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第二話 人はその職業を「哀れ」と表現した。

冒険者やその他派手な格好をしたやつらは返金コーナーに向かっていた。刃物や血に汚れた鎧は浄化され綺麗になっていた。多分返金コーナーを観る限り素材を綺麗にするための光魔法だったようで、冒険者を綺麗にしているのは次いで観えた。


「しかし、物騒な」物静かとは言えない騒がしい空間で周りに聞こえない様にそう呟いた。


冒険者と言うのも少しだが記憶には有った。冒険者、命を冒し、戦いに挑み利益を得ると言った職業。そして、自分はその職業の全貌を物騒と表した。それは自分が観る限りはある人は絶望に、ある人は希望に満ちた顔をしていたからだ。つまりは、安全を観れず、絶望に満ちた顔をした人は安全を有られなかったんだろう。そしてその姿はまるで奴隷、迷宮から逃れようとしても楔がついて離れられない奴隷にも観えた。それぐらい、冒険者は格差社会らしい。


ギルドの内装はその派手な外見にも劣らずに中身は芸術的な内装だったと言えよう。建築物にはあまり詳しくないのだが、太陽の光を生かした設計になってそれには膨大な計算と時間が必要な事だけが解る。でも、これだけ派手なのは少し異様だろうと思う。けどこのフロアに俺の考えを吹き飛ばす最大の情報の塊、一階に区切られた受付と、その先の返金コーナーの横にポツリと図書館が有った。


図書館の目印を観た時は驚いたけど、お兄さんが言ってた「街の詳細が書いてあある場所」って言うのは高確率で此処なんだろう。


そのまま自分は図書館と書かれた場所へと向かった。





図書館にはその名にふさわしいほどの本があり、数メートル程の本棚に全て本が埋めてあり、そこに階段が掛けてあると言う具合で壁が埋め尽くされおり、唯一本が無い空白は入り口当りだけだった。


本の種類は沢山り、けど迷わぬようそれぞれに種類分けがされてあり、入り口に地図が置いてあった。


自分は地図にかいってあった「世界」と「職業」の欄を探した。結果、大分遠い、と言うか「世界」と「職業」の欄の間が遠かったので、行き来が面倒くさかったと言った方が明確で、此処の本は持ち歩き禁止、多分棚がめちゃくちゃに成らないようになんだけど見比べたいときには物凄い面倒くさかった。けど、それでも見たいもの、得たい情報が得たいときに頭に叩き込めたからその労力には感謝をしている。


自分は体力が無いほうではない、少なくとも目視出来ないほどの道を歩き疲れを感じてないので多分総合的には体力はあるのだろうかと考える。少なくとも、比較対象が居ないから確実性のある事は全くもって語れないので残念だ。語れない、と言うのは自分はよく思考を口に出しながら考えるのでそういう風に思った、この癖のおかげで本を読んでいるとき少し不気味がられたりはした。二、三回注意をくらったが集中しすぎて実は何回も呼びかけられていたと注意された人から聞いた時は少し自分の集中度には感心した。今後、注意が必要かもしれない。


そう言えば今後の方針が決まったなと感心した。そしてその方針を忘れない様に頭に覚える様に思い浮かべる。


第一に冒険者に成る事だ。図書館で暇が有った時に観た「職業」の欄で此処の大体の職に必要なことが分かった。一つ、身分、二つ、その職業に必要な腕、三つ、お金だ。この最低保証の三つのうち自分は大体が無く、困ったなと頭を悩ませページをめっくた所一攫千金が狙え、自分でもできる職業が有った。それが、「冒険者」。


冒険者のページにはこう記載してある。


_____________________________________

冒険者、私はこの職業については哀れと言う言葉が最適だと思う。


私が職業を調べるにあたり才も嫌っていたのがこれだった。突如発生した巨大な塔を調べ素材や宝石魔石などを集めるのが、この職業の仕事なのだが問題はソコじゃ無い、昔、この突如発生した塔に国の騎士団が調査する事に成った。その参加者はかつて最強と言われた者の七人パーティだ。各自の能力は国によって伏せられているので詳細は解らないし、見当が付きがたいがその七人が塔から帰って来た時の人数が六人そのうち一人が片手を失っていたと言う。最高到達層は107層と本人たちが語っていた。本当の事は解らないが平民に解る事は最強の七人のパーティが六人腕をなくして帰ってきてその最高到達層が107層って事だけだ。そして彼らは口をそろえてこう言った「もう行きたくはない」と、それから彼らは国から逃げた。ありったけの自分が稼いだ金を持って彼らは逃げたらしい。噂だが、彼らに塔の探索を国は強制したそうだが、彼らは嫌がって逃げたのだと言う噂がこの迷宮都市全体に広がった。それから国はその塔の名前を「ラビリンス」とし、その塔の中が複雑かつ怪奇な迷宮な事から平民や奴隷や誰もがそこを探索でき、かつ人数がある程度補充できるように「冒険者」と言う職業を作ったと言う。


つまり、捨て駒なのだ。国が利益と成るものを命がけで集める職業、だから奴隷や身分が無い者でも冒険者には成れる。ただし、人が死んでいる場所に好き好んで行く馬鹿は私が考えうる限り貧困な人々だろう。国は、この「冒険者」と言う職業を言い訳にしてスラム街を放ったらかしだ。しかも、武器や装備は一か月間借金をして手に入れる事ができるなどとふざけた仕様が有る。


私はこの腐れ切った「冒険者」などと言う職業はこれらの理由から哀れだと言う事しか語れはしない。


少し雑談が過ぎたが、これから冒険者の詳細に入ろう。


まず迷宮の中は別世界と成っている恐らく創世系の魔法の一環だがその範囲は一国分だと言う。しかも、そこが破壊不能の壁で構成された迷路だと言うのだ。全くもって馬鹿々々しい話だが、国の関係上これ以上は明かされては無い。まぁ、他国情報を渡さないためなんだろう。あそこでは宝石や武器に成る素材も落ちているしな。そして、魔物の類だ。私がギルドに帰ってきた冒険者の負傷を観る限り、傷があちこちにあり、特に一部大きな損傷が無い事から複数で移動する魔物の類だろう。そして、打撃痕を観る限りゴブリンかオーク辺りではないだろうか。だが、時々大きい打撃の痕が見受けられる限り多分イレギュラーで手強い個体が現れると観る。・・・以上だ。


この本では前文に書いた通り冒険者はおススメしない。

_____________________________________


そう、短く記事されていた。


この記事では冒険者については冒険者については否定的だけど自分の見解は違う。確かに、命は掛けるだろう、確かに危ないだろうが、それでも一生貧困になるまいと自分で歩いて死んだ人はそのまま死んでいくよりは後悔が無いんではないかと思う。貧困でも、暮せてる。でもそこから裕福になりたいと「欲」が出たから「冒険者」に成ったんだと思う、決して強制はされない。自分から見たらこれはスラムの人たちの「希望」なんだろう。


あくまで、自分の考えなのだが。


そして第二に、お金を集めることだ。この後生活するにしてもお金、冒険者として必要な物を買うとしても、お金、世の中金だ。まぁとりあいず、先に冒険者に成る事が第一条件だった。


ギルド、受付、受付には美人が一人ポツリとただ立っていた。その外見に特に目立つものは無い。しいて言うなら首に付けている奴隷の首輪だろう。彼女は多分借金が有る。そして、此処で笑顔を崩さず笑っている。こう言うタイプは非常に厄介だと解った、この状況、この場でも笑っているのだ。少し、不気味だ。


「すみません」


声を掛けた、これで人と話したのは三度目だ。


「何でしょう?」


彼女は笑った、ただし、笑顔にバランスが無かった。


「冒険者に成りたいんですが」


こう言うと彼女はにんまりと笑った。頬の引きつりが無くなり、笑顔は均等にそろっていた。多分、受付の売り上げが上がるシステムでもあるのだろうか。そんな事を考えていると、彼女は紙をこちらへと差し出してきた。


「こちらに、身分、名前をお書きください」


・・・。どうやら、身分が有る人と勘違いされたらしい。


「身分は無いです、それでもできると聞いて」


そういうと彼女は別の紙を取り出した。


「ではこちらに、お名前とステータスを」


ステータスとは簡潔に言うとその人にある能力値、普通は幼少期に教育機関で観るのだが生憎、自分はそんな記憶は無かった。それと、


「・・・・名前」


自分に名前は無かった、記憶喪失と共に消えたのだ。


「名前が無い場合、その場で考えて頂いても構いません」


考える。簡単に言うけど、自分には名前が有ったのかもしれないのに名前を付けても大丈夫なのかと思うと悩む。


「アノ・ニム」


不意に出たその言葉は以外にもぴったりとしっくりと自分自身をとらえられる名前だった。そして、その名前を直ぐに書きこんだ。


掻き終った後、バット顔を上げた。


「ステータス」


自分がそう呟くと彼女が続けてこう言った。


「ステータスは紙に血を一滴程落としていただけると表示されます」


言われたままに皮膚を一部食いちぎって血を垂らした。すると、紙が火に包まれそこから文字が浮かび上がる。


_____________________________________

アノ・ニム


攻撃:E 防御:A 素早さ:S 魔力:D 魔防:A


スキル

無し


アビリティ

壮絶の壁


_____________________________________


黒い文様が首にまとわりつく時、


「これで冒険者登録は完了ですね!」


彼女は手を叩き、そう言った。

( ;∀;)たすけて

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