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Humility  作者: けろ太
5/8

Second



「今日は全国的に晴れ模様でしょう。ただ例年の平均気温を10度も下回るでしょう。何か羽織れるものを必ず持って行ってくださいね!」


テレビには、もうおじさん達の姿はなく、可愛いお天気お姉さんが今日の天気を教えてくれている。


時計の針ははちょうど11時30分を指していた。


4年ぶりの再会を果たした彼女は部屋に入るなり、体育座りをしながら無言でテレビを見ていた。


「それでは、今日も一日頑張って下さい!」


お天気お姉さんが、満面の笑みであいさつを終えてしまった。


そろそろ沈黙に耐えきれない…


体育座りしている彼女のワンピースからでた、太ももに思わず目が行ってしまいすぐにそらした。


やばい、もう限界…


「えーとですね、そろそろですね、来たわけを聞きたいのですが…」


30分かかりやっと第一声を発した。


「……。」


彼女は一瞬こっちを見たものの、まだ口を固く閉ざしている。


なんだ、なんなんだ。どおすれば良いんだよ!


もう既に僕の頭はキャパオーバーだった。


「こういう時は何も言わずに押し倒のが男ってもんだろ。」


「お前は黙ってろ」


ドヤ顔をしながら、また彼が現れた。1日で2回も現れるのは、おそらく新記録だろう。


「だいたいさ、元カノ様が会いに来たって事は何か相当な理由があんだよ。何か心当たりねえーのかよ?」


「ねえよ!別れた日から一回も連絡なんかとってねぇよ!」


「じゃあ、あれだ、お前の後に出来た彼氏にでもふられたんじゃねぇの?それで、寂しくなって誰でも良いから男に会いたくなったってとこだろ。」


「それは、あるかもな…。」


「じゃあ、ほら、早くしろよ!」


「何をだよ!」


「分かんねぇ男だな。さっきから押し倒せって言ってんだろ!」


「できるわけねーだろ!」


「はぁ…これだから、非童貞は」




「ゆき、最後の日の事覚えてる?」


「え?最後の日?」


童貞天使に気を取られてるうちに、彼女の口が唐突に開かれた。


「ゆきと喧嘩して別れたあの日の事!」


大きな声に少し驚いてしまった。


「もちろん、覚えてるよ。」


「私さ、気づかなかった。あの日、ゆきが私の為に嘘をついてくれたんだって。」


「いや、嘘なんかつかないよ。単純に好きな人が出来たって言ったよね」


「もう、いいよ。私聞いちゃったのお母さんに。」


「え…?」


「本当はあの日の前日、私のお母さんに会ってたんでしょ…」


「…」


「ごめんね、本当に…」


「…」



しばらく沈黙が続いた後、彼女は小さく深呼吸をしてこう続けた。


「私達もう一回やり直せるかな?」

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