彼女は直ぐに首にある黒い文様を観た。多分、うそ発見器でも仕込まれているんだろうと、反応的に思った。


「・・・アビリティは、後から覚えられるスキルとは違い、生まれた時から持っている才能みたいなものです。しかし、その発生率は非常に低く、十万人に一人と言う希少な物で、しかも力も受け継がれない稀な物です。等ギルドはこれをもつ冒険者を支援するために、一つ、得点が有ります。それがこれです。」


彼女は時々、言葉をとぎらせながら口を大きく開いて話した。そのアビリティ、発動方法が解らない。が、まぁ黙って得点だけ受け取ろう。もし余計な事を言えばそれを失うかもしれない。


そして彼女から渡されたものを観る。それは、宿、食事つき一週間と言う保証が付いた証明書カードと先ほどステータスを図った紙だった。


それを渡すと彼女は頭を下げ、左側にあるゲートを開けた。


「行ってらっしゃいませ、冒険者様」


彼女が深々と頭を下げお辞儀をしてきた先にある道を自分は知っていた。冒険者だけにしか通る事ができない、迷宮への一本道、通称ファーストロード。最初に訪れる絶望と、希望と、その他いろんな始めたがこの道で得られるためになずけられたこの道の名前だ。


冒険者は此処からは三日出られず。三日毎に一度外に出られる権利が与えれるが普通の冒険者は此処から出ようとはしない。なぜなら、武器が飛躍的に買いやすく、ポーションやサポート系のアイテムが出そろっているからだ。それに、宿、宿宿宿、見渡す限り宿で埋め尽くされたエリヤや、他にも武器ばっかりのエリヤなどある。ちなみに、この場所に一軒家は数件あるが、どこもが外よりも倍以上高いのにもかかわらず売れていたりする。買っている者はただの金持ちか、ただの脳筋だと聞いた。


さて、そんな事はどうでもいい。問題は宿だ、宿。自分は貰った証明書カードを裏返してみる。すると、そこには宿の場所がきっちりと書かれていた。受付嬢から何も言われなかったのは忘れてたからだと、信じたい。そして宿の場所は迷宮から少し北にあるデカい宿だった。その見た目は屋根が丸っぽく所々街灯が光ってる木造建築型の宿だった。どうやら宿の一階が酒場に成っているらしく、とても騒がしかった。男が酒を飲み漁り、女が男を引っ叩いたりするのを観るのはざらだと言っても良い位には騒がしかった。というか、よくその光景を道中で観た。そう、此処はよく祭りやいざこざが行われ、美味しい酒場が有る事で有名なカーニバルエリアだ。まぁ自分的には、大人しく落ち着いた場所が良いだが。


「文句を言っても仕方が無いか」ため息交じりにそう吐き散らし宿へと入って行った。


一階の酒場には受付っぽいところは無く、唯あったのは上へと続く階段が有った。だから、階段目指して歩いた。別に、人に話しかけるのが嫌だとかそういう訳・・・なんだけども、けどやっぱりは無しい掛けない可能性が残ってるならそっちへと行きたかった。精神的に。


階段へと近ずく途中、誰もがこっちを気にしてない様子だった。ちなみに、階段にはカードを入れるスペースが有った。俺はそこへカードをすっと翳すと、魔法陣が浮かび上がり、解析を始めた。


「あ、あのぅ。もしかして、今日ギルドから連絡が有ったアビリティ持ちさんのアノ・二ムさんですか?」


その可愛い幼い声と共に現れたのはフリルの白と緑のドレスを着た165cm位の女の子だった。ちなみに、耳としっぽがついている。人犬種だった。かなりモフモフな方の。


人犬種、基本犬と人が合わさった様な見た目でとてももふもふしている。が、その可愛さの裏には嗅覚と耳で拾える広範囲の探索型に成っている。ちなみに、殆どの人犬種は犬が苦手である。と、本でチラッと読んだ。


「そうです、アノ・二ムです」自分は初めて出会う生物をまじまじと見つめつつ答える。


「あ、えっとそ、そうですか!解りました。では、カード―そちらの・・・ってもうかざしてるんですね」


下にうつむいたままそう答えた彼女は少し慎重に関して気にしているように頭の耳をぴょこぴょこさせた。


「では、私が案内をするので・・・ささっ!」そう言い彼女は前を歩き出す。


「すみません、気になっているんですが此処の防犯とかって大丈夫なんですか??」不意にふと考えていたことを口に出した。それはだって自分で言うのもなんだが多分この身長差なら押し倒すなりなんなりでこの人は倒せて、人質にとれたりもすることを考えると泊まる身としては不安なわけで、そこらへんの事情は少し気になった。


「ハハ、防犯ですか。それはこのカーニバルエリアだからこそちゃんと対策はしてありますよ。私、人犬ですし、こう見えても強いんですよ!」そう言う彼女の言葉通り彼女の魔力は見るからに違いが分かった。言葉の途中に出てきた魔力に少し圧巻された。多分、自分ぐらいははるか彼方へ投げ飛ばされるんじゃなかろうかと思うほどに強くて暴力的な魔力がその場を包み込んだ。


「あ、もう着きましたね。話すと時間が過ぎるのが速いですね」


彼女がそうせせら笑う。この場に緊迫した、空気を味わせた事に気がついてはいるだろうに。


「こちらがお客様のお部屋です!では、ごゆっくり、・・・それと、後でご飯をお持ちいたしますね!」


そう言って彼女はお辞儀した。彼女が案内した部屋は木々一色で明かりの加減でおの高級さがにじみ出ている高そうな部屋だった。これは、ご飯が期待できそうだ。


「お気に召していただけたようで何よりです!あぁ、それと、私、一週間ほどの太陽を務めさせていただきますフワと申します!」


そう言い彼女は去って行った。

ここらへんで戦闘シーンを出すつもりでした。ムズ。

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