第三話
あぁ、授業めんどかったぁ・・・。
図形とか面積とか、必要ないよ。
家の設計する人にだけ教えてよ。
あんなもの、使わない使わない。
無駄に頭使うだけだよ。
いらんいらん。
〈だよね、だよねっ!!〉
犬・・・?
じゃなかった。
誰だよコイツ。
「誰?」
〈やだなぁ、よく遊んだじゃん!!〉
コイツ、人間の形してるけど、ホントに人間?
「あんた、人間じゃないでしょ。はい、成仏してね~。」
〈もう!!飛鳥ですぅ!!〉
「・・・あすか?飛鳥?」
飛鳥って、小さい頃よく遊んだ、あの飛鳥?
なんで?
っていうか、ここにいるってことは、死んじゃったってこと?
「飛鳥・・・。死んじゃったの?」
〈えへへ。どじっちゃった。〉
そんな言い方しないでよ・・・。
死んだこと、後悔してないんだ。
「死んだこと、後悔してないんだ。」
〈えっ。後悔してるよ!!麗霊とまた遊ぼうって約束したのに・・・。〉
あ、そういえば約束した気もする・・・。
「なんか、ごめんね。でも、私の夢の応援くらい、してくれるでしょ?」
〈夢って?〉
私はこと細かく話した。
〈そっかぁ。じゃ、私もその中に入れる?〉
「もちろんじゃない。」
私は飛鳥に笑いかけた。
「あははっ、また独り言?」
「ほんっと、懲りないやつだねぇ。」
「そこに誰かいるの?」
あいつらか・・・。
もう無視しよっと。
めんどい。
授業で頭使ったばっかりだし。
「無視とかウザいんですけど~。」
あ~、うるっさいなぁ。
私は無視してスタスタと教室に戻った。