第四話
教室に帰ろうとしているときだった。
「彼方さ~ん。そこにまた、誰かいるんだよね~?」
うわ、しつっこいなぁ。
またかよ……。
「飛鳥ちゃんですって?友達?死んじゃったんだ、かわいそ~。」
私はこの発言にイラッとした。
「……んなこと言うなんて、サイテー。」
「何~?聞こえませ~ん。」
「キャハハハハっ。何ボソボソ言ってんの~?」
ウザい。
超ウザい。
サイッテー。
「死者にそんなこと言うやつは許さない……っ!!」
「な、何よっ……!」
あいつらは後ずさりしていく。
もう許さない……っ!!
「天地に住む霊たちよ。我に力を与えよ。」
私は澄んだ声を出そうと、必死に頑張った。
そして、私は手をあいつらの方へ伸ばす。
そして……。
ドンッ!!
大きな破裂音が聞こえた。
「キャアァァァ!!」
あいつらの叫び声が聞こえる。
ざまーみろっ。
私はさっさと教室に帰って行った。
「はぁ……。」
疲れた……。
この技って、意外と体力を消耗するんだよね~。
「彼方……麗霊っ!絶対許さない……。」
誰かのつぶやきが聞こえた。
誰……?
「あんた、誰?」
私が言うと、そいつは私をにらんできた。
「美墨 千聖。同じクラスですっ。」
あ、そういえば言ってなかったけど、私、
クラスの子の名前とか一切覚えてないから。
これマジだからね。
千聖とかいうやつは、こんなバカなことを言った。
「私とあなたで、勝負しましょう。
あなたの霊能力とやらを、見せてもらうわっ!!」
超ケンカ腰だな。
何する気?
ま、応援はみんな千聖行きだけど。
応援なんて、邪魔なだけだからいらないけど。
「美墨さん、だっけ。あなたさ、何で私と戦うわけ?」
それがまず分からないと、霊能力の使い道が分かりませんが?
「あなたに気安く呼ばれたくないわ。」
ウザい……。
「まぁいいわ。私はね、霊能力があるの。」
だから何?
って感じなんだけど。
何がしたいんだ、この子。
「私とあなた、どっちがより強い霊能力があるか、確かめましょ。」
はぁ?
意味不明。
それをしたところでどうなるわけ?
意味が分からん。
「あのさぁ……それをして、何がいいの?めんどくさいんだけど。」
多分、逃げるんだ~、とか言われるだろうけど。
でも、そんな遊びには付き合いたくない。
無視無視。
「逃げるのね?いいの?それなら、
あなたには霊能力はなかったってことになるけど?」
やっぱりね。
めんどくさい女。
将来嫌われるタイプだな。
「別に、私に関係ないし。したければ勝手にどうぞ。」
私はしないけど~。
〈麗霊ちゃんっ。やらなくていいの?〉
飛鳥が急に出てきた。
「いいんだよ。こんな私利私欲のために霊たちの力を使いたくないし。」
〈そう……。〉
飛鳥は少しがっかりしていた。
でも、仕方がないの。
霊たちのためだから……。
「また独り言ですか?霊感、ないんでしょう?」
「勝手に決めないでくれる?私、霊感がないとかは言ってないから。
あんたたちが勝手に決めたんでしょう?」
〈もっともだよ。麗霊ちゃん!〉
「はいはい。」
飛鳥……。
もう一度遊びたかったなぁ……。
なんか感動系になる予感。