表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風の魔王城  作者: とにあ
28/30

オルゴール


 優しい音色。


 木の上でうたた寝していると聞こえてきた。


 なめらかで優しいオルゴールの音色。


 






「……ケンディ……。ケンドリック。どこだい?」


 木の上で不貞寝していた時に聞こえてきた兄のような存在の声。


 当時の自分はそれに素直に応えれなかった。


 第一、どうせすぐ見つかるのだ。


 実際その日も彼はすぐに側に来た。


「探したぞ。ケンドリック」


「ステフ……」


 彼ステファン・ビーズは困ったような笑顔で、無造作に頭を撫でてくる。


 いつものように。


「ほら、おみやげ」


 ステファンが差し出したのは小さな箱。


「……うん」


 いつもおみやげを受け取るのは複雑な気分だった。


 ステファンはすぐに出かけてしまう。その証なのだから。




――おみやげなんかいらない。 側にいて――




 いくらそう思っても、それは言えない。


 本当に困らせてしまうだけだから。


「開けてごらん」


 ステファンは楽しそうに、開くことを勧める。




 ぽろん♪




「コレ、楽器?」


 ステファンは笑って首を横に振る。


「オルゴールって言うんだよ。魔力は感じないだろう?」


 そう、この小箱からは一切の魔力を感じなかった。


「おる、ごーる?」


「カラクリ細工なんだよ。これはこの音色しか綴らないけどな」


 




 いつのまにか取り上げられ、壊されたオルゴール。






「陛下、コレはいったいなんですの?」


 声が聞こえてきた。


 フレムか……


「オルゴールって言うカラクリ細工らしいよ」


 セイフィルト国王陛下の声が聞こえる。


「兄が作ったものらしい」


           


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ