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プロジェクト2

今日もルンルン気分で、黒崎リリィはある男の住むアパートまでスキップして向かっていた。


そして、冴えない男・小金沢章宏35歳(職業ニート)の部屋に到着した。


「お兄ちゃん!いますかー??」

「ああ、黒崎か? 今日もいるぜ。なんていっても働いてないからな」

「だよねー( ´艸`)ププ 」


・・ということで、早速リリィは持ってきた冷凍食品を冷凍庫に詰め込んだ。


「あ、今話題の冷凍食品?」

章宏はビニル袋に詰められた大量の冷凍食品をめざとく見つけた。

「うん。ものすごい量が回収されそうになったからね、もったいなと思って。お兄ちゃんなら大丈夫だよね」

「ああ、たぶん大丈夫さ。昔、メソポタミア人と付き合ったことあるしなー」

「誰それー(#゜Д゜)ノ 私よりもかわいいの?」

「黒崎の数ミリ倍かわいいよ」


相変わらず会話になってるんだかなってないんだかのやりとりをした後、ゴリラ通信プロジェクトの計画をリリィに話しはじめた。


「黒崎、よく聞いてほしい。これは極秘事項なんだ。誰の耳にも届いてはいけない」

「うんうん。わかってるよ☆ だけど、生協のパートの人にはもう全員に話しちゃったけどね」

「そうか。じゃあもうパートのおばちゃんたちは町中にうわさを垂れ流すよな! ・・・っていうか、黒崎のスカポンタンっ! なんで話しちゃうんだよぉ(泣)」

「だって現実味のない話だし。案の定、誰も本気で信じなかったよ」

「それは良かった。そこが狙いなんだ。とりあえずこれから、マウンテンゴリラが多く生息しているアフリカに向かう。もう準備はできている、お金以外はな」

「アフリカにいくのにどれくらい必要なの?」

「このパンフを見てくれないか?」


章宏は、どっかから取り寄せたアフリカ旅行ツアーパンフを広げた。


「『ルワンダ ゴリラトレッキング 8日間』 640,000円だ。どうだ、お前もいくだろ?」

「だめだよ。だって、私にはパートの仕事があるもん。それに、64万円も貯金もってないもん。それに…」

「それに?」

「仮に1億円もっててもルワンダなんか行きたくないんだけど(笑)」

「そっかーorz でもな、ゴリラはもう全世界に700頭しかいない貴重な存在なんだし」

「見たければ上野動物園に行けば会えるじゃない!」

「それもそうだな。まずは、そこからかな。俺も働いてないのにどうやって64万貯めていったらいいのか途方に暮れていたところだ。お前、意外と頭いいよな!」


リリィは瞬間的に思った。

私が頭がいいのではなくて、お兄ちゃんが頭悪いんじゃないのかって(笑)



さて、そんなこんなで章宏は実に20日ぶりにシャバに出ることにした。目的地は、上野動物園。

電車でいけば30分足らずでいくことができるデートスポットだ。

そんな上野動物園前に12時で待ち合わせをしているが、リリィは時間になってもいっこうにこなかった。


「お兄ちゃん、おまたせ~☆ 待った??」

「黒崎~、お前何分待たせるつもりだったんだよー。もう、37分も待ったよ。その間にソフトクリーム3個も食べちゃったから、腹下しそうだよ、まったく!」

「そんなにソフトクリーム食べちゃうからじゃない?」

「あ、そっか! お前、頭いいよやっぱり」


リリィはまた、こうも思った。お兄ちゃんって、思考回路が変だよねって。



早速二人は、園内の散策を兼ねたゴリラの捜索を開始した。


「ねえ。私、生ゴリラを見たことないんだけど、怖い?」リリィはぶりっこ口調でそういった。

「お前も29歳にもなって、生ゴリラを見たことないのか? 意外だなー。すごいかわいいぞー」

「象?」

「象じゃなくて、かわいいぞーって言ったの。もう黒崎のバカ!」

「ごめーん。あ! パンダのぽんぽんとしぇんしぇんがいるよ! ちょっと見ていこうよ!!」

「おいこら待てよー! 目的を忘れるなよー」


リリィは章宏の引きとめの言葉を無視して、パンダコーナーにとっとと行ってしまった。

「仕方ない。俺だけでも、ゴリラコーナーに行ってくるか…」


章宏はあきらめて、ひとりゴリラコーナーに行くことにしたのだが…

しかし、この後とんでもない光景を目にするとは思いもよらなかったのだ!



(つづく)

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