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第一話

「うっわ、霊感少女キタ~!!あっちいこっ!!」

「うんっ!!」

誰もが私に近寄らない。

でも、別にそれでいい。

私には友達なんていらないから。

ああいう風に逃げ去っていく子たちの背中を見つめながら、私は思う。

そもそも、友達なんてものつくってどうするの?

お互いの喜びを分かち合う?

何そのきれいごと。

ほんっと要らないんだけど。

そういう人、マジでウザい。

こんな口のきき方してる私もどうかと思うけど・・・。

さすがに、あれはないんじゃない?

友達がどーとかこーとかって、

悪口言うんだったら最初から近寄るなっての。

いっつもそうじゃん。

悪口言われて泣いてるんじゃ、今はなぐさめてくれる人がいても、

大人になったら、なにそんなことで泣いてんの?

って、だ~れも相手してくれなくなるよ?

いや、大人にならなくても、高校行ったらなるかもね。

特に、きつい女子とかいるじゃんか。

そんなことに付き合ってる暇があれば、もっと違うことやれよ。

がり勉じゃないけど、勉強してよってなるな。

みんなも考えてみて?

勉強するのと悪口言われるの、どっちがいいの?

つるむだけでもため息出そうなのに、

悪口なんて言われて、アンタは何をしてたの?

何がしたかったの?

そうなるはずなんだよ。

だから私は絶対に友達なんてものはつくらない。

『人間の友達』はね。

〈麗霊、また一人なの?〉

どっかの霊の声。

これは多分、最近仲良くなった犬の霊・・・。

私が振り向くと、そこには宙に浮かんだ犬がいた。

みんなの想像通り、足はなくて代わりにつるんとしたお化けらしいヒレが。

説明しにくいけど、あれだよ、あれ。

足のとこについてる・・・ね?

って、私なんでこんな必死に説明してんだろ。

ま、いっか。

〈麗霊?どうしたの?〉

あっ、この子のこと忘れてた。

「だ、大丈夫!!それより、なんだっけ?」

〈もう!!だから、また一人?って、聞いてたんだよぅ!!〉

こいつ・・・生意気だ。

なんでそんな上から目線なんだっての。

ま、いっけどね。

私だって、そんなこと言える立場じゃないし。

「そう。一人だけど、何?」

〈だって、一人だといじめとか大丈夫かなって。〉

こいつ・・・マジでバカだ。

私は気味悪がられてるんだよ?

そんなのをいじめるバカがどこにいる!!

「だからねぇ・・・」

「あっれ~?彼方さん、また独り言?あ~、幽霊が見えるんだったっけ?」

「じゃあ~、そこに幽霊いるんだ?あははっ、面白いね?」

うっわ、バカがいた・・・。

ドン引きだ・・・。

気味悪がられてる私をわざわざこんなこと言いに呼び止めたりして・・・。

マジでバカだ、こいつら。

まぁまぁな数だなぁ・・・。

こんなに私をいじめる勇気がある人、いるんだなぁ。

私、霊見えるんだよ?

こんな人にかかってきて、勝てると思う?

無理無理、絶対無理。

自信がある。

私は霊を操れるんだよ?

あの犬だって・・・

「ちょっと、あいつらに何か仕掛けて!!」

私が小声でこう言えば・・・。

〈うん!!分かった、行くよ~。〉

ピュンっと飛んで行って、誰かの顔に直撃!!

うわぁ、顔行きやがった・・・。

マジでやったな。

ってか、こんなことしたら私疑われるじゃん!!

って、どっちにしろ疑われるか。

でも、先生とかに言ったところで無理。

「お前ら頭大丈夫か?」

で終わりだもん。

意外と私の霊感は教師にはばれてなくて、ってか、見せたことないしね。

つまり、私は最強ってこと。

チート?

じゃないか。

じゃ、そういうわけで。

あの犬の名前、決めないとなぁ・・・。

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